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- 総合リハビリテーション Vol.49 No.2
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今月のハイライト
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今月のハイライト 就労世代の脳卒中リハビリテーション
わが国の脳卒中リハビリテーションは寝たきり予防や介護の問題に対応するため,脳卒中治療の病院機能分化(急性期,回復期,生活期)・介護保険システム・地域包括ケアシステムなどの医療社会制度とリンクしながら進められています.一言でいえば在宅復帰を目標とした高齢者向けのリハビリテーションをその核としています.一方,脳卒中全体の約20%が就労世代ですが,就労の問題はなおざりにされやすく,残念ながら現在の脳卒中リハビリテーションシステムにはうまく組み入れられていません.就労世代の脳卒中患者の課題を克服できるよう現在のシステムを見直し,新たな脳卒中リハビリテーションの仕組みを考えていく必要があります.
現状と課題 杉本香苗氏ら
就労世代の脳卒中の臨床的特徴を高齢脳卒中と対比しながら概説している.就労世代の脳卒中患者は神経学的な回復が大きく,就労や子育てなど特有の心理社会的課題を有している.彼らは脳卒中リハビリテーションに対して特別のニーズをもっていることを十分に考慮し,リハビリテーションプログラムをはじめ多様な支援方策を構ずることが重要である.
復職に向けた集学的なリハビリテーション治療 菅原英和氏ら
社会復帰を目指す脳卒中患者への連携や支援の輪が途中で途切れ,就労準備性が損なわれる状況を筆者は「危うい治療過程」と評している.脳卒中復職者の多くは,外来リハビリテーションを通じたチーム医療で復職や社会復帰の支援を得ている.回復期リハビリテーション病棟で外来リハビリテーション機能を有するのが1/3にも満たず,外来リハビリテーション機能の衰退などの問題点を指摘している.
再発予防と生活管理 橋本洋一郎氏ら
脳卒中の再発率は年間5~10%と高く,再発予防が重要である.再発予防戦略の基本,再発の危険因子管理や薬物療法の詳細について,脳卒中治療ガイドラインに基づいて解説している.脳卒中発症後のアドヒアランス低下や在宅復帰後の日常生活動作低下に注意する点で,「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 最後にクスリ」という標語も参考になる.
治療と仕事の両立支援 豊田章宏氏
脳卒中の治療と仕事の両立支援を考えるうえで,支援対象者の「患者」と「労働者」という二面性を考慮する必要がある.対象者本人を頂点として,患者として治療を受けている「医療機関」と労働者として働いている「事業場」との三者の関係を調整する必要があり,その役割を果たすのが両立支援コーディネーターである.現在,4,000名弱のコーディネーターが養成され支援の現場に加わっている.
脳卒中者の家事と育児への支援 西 則彦氏ら
就学・就業のみならず自宅での家事復帰も社会復帰の重要な一形態である.脳卒中患者の家事動作訓練においては「ものを運ぶこと」と「道具の工夫」の視点に着目する.育児は授乳,離乳食などの食事,更衣,おむつ交換や排泄,生活習慣指導など多岐にわたり,脳卒中片麻痺では両手動作が必要なおむつ交換が難しい.母子関係など心理面のサポートも必要となる.
脳卒中,心臓病その他の循環器病に対する国の取り組み 森 恩氏ら
2018年12月,「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(基本法)が成立した.基本法を所管する厚生労働省健康局課長補佐である森氏より,基本法の成立に至るまでの取り組み,基本法に基づき作成される循環器対策推進基本計画をはじめ,厚生労働省が取り組んでいる事業の紹介がある.
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現状と課題
杉本香苗,他
復職に向けた集学的なリハビリテーション治療
菅原英和,他
再発予防と生活管理
橋本洋一郎,他
治療と仕事の両立支援
豊田章宏
脳卒中者の家事と育児への支援
西 則彦,他
脳卒中,心臓病その他の循環器病に対する国の取り組み
森 恩,他
●巻頭言
急性期から障害の改善にこだわり続ける
佐々木信幸
●入門講座 3Dプリンタを使ってみよう!④
使ってわかる3Dプリンタ活用の広がり
田中栄一
●実践講座 摂食嚥下訓練のすすめ方②
直接訓練から美味しく安全に食べるための支援へ
小山珠美
●研究と報告
排尿リハビリテーションの臨床的効果――多施設共同ランダム化比較試験
津江尚幸,他
●症例報告
両上肢再接着術を施行した症例に対する作業療法
西村信哉,他
封入体筋炎に対するHAL®医療用下肢タイプを使用した歩行運動療法の効果
岡部憲明,他
●集中講座 評価法の使い方 シリーズ2 各論(疾患別篇)②
神経筋疾患
中馬孝容
●カンファレンスをどうしていますか?②
総合リハビリテーションセンター<障害者支援施設(機能訓練)>
小川鉄男
●リハビリテーション関連職種のキャリアサポート④
療法士の卒後教育――理学療法士における卒後教育の現状と課題
松田文浩,他
●Sweet Spot 206 文学に見るリハビリテーション
大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』――感染症文学としての側面
高橋正雄
●映画に見るリハビリテーション
「アイヌモシリ」――少年の進路に横たわるアイヌの精神文化を継承する道
二通 諭
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