事業紹介

医学および看護・介護領域の専門書籍・雑誌の出版を行っています。医学書籍編集部では、医学界で活躍するトップクラスの執筆陣を揃え、毎年200点におよぶ書籍を刊行。また、学生用の教科書、臨床実習用テキスト、研修医・臨床医の生涯教育のための実践図書など、時代を先取りする内容で圧倒的な支持を得ているのです。また医学雑誌部では、国内の医学関連領域で最大級の雑誌点数を発行。看護出版部は雑誌・書籍出版を合わせて行っている社内でも最大の部署。看護・介護領域の臨床の現場で活躍中の方々へ常にフレッシュな情報提供を心がけると共に、現場の生の声を紙面に反映し、わが国の看護の質の向上に大きく貢献しています。

  • 医学系出版部門(書籍・雑誌)

    書籍

    医学系出版部門では、海外交流も含めて日本の医学界および関係領域で活躍する一流の著者陣により、最新の優れた医学・医療情報を読者に提供している。

    書籍においては毎年百数十点の刊行点数を誇り、医学部学生用の「標準教科書シリーズ」、研修医用の「レジデントマニュアルシリーズ」は常に時代を先取りする内容で多くの支持を得ている。さらに臨床医の日常診療や生涯教育に貢献する臨床実地書など、数多くの良書・名著を刊行し、なかでも『今日の治療指針』は「臨床医のバイブル」とも呼ばれ、わが国の医療従事者必読の書と評価されている。

    また,歴史的に医学書院の特色をなしてきた優れた研究書は、基礎医学から臨床医学まで各領域にわたって最高の水準を維持し、専門医,研究者,医局・研究室・図書室に必備の基本図書として信頼を得ている。

    さらには臨床検査,理学療法・作業療法・言語聴覚療法,薬学領域,病院管理など関連領域に至るまで、視野の広い出版活動を展開している。

    各種教科書シリーズ

     

    『今日の治療指針』
    ポケット判(左)とデスク判(右)

    『治療薬マニュアル』

    雑誌

    医学系雑誌

    一方、雑誌は現在25誌を発行しており、書籍と同様に医学および医学関連領域を広くカバーしている。内科総合誌 『medicina(メディチーナ)』 をはじめ,『総合診療』(2015年 『JIM(ジム)』 より誌名変更),糖尿病患者の診療を担う医師・医療職のための 『糖尿病診療マスター』,国際的にも評価の高い 『胃と腸』,神経学の最前線を紹介する 『BRAIN and NERVE-神経研究の進歩』,公衆衛生関係者を対象とした 『公衆衛生』 などの内科系雑誌と,消化器一般外科医を対象とした 『臨床外科』,厳選された投稿論文を掲載する 『脳神経外科』 『臨床整形外科』 『臨床眼科』 などの外科系雑誌をバランスよく配置している。

    さらに、医学関連領域としては、病院運営管理者のための専門誌 『病院』,リハビリテーションの総合誌 『総合リハビリテーション』,理学療法士のための 『理学療法ジャーナル』,検査に携わる人のための 『臨床検査』 『検査と技術』 などを発行している。

    いずれの領域の雑誌も斯界のエキスパートを編集委員に迎え、学術専門誌としてのクオリティと正確さを堅持している。

  • 看護系出版部門(書籍・雑誌)

    雑誌と書籍の出版を合わせて行っている社内でも最大の部署。特に看護学生向けのテキスト 『系統看護学講座』 は全国的に採用されており、定評がある。さらに 『新看護学』 『助産学講座』 『標準保健師講座』 等のシリーズも出版。合わせて周辺領域の参考書や研究書を手がけ、学生・教員・研究者から高い評価と信頼を得ている。

    また、臨床の現場で活躍中の看護師・保健師・助産師や看護教員・看護研究者・看護管理者向けに、書籍はもとより雑誌7誌を刊行。常にフレッシュな情報提供を心がけるとともに現場の生の声を誌面に反映し、わが国の看護の質の向上に大きく貢献している。

    海外の優れた書籍の翻訳出版にも積極的で、新しい理論や方法の紹介にも意欲的に取り組んでいる。看護理論,看護研究,看護診断の分野では他社の追随を許さない豊富な翻訳タイトルを有している。

    『看護大事典』 『看護・医学事典』 『看護英和辞典』 など、息の長い出版物である 辞書・事典類 も充実。冊子体のみならず 電子辞書 というかたちでのデータ利用も進めており、学生から臨床家まで幅広い層に支持されている。

    看護の役割への社会的要請が強まる中で、大きな発展が期待される部門である。

    看護書籍は年間70~80タイトルを出版。 あらゆる読者層、あらゆるジャンルに及ぶ。

    看護系雑誌

    『系統看護学講座』

  • 電子出版業務

    『看護医学電子辞書』は第1回JEPA電子出版アワード大賞を、『今日の診療』は第3回同ロングセラー賞を受賞。

    医学書院では早くから電子出版(Electronic Publishing)の優位性,将来性に注目し、電子出版製品 の企画,開発,発行を積極的に推進してきた。既に1991年には、診療に求められる膨大な情報を収録した大型CD-ROM製品を発行し、その後においてもDVD-ROM,LAN,インターネットなど,最新の媒体を活用することで、現在もユーザーを増やし続けている。また、電子辞書の自社ブランドによる発行や、雑誌のオンライン化 を達成するなど、その活動の幅も拡大している。今後も、技術の進化や需要の変化に合わせて、より高度なメディアにおける学術情報の展開を、確実に、そして強力に推進する考えである。

  • 制作部門

    制作部は書籍の制作を担当する1~4課と、制作関連業務を担当する管理課で構成されている。1~4課は編集部から引き継いだ原稿を整理し、組版指示(レイアウト指定)を行い、著者との校正のやりとりをするなど、印刷までの制作工程全般を担当している。また関連各部門と協力しながら、ウェブ付録や付録DVDなどの発注・制作も行っている。そのためには、書籍制作に関わる知識はもちろん医学・看護学に関わる知識が広く要求される。管理課では書籍・雑誌の資材調達,発注処理,搬入手配,原価管理などを担当し、資材(用紙),印刷製本,経理に関する知識が要求される。

    さらにDTP(デスクトップパブリッシング=PCを用いた組版)の普及に伴って、組版・刷版・印刷・製本の各工程における技術革新が加速している。そのため取引先と緊密に連携し、最適な制作方法を不断に求めている。

    また、制作部では出版物の早期発行と適正な価格を維持するために、全工程での効率化と品質管理を徹底し、制作期間の短縮、コストの圧縮に努めている。

    制作部の方針は、医学・看護学の進歩・発展に資するために、内容の質を高めることと、読みやすい本作りである。

  • 販売事業部門

    セールスミーティングの風景

    全国約30万人の医師、約150万人にも及ぶ看護師・助産師・保健師,さらに隣接領域の医療関係従事者、学生などを読者にもつわが社は、主として医科大学所在地にある約120店の医書専門店と特約店契約を結び、これらの特約店ならびにナショナルチェーン書店など 全国的な販売網 を通じて出版物を読者に提供している。自社の倉庫を完備し、読者からの注文に迅速,正確に対応している。

    また販売部では、全国の特約店の社長を招いて、年に1度「医学書院特約店総会」を開催している。2015年には55回目の開催となった歴史ある会となっている。特約店総会においては、社の向こう1年間の販売戦略の伝達、および社の昨期の売上成績の報告や、販売成績の優秀な特約店の表彰を行っている。また、社と特約店、特約店同士の親睦を深める会でもある。

  • PR部門

    PR部門の業務は、大きく宣伝・広告・『週刊医学界新聞』編集の3つに分かれている。

    宣伝業務としては、年間200点近い自社発行物の広告・リーフ・ポスター・カタログ等の宣伝物を作製している。

    広告業務としては、広告代理店を通じ、自社29誌への他社広告の集稿を行うとともに、学会誌や他社媒体への広告出稿も行っている。

    また、宣伝・広告業務として、各種セミナー を開催している。これらセミナーは単なるPR活動の域を超えて、医学界・看護界の発展に貢献する事業でもある。

    『週刊医学界新聞』 は、座談会・対談・インタビューをはじめとして、寄稿・学会取材記事・連載など多彩な記事を掲載している。通常号に加え、看護職向けの「看護号」、医学生・研修医向けの「レジデント号」をそれぞれ月1回発行している。また、モバイルアプリでの配信、メールマガジンの発行も毎週行っている。

    近年インターネットによる情報サービスが盛んだが、PR部門では1996年4月にウェブサイトを開設し、それ以来、書籍・雑誌・電子メディア・『週刊医学界新聞』などの情報提供を行っている。現在、サイトの訪問者数は1日に平均1万2000人を数えている。

    そのほかに、読者サービスの一環として『Medical Pocket Diary』を毎年製作している。この手帳はワイシャツの胸ポケットに収まる小型のもので、多くの医師・看護師・その他医療従事者に長年にわたって愛用されている。

    『週刊医学界新聞』
    医師・看護師向けに毎号55,000~75,000部発行。

    看護特別セミナー

  • 業務系各部門

    業務系部門は、総務課,経理課,人事課,出版総務課の4課から成る総務管理部で担当している。

    業務分担としては、総務課は一般庶務・法務,施設管理,郵便業務,経理課は、出納・経理・財務,人事課は人事・給与・福利厚生、出版総務課は書籍・人物情報管理,印税支払い,著作権・海外版権業務となっている。また、役員室秘書業務も担当しており、各課連携して社業を側面から支える役割を担っている。

    さらに、情報ソリューション部情報システム課は社内LANであるISLANDS(Igaku-Shoin Local Area Network & Database System)を運営し、社内各部の業務をシステム面からサポートするとともに、各種ウェブサイトや電子商品のインフラ部分の構築・運営に取り組んでおり、医学書院の出版活動を力強く支えている。

医学書院は創業以来の地道な出版活動によって医学・看護領域における日本国内最大の出版社の地位を確立したが、同時に世界の先端医学情報を日本に紹介することや、逆に日本の優れた医学の業績を世界に広める出版活動を行うことによって日本の医学界の発展に貢献してきた。

世界最大の出版物の見本市であるフランクフルト書籍展に医学書院は1961年に初めて出展、以後毎年出展しており、医学書院が発行する出版物を読者のみならず、海外の出版社あるいは書店に紹介し、販売や外国語への翻訳権譲渡契約業務を行っている。フランクフルト書籍展は同時に海外の出版物の日本語への翻訳権を入手するための大きな役割も果たしている。フランクフルト書籍展以外にも不定期ではあるが、北京国際図書展示会、台北書籍展等アジア地域を中心とした各地の書籍展への展示活動も行っている。

医学書院はこれまでに日本国内において海外出版社との合弁会社を3社設立、運営してきた。いずれも海外出版社の発行する出版物の輸入販売と日本語への翻訳出版等を目的とし、医学書院の持つ実績と経験を生かすために海外資本と提携したものである。3社のうち2社は合弁会社そのものに経験が蓄積され、合弁契約の使命は終えたとして合弁契約を解消し、海外資本の完全子会社となっている。残りの1社(㈱メディカル・サイエンス・インターナショナル)は逆に海外資本が合弁契約から撤退し、医学書院の完全子会社となった。同社は現在も医学領域の翻訳出版、オリジナル出版物の出版社として活動している。

1967年には米国ニューヨーク市に現地法人を設立し、医学書院が出版した英文版書籍の販売や現地における英文医学書の出版活動を行ったが、1997年以降その活動は停止している。