医学界新聞

2017.11.27



グローバルナーシングリサーチセンター設立


真田弘美氏
 東京大学大学院医学系研究科附属施設として,グローバルナーシングリサーチセンター(以下,GNRC)が2017年4月に設立された(センター長=真田弘美氏)。10月11日に,その設立記念講演会が学士会館(東京都千代田区)にて開催された。国内外から約185人が参加した講演会は,GNRCのめざすグローバル性を重視し全て英語で行われた。

異分野融合と研究者育成をめざす,日本初の看護研究センター

 GNRCは異分野融合型イノベーティブ看護学研究の推進とグローバルに活躍する若手看護学研究者の育成を目的に設立。ケアイノベーション創生部門と看護システム開発部門の2部門で構成される。

 講演会では,東大大学院医学系研究科の宮園浩平研究科長によるあいさつと来賓祝辞に続き,米国国立看護研究所(NINR)のPatricia Grady所長によるビデオメッセージが上映された。Grady氏は,「看護研究の発展とヘルスケアの改善という共通の目標に向かって,共に歩んでいこう」と呼び掛けた。

 続いて真田氏がGNRC設立の経緯を説明。少子超高齢社会を迎えたわが国では「治す医療」から「支える医療」への転換が求められている。こうした中で真田氏は,健康寿命を延伸し国民の自律的な生活を支える「ケア社会」の実現のために,看護学と異分野の融合研究を推進し,新しい技術やシステム開発などの「ケアイノベーション」が必要だと述べた。GNRCでは今後,研究環境の整備や人材育成を進めていくという。

 講演会ではこのほか,各部門の紹介,Claudia Kam Yuk Lai教授(香港理工大)とChristine Moffatt教授(英国ノッティンガム大)による講演,若手研究者3人による研究報告などが行われた。

Patricia Grady氏のビデオメッセージ上映の様子

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