看護管理 Vol.36 No.7
2026年 07月号
特集 ジレンマ・メソッドを実装する 実践の深化,ファシリテーター育成,評価法の開発へ
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臨床現場では,患者・家族の意向,医療者の専門的判断,組織や制度上の制約など,複数の価値が交錯する場面が少なくありません。そこでは,誰か1人が正解を導き出すのではなく,関係者がそれぞれの見方や迷いを持ち寄り,対話を通してよりよい選択肢を探っていくことが求められます。
倫理カンファレンスは,こうした倫理的課題にチームで向き合うための重要な場です。国内では,4分割法や臨床倫理検討シートなど,さまざまな方法が用いられてきました。その中で,MCD(Moral Case Deliberation)の1手法であるジレンマ・メソッドは,参加者が事例提供者のジレンマを出発点に,価値の対立や選択肢を丁寧に検討していく方法です。
本誌では2019年8月号でジレンマ・メソッドを取り上げました。その後,国内の医療機関における実践,ファシリテーター養成研修,倫理カンファレンスの評価法開発など,実践を支える基盤づくりが進められてきました。さらに,より簡便にMCDを行う方法としてCURAも開発され,倫理的課題について対話するための選択肢は広がりつつあります。
本特集では,ジレンマ・メソッドの全体像と近年の進展を整理した上で,医療機関における実践例,ファシリテーター育成の取り組み,Euro-MCDに基づく評価法開発,そしてCURAの活用可能性を紹介します。現場の対話を支え,組織の倫理的実践を深めていくための手がかりとなることを期待します。
| ISSN | 0917-1355 |
|---|---|
| 定価 | 1,870円 (本体1,700円+税) |
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特集 ジレンマ・メソッドを実装する──実践の深化,ファシリテーター育成,評価法の開発へ
倫理カンファレンスに求められる「方法」とは
田代志門
医療機関におけるジレンマ・メソッドの応用──対話文化の実装を目指して
清水千佳子
日本版MCDジレンマ・メソッド事例検討ファシリテーター養成研修と今後の展望
──質の高い倫理カンファレンスに向けたファシリテータースキルを学ぶ
里見絵理子
【座談会】
対話で臨床倫理を支える──「日本版MCDジレンマ・メソッド事例検討ファシリテーター養成研修」の現在地
田代志門/里見絵理子/永山 淳/木村ひろみ/飯田郁実
倫理カンファレンスの評価尺度──Euro-MCD2.0の概要と日本語版の開発
蘆田 薫
倫理的に悩ましい事例を話し合うためのツール──「CURA」の可能性
蘆田 薫
■特別企画
看護師は,命を救う存在である③(最終回)
看護師が本来の力を発揮するために──看護の専門性と自律性を社会に伝えるための視点
Perspectives on Communicating Nursing Professionalism and Autonomy to Society
サンディ・サマーズ/聞き手:奥 裕美
■特別記事
看護部理念の浸透を促進する組織的要因の検討──看護師長を対象として
間島幸哉/間島羽奈子/松尾 睦/相原基大
■実践報告
診療マネジメント看護師(院内呼称)の導入によるチーム医療の変化──複雑化する急性期病院において「重要な診療情報」を的確につなぐ役割の大きな意義
徳丸裕子/藤田裕子/荒金郁代/河野ゆかり/冨永志津代/油布由美/宮本伸二
●データをチカラに──看護の質向上のための電子カルテデータ利活用術⑮
データの加工や集計を自動化する①
松本聡子/秋山 剛
●画一的でないケアの道筋が,きっと見つかる! “倫理的対話”を育ててみませんか②
事例①──食べるのが大好きなAさんの「治療しない」意向
桐山啓一郎/酒井美紀子
●これからの臨床現場を支えるために(54)
臨床現場を支える臨床倫理委員会の働き
岩間恵子
●読んでおきたいビジネス書(62)
『巻き込み力のマネジメント』──21の事例で学ぶ,人の力を引き出す実践知
間杉俊彦
●おとなが読む絵本 ケアする人,ケアされる人のために(223)
雲を追いかけた私の少年期
柳田邦男






