看護管理 Vol.35 No.7
2025年 07月号

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医療安全においては長らく,エラー発生時点から過去にさかのぼって原因追及を行う,いわば「分析アプローチ」が主流でした。しかし,原因特定を目的とした詳細なヒアリングによって,報告者と医療安全担当者の双方にネガティブな感情が生じたり,対策のためにマニュアルが増えたりと,現場の負担増につながることも少なくありません。
実際に医療現場で報告されるインシデントの多くはレベル0~2であり,実はそこには,「エラーや失敗が発生したものの,重大事故を未然に防いだ」という結果が示されていると言えるのではないでしょうか。
本特集では,エラー発生後の「発見」「報告」「対応」のプロセスに着目し,原因追及ではなく「うまくいったこと」を共有し,既存のルールやマニュアル,システムの再評価を行う「探求アプローチ」を紹介します。その考え方や実践を通して,医療現場での新たな安全文化の定着を目指します。

ISSN 0917-1355
定価 1,870円 (本体1,700円+税)

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特集 原因追及ではなく「うまくいったこと」に着目する──探求アプローチのすすめ

【対談】探求アプローチ発展と実践の可能性を探る
長谷川 剛/芳賀 繁

これからの医療安全対策に取り入れたい視点:探求アプローチ
長谷川 剛

【コラム】「探求アプローチ」への期待
橋本廸生

探求アプローチの活用を看護教育および看護管理の観点から考える
小林美亜

ポジティブアプローチから探求アプローチへ──研修の変遷と探求アプローチの実践
長谷川 剛

【実践報告】近畿大学病院の取り組み
大学病院におけるポジティブアプローチの実践
辰巳陽一

【実践報告】岡山協立病院の取り組み
Good job報告書の導入とその影響
佐藤恭江


■巻頭シリーズ
臨床と研究をつなぐ──若手研究者から看護管理学の発展に向けて⑦
転床・転棟,転院・退院 患者さんの移動をテーマに──変化の激しい社会や医療環境に対応する研究の視点
田中慎吾


●新連載 看護系学会等社会保険連合設立20周年記念特別企画 看保連20年のあゆみ①
【対談】 持続可能な医療・介護提供体制を構築するために看保連が果たすべき役割とは
山田雅子/迫井正深

●政策をヒントに,看護管理をブラッシュアップ⑱
介護保険制度を知る part5──訪問看護②
小野田 舞

●データをチカラに──看護の質向上のための電子カルテデータ利活用術④
データ源をどう選ぶか
松本聡子/秋山 剛/李 慶姫/今中雄一

●ウェルビーイングが導く患者中心の医療の未来③
コミュニティとウェルビーイング──地域の視点で患者の幸せを捉える
秋山美紀/清水幸裕/前野マドカ

●読んでおきたいビジネス書(51)
『働くということ』──「能力主義」を超えて
間杉俊彦

●これからの臨床現場を支えるために㊸
シェアド・ガバナンス活動を通して院内心停止における患者アウトカムを向上させる
岩間恵子

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