医学界新聞

2019.07.01



第2回足の構造と機能研究会開催


 第2回足の構造と機能研究会学術集会(大会長=新潟医療福祉大・江玉睦明氏)が6月1~2日,森ノ宮医療大(大阪市)にて開催された。足部・足関節障害の治療にかかわる理学療法士や整形外科医など約300人の参加者を集め,熱心な質疑応答が行われた。

ミクロの視点から,踵の病態を解き明かす

写真 講演する熊井氏
 特別講演「かかとの痛みを考える――構造と機能について知っておくべきこと」では,熊井司氏(早大スポーツ科学学術院)が登壇。踵接地歩行をするのはヒトを含む限られた動物であること,先天性踵骨欠損の症例においてアキレス腱と足底腱膜が強固に一体化していたことから,踵の接地・荷重によって踵骨が形成され,踵骨によってアキレス腱と足底腱膜が別々に発達したと考察した。

 次いで,氏は踵の痛みにおける圧痛部位は6つに分類されることを示し,その要因を組織学の観点から解説。組織の構成要素が変わる境目は損傷しやすいこと,組織には損傷部位を強固に修復する特性があることから,ミクロの視点から修復過程や荷重ストレスが見えてくる組織学の醍醐味を提示した。また臨床においては,破綻している局所構造と表現型としての運動機能の両方へのアプローチが重要であると述べた。

 閉会式では江玉大会長が,「これからの10年で足の臨床を変える。その覚悟で取り組む」と本研究会の飛躍を誓い学術集会を締めくくった。学術集会は来年も同時期に開催予定。詳細は足の構造と機能研究会ウェブサイトに掲載予定。

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