聴覚障害学 第4版

もっと見る

言語聴覚士養成施設における「聴覚障害学」の授業に最適で、臨床実習や卒後にも役立つテキストの第4版。今改訂では全頁カラーにするとともに、レイアウトを一新してこれまで以上に分かりやすい紙面構成となっている。検査に関する項目ではWeb付録動画も併用して手順などをよりわかりやすく解説。また成人難聴、小児難聴それぞれにおける地域支援に関する項目を新設した。令和6年言語聴覚士学校養成所指定規則の改正にも対応。

*「標準言語聴覚障害学」は株式会社医学書院の登録商標です。

シリーズ 標準言語聴覚障害学
監修 城間 将江 / 鈴木 恵子
編集 小渕 千絵 / 柴崎 美穂
発行 2026年03月判型:B5頁:432
ISBN 978-4-260-06276-3
定価 5,940円 (本体5,400円+税)

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 序文
  • 目次

開く

第4版の序

 聴覚障害学は,聴覚に障害を持つ方々への評価・支援方法について学ぶ学問である.最近では,聴覚検査では明確な問題がみられないにもかかわらず,聞き取りにくさを強く訴える病態もみられ,聞き取りにくさの背景要因は多様化が進んでいる.個々の背景や程度といった病態そのものを明らかにするだけでなく,心理面や社会生活など幅広くみられる影響・要因について整理・分析できる力を持つことは,多様な困り感を抱える方々に寄り添い,適切な支援方法を選択・提供することにつながるといえる.
 最近では,言語聴覚士学校養成所指定規則の一部を改正する省令が交付され,臨床実習の単位数が12単位から15単位に増加した.これまで以上に臨床に結びつく知識を深めて統合し,実践の中で活用できる臨床能力が求められるようになっている.
 上記の背景の中,本書は聴覚障害学における知識を網羅し,必要な技術,臨床応用能力が身につくように作成された,「標準語聴覚障害学」シリーズの1冊である『聴覚障害学』の第4版である.最近では類似の書籍が多数出版されるようになったが,本書はこれらに先駆けて聴覚障害学の礎を築いてきており,初版は2010年,第2版は2015年,第3版は2021年にそれぞれ編集・刊行された.
 今回の第4版では,近年の聴覚臨床を取り巻く状況の変化を踏まえ,主に次の点を改訂した.①指定規則の改正により「地域言語聴覚療法学」の教育内容が新設されたことを受け,聴覚障害児・者の地域支援に関する項目を新たに加えたこと,②検査などの内容は二次元コードから動画で理解できるよう工夫したこと,③執筆者を言語聴覚士養成校や臨床現場で活躍する若手の教員および言語聴覚士へと刷新したこと,④レイアウトを見直して表現を簡潔にすることで,視認性と理解しやすさを向上させたこと,以上である.本書は言語聴覚士を目指す学生はもとより,関連領域に携わる方々にとっても,聴覚障害学を体系的かつ容易に学ぶことのできる有用な書籍として完成したものと考えている.
 最後に,本書の改訂にあたり,ご多忙の中ご執筆くださった先生方に心より御礼申し上げる.また,きめ細やかなご助言とご尽力を賜った医学書院編集部に感謝の意を表す.

 2026年2月
 編集
 小渕千絵
 柴崎美穂

開く

第1章 聴覚と聴覚障害
 1 聴覚の機能
  A 感覚のもつ意味
  B 聴覚のはたらき
  C 聞こえとことば
  D 聴覚の発達
 2 聴覚障害とは
  A 用語の定義
  B 難聴の発症率と難聴の分類
  C 「聞こえる世界」と「聞こえにくい世界」
  D 聴覚障害とライフステージ
  E 聴覚障害にかかわるコミュニケーションモード
 3 聴覚障害のリハビリテーションの概要
  A 聴覚障害学とリハビリテーション
  B リハビリテーションの流れと言語聴覚士の役割
  C 成人難聴のリハビリテーション
  D 小児難聴のハビリテーション
 4 聴覚障害児教育の歴史
  A 西欧諸国
  B 日本

第2章 音と聴覚
 1 音の物理的特性
  A 音波の性質
  B 音の波形
  C 音圧とデシベル尺度
  D 音の周波数とスペクトル
 2 聴覚の心理的特性
  A 聴覚閾値と聴野
  B 音の大きさ(ラウドネス)
  C 音の高さ
  D 音の弁別
  E マスキング
  F 音色
  G 音の風景と騒音
  H 両耳聴

第3章 聴覚と平衡機能の医学
 1 聴覚器官の発生,解剖,生理
  A 聴覚器官の発生と進化
  B 解剖
  C 聴覚生理と語音聴取
 2 聴覚の病理
  A 外耳疾患
  B 中耳疾患
  C 内耳疾患
  D 中枢聴覚伝導路の疾患
  E 耳鳴
 3 平衡器の発生,解剖,生理
  A 解剖
  B 発生
  C 生理
 4 平衡器の病理
  A 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
  B 前庭神経炎

第4章 聴覚・平衡機能検査
 1 聴覚・平衡機能検査の概要
  A 聴覚・平衡機能検査と言語聴覚士
  B 聴覚機能検査の種類
  C 検査の心得
 2 自覚的聴覚検査
  A 純音を用いる聴覚機能検査
  B 語音による聴覚検査:語音聴力検査
  C 耳鳴検査
 3 他覚的聴覚検査
  A インピーダンスオージオメトリー
  B 耳管機能検査
  C 耳音響放射(OAE)
  D 聴性誘発反応
 4 乳幼児聴力検査
  A 乳幼児聴力検査の意義
  B 検査実施上の留意点
  C 乳幼児聴力検査の実際
 5 平衡機能検査
  A 平衡機能検査の目的
  B 平衡機能検査の種類

第5章 聴覚補償機器
 1 補聴器
  A 構造と機能
  B 適合の理論と実際
 2 人工聴覚機器
  A 種類
  B 構造と機能,適合の理論と実際
  C 幼児期の人工内耳マッピング
 3 補聴援助システム
  A 音響環境と音響知覚
  B 補聴援助システム
  C 聞こえにくさを補う日常生活支援機器

第6章 成人難聴のリハビリテーション
 1 成人難聴のリハビリテーションの概要
  A 障害の多様性とリハビリテーションの課題
  B 成人難聴のリハビリテーションに活かす言語聴覚士の専門性
 2 成人難聴の評価
  A 評価の概要
  B 主訴・ニーズの評価
  C リハビリテーションにかかわる聴覚機能の評価
  D 言語・コミュニケーションの評価
  E 障害認識の評価
  F 評価のまとめ──指導・支援プログラムの立案に向けて
  [事例1] 成人難聴 評価サマリー
 3 成人難聴の指導・支援
  A 指導・支援の観点
  B 成人後の補聴の課題
  C 聴覚リハビリテーションとしての補聴器適合
  D 語音の聴取訓練
  E 語音識別における視覚情報の活用
  F コミュニケーションにかかわる支援
  G 後天性難聴の聴覚リハビリテーションが目指すもの
  H 難聴の発症時期別の対応
 4 成人難聴に対する地域支援
  A 無関心期
  B 関心期
  C 準備期
  [事例2] 成人難聴 指導サマリー
  [事例3] 成人難聴(人工内耳装用) 指導サマリー

第7章 小児難聴のハビリテーション
 1 小児難聴のハビリテーションの概要
  A 難聴児のハビリテーションの目的と考え方
  B 小児難聴のハビリテーションの流れと構成
  C 小児期の発達と難聴の影響
 2 小児難聴の評価
  A 評価の視点
  B 情報収集
  C 聴覚評価
  D コミュニケーション評価
  E 言語評価
  F 発声発語評価
  G 認知発達検査・評価
  H 書記言語評価
  I 情緒・社会・精神衛生の評価
  J 結果のまとめ
  [事例4] 小児難聴 評価サマリー
 3 小児難聴の指導・支援
  A 指導・支援の観点
  B 聴覚活用と聴覚学習
  C 小児期における選択の内容と条件
  D 難聴児の音声言語習得上の課題
  E ハビリテーションプログラムの立案
  F 小児発達段階と学習方法
  G 言語指導段階
  H 障害認識へのアプローチ
 4 学校教育における指導と課題
  A 聴覚障害児教育の現状
  B 指導体制
  C 学校教育における聴覚障害児指導の課題
  D 学校教育における言語聴覚士の役割と課題
 5 小児難聴に対する地域支援
  A 地域包括ケアの中における小児難聴支援の位置づけ
  B 児童発達支援・放課後等デイサービスの活用
  [事例5] 小児難聴(乳幼児期) 指導サマリー
  [事例6] 小児難聴(幼児期後期) 指導サマリー
  [事例7] 小児難聴(学童期) 指導サマリー

第8章 特異的な聴覚障害
 1 一側性難聴
  A 概要
  B 原因と病態
  C 評価
  D 支援
 2 中枢性難聴
  A 概要
  B 原因と病態
  C 評価
  D 対応・支援
 3 ANSD
  A 概要
  B 原因と病態
  C 評価
  D 対応・支援
 4 聞き取り困難/聴覚情報処理障害(LiD/APD)
  A 概要
  B 原因と病態
  C 評価
  D 対応・支援
 5 機能性難聴
  A 概要
  B 評価
  C 対応・支援
 6 視覚聴覚二重障害
  A 概要
  B 支援の留意点
 7 難聴を伴う重複障害
  A 概要
  B 検査・評価
  C 補聴器装用指導とコミュニケーション発達の援助
  [事例8] 重複障害(難聴・発達障害) 指導サマリー
  [事例9] 重複障害(難聴・脳性麻痺) 指導サマリー

第9章 情報保障と社会資源
 1 情報保障
  A 情報保障とは何か
  B 情報保障の実際
 2 聴覚障害と社会資源
  A 聴覚障害と障害者施策
  B 障害者総合支援法に基づく支援
  C 障害者総合支援法以外の制度や事業
  D 難聴の発見を支える健診制度

参考図書
聴覚障害学の授業プラン
索引
「標準言語聴覚障害学シリーズ」全10巻の特長と構成

Note一覧
 ① 音圧と音圧レベル
 ② デシベル尺度
 ③ third window effect
 ④ ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)
 ⑤ 若年発症型両側性感音難聴
 ⑥ 三半規管の興奮方向(Ewaldの第2法則)
 ⑦ 音場検査
 ⑧ プローブ音
 ⑨ チャープ
 ⑩ ロンベルグ現象陽性
 ⑪ 振子様眼振
 ⑫ 電気眼振記録法(電気眼振図検査)
 ⑬ cVEMPの評価
 ⑭ 補聴器の電池とその取り扱い
 ⑮ ホーン加工
 ⑯ ベント
 ⑰ 人工聴覚機器とMRI撮影
 ⑱ FM補聴システム
 ⑲ 赤外線補聴システム
 ⑳ 成人人工内耳装用者のリハビリテーション
 ㉑ 日本版聴覚障害児用情緒・社会性検査(SEAI)
 ㉒ OTOF 遺伝子
 ㉓ cochlear synaptopathy
 ㉔ 障害者権利条約における「盲ろう」
 ㉕ 制度運用上の「盲ろう」
 ㉖ 弱視
 ㉗ 盲ろう者に使用可能な機器
 ㉘ 社会モデル

タグキーワード

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。