臨床外科 Vol.79 No.5
2024年 05月号

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 現在管理者の立場にいる外科医のon the job trainingのひとつは視野が不十分ななかでひたすら鉤を引くというものであり,術者の位置からの術野は手術を執刀しない限り見ることはできなかった.そのため当時は手術書を読み図や文章で知識をカバーしながら手術を学んだ.
 現在では執刀医の見る術野をその場にいる全員が共有でき,教材としても多くの動画が入手可能であり,先進的なトレーニング手段も次々に生み出されている.加えて,指導医が「教師」の資格を持っているわけではないのは今も昔も同じとは言え,外科医が教えること,すなわち「外科教育学」はこのところ多くの賛同者を得て盛り上がりを見せている分野であり,その中心は外科医としての自分の専門領域をしっかりとこなしながら教育にも熱い思いを持つ医師たちである.こうした新しい外科教育のメリットを享受する若手医師も,わずかな間に教える側に回る運命にある.外科教育学を知り,最先端のトレーニング方法に関心を持っていただくべく,本特集を企画した.

 

編集室より:本号では関連する動画を配信しています。ぜひご覧ください。
※ 配信・閲覧期限:発行後3年間
※ ファイルは予告なしに変更・修正,または配信を停止する場合もございます。あらかじめご了承ください。

ISSN 0386-9857
定価 3,080円 (本体2,800円+税)

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特集 進化する外科教育と手術トレーニング

■外科教育の動向
日本における近年の外科教育の変化
高見秀樹

医師法改正と令和4年度医学教育モデル・コア・カリキュラムで外科の卒前教育はどう変わるか?
小西靖彦

働き方改革時代における初期臨床研修医の外科教育
大下彰彦・他

■ロボット時代の手術教育
ロボット手術の時代における若手のトレーニングをどう考えるか
山川雄士・他

ロボット時代の縫合・結紮トレーニング
柴崎 晋・他

ロボット支援手術の動画とVRを活用したトレーニング方法
肥田侯矢・他

■各methodologyの現在地
手術室での外科教育
鈴木研裕・他

カダバートレーニングの現在
七戸俊明・他

動物ラボの現状と今後
渡部祐司・他

■手術記録法の進化と利用法
手術映像保存システムと教育への活用
内藤 剛・他

デジタル時代の手術記録
畑中勇治・他

■プライベート・トレーニングの進化
YouTubeを利用した手術トレーニング
山根裕介

自宅で行える実技トレーニング
今村清隆

■手術評価の現在と未来
胃癌手術における新たな教育システム──Role Sharing Surgery
佐川弘之・他

外科におけるコーチングと最新テクノロジー利用の可能性
徳野純子

■手術教育におけるVR,メタバース利用
VR手術トレーニングの現在と今後──リアルとサイバーのマルチモーダル教育
藤原道隆・他


●FOCUS
胃粘膜下腫瘍に対する内視鏡的全層切除術の現状と課題
千葉秀幸

●病院めぐり
青森市民病院外科
豊木嘉一

●臨床報告
腹腔鏡下切除を施行した黄色肉芽腫性虫垂炎の1例
伊藤博崇・他

当院における成人臍ヘルニア21例に対する手術治療成績の検討
木下春人・他

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