言語聴覚士のための基礎知識
臨床歯科医学・口腔外科学 第2版
国試出題基準を網羅! 言語聴覚士をめざす学生のための、歯科のテキスト
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主に言語聴覚士養成施設で学ぶ学生に向けたテキストの10年ぶりの改訂。言語聴覚士が知っておくべき臨床歯科医学、口腔外科学に関する知識を、最新の言語聴覚士国家試験出題基準の「臨床歯科医学」の内容を網羅する形でしっかりと学ぶことができる。初版から好評いただいた巻末の「歯科医学用語解説」欄は内容を全面的に見直した。また第2版から2色刷となり、さらに読みやすい紙面となっている。
シリーズ | 言語聴覚士のための基礎知識 |
---|---|
編集 | 夏目 長門 |
発行 | 2016年12月判型:B5頁:328 |
ISBN | 978-4-260-02812-7 |
定価 | 4,620円 (本体4,200円+税) |
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序文
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序
米国では,言語聴覚士にあたる仕事をする方々のことをSpeech Therapistと言います.さらに専門性を有するSpeech Pathologistの方々が広く活躍しており,ことばを中心としたコミュニケーション障害の方に対するケア領域で,医師や歯科医師以上に重要かつ高く評価をされています.私は30年以上にわたり米国口唇口蓋裂協会(American Cleft Palate-Craniofacial Association)の学会員や各種委員として,米国の言語聴覚を専門とする先生方と交流を深めてきました.そのなかで,言語障害に対して手術的な立場から改善に努める口腔外科医の1人として,わが国においてもこのような日が早期に来ることを待ち望んでいました.そして,多くの方々の努力により1997(平成9)年12月19日,わが国で言語聴覚士法が公布されました.しかし,その時点では,言語治療は国家資格は持たない多くの方々によって支えられていましたので,5年間すなわち2001(平成13)年3月31日までは経過措置を行い,その後2001(平成13)年4月1日からは専門教育を受けた方のみが,将来の言語治療に関わるコミュニケーション障害とケアの担い手として国家資格を得ることになりました.
私はこの間,言語聴覚士国家試験委員・同幹事,言語聴覚士国家試験出題基準検討委員などを担当させていただきました.本書の出版にあたっては,それらの経験をもとに各分野で教育している内容を踏まえたうえで,歯科口腔外科領域において,言語聴覚士の方にどのようなことを理解していただくべきかを考慮しました.本書は言語聴覚士国家試験出題基準に準拠して作られたわが国初の図書(教科書)となります.
本書の編集にあたっては,内容が執筆者の専門分野に偏ることのないよう項目ごとに最適な方に担当していただきたいと考え,わが国を代表するご多忙な先生方に伏して執筆をお願いしました.また,言語聴覚士養成校で教鞭を執っておられて実際に学生を最も理解しておられる先生方にも,歯科口腔外科の分野において理解しておくべき用語の解説を中心として担当していただきました.言語聴覚士を目指す学生,さらに既に実際の臨床に従事しておられる方々に,本書を座右の書としていただければ幸いです.
最後に,学校法人愛知学院・中野重哉理事長,学校法人愛知学院・小出忠孝学院長,愛知学院大学・佐藤悦成学長ならびに恩師 亀山洋一郎名誉教授をはじめとして,ご助力,ご指導いただきました菅原利夫客員教授,古川博雄教授,牧野日和講師,快く執筆していただいた先生方,および株式会社医学書院の関係各位に衷心より御礼申し上げます.
2016年11月
編集
夏目 長門
米国では,言語聴覚士にあたる仕事をする方々のことをSpeech Therapistと言います.さらに専門性を有するSpeech Pathologistの方々が広く活躍しており,ことばを中心としたコミュニケーション障害の方に対するケア領域で,医師や歯科医師以上に重要かつ高く評価をされています.私は30年以上にわたり米国口唇口蓋裂協会(American Cleft Palate-Craniofacial Association)の学会員や各種委員として,米国の言語聴覚を専門とする先生方と交流を深めてきました.そのなかで,言語障害に対して手術的な立場から改善に努める口腔外科医の1人として,わが国においてもこのような日が早期に来ることを待ち望んでいました.そして,多くの方々の努力により1997(平成9)年12月19日,わが国で言語聴覚士法が公布されました.しかし,その時点では,言語治療は国家資格は持たない多くの方々によって支えられていましたので,5年間すなわち2001(平成13)年3月31日までは経過措置を行い,その後2001(平成13)年4月1日からは専門教育を受けた方のみが,将来の言語治療に関わるコミュニケーション障害とケアの担い手として国家資格を得ることになりました.
私はこの間,言語聴覚士国家試験委員・同幹事,言語聴覚士国家試験出題基準検討委員などを担当させていただきました.本書の出版にあたっては,それらの経験をもとに各分野で教育している内容を踏まえたうえで,歯科口腔外科領域において,言語聴覚士の方にどのようなことを理解していただくべきかを考慮しました.本書は言語聴覚士国家試験出題基準に準拠して作られたわが国初の図書(教科書)となります.
本書の編集にあたっては,内容が執筆者の専門分野に偏ることのないよう項目ごとに最適な方に担当していただきたいと考え,わが国を代表するご多忙な先生方に伏して執筆をお願いしました.また,言語聴覚士養成校で教鞭を執っておられて実際に学生を最も理解しておられる先生方にも,歯科口腔外科の分野において理解しておくべき用語の解説を中心として担当していただきました.言語聴覚士を目指す学生,さらに既に実際の臨床に従事しておられる方々に,本書を座右の書としていただければ幸いです.
最後に,学校法人愛知学院・中野重哉理事長,学校法人愛知学院・小出忠孝学院長,愛知学院大学・佐藤悦成学長ならびに恩師 亀山洋一郎名誉教授をはじめとして,ご助力,ご指導いただきました菅原利夫客員教授,古川博雄教授,牧野日和講師,快く執筆していただいた先生方,および株式会社医学書院の関係各位に衷心より御礼申し上げます.
2016年11月
編集
夏目 長門
目次
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序章 歯科医学の歴史と重要性
1 歯科医学の概要・特徴・歴史
A 歯科医学の概要
B 歯科医学の特徴
C 歯科医学の歴史
2 口腔疾患と健康な生活
A 口腔疾患の現状
B 健康な生活のために
3 歯科・口腔外科における言語聴覚士の役割
A 摂食嚥下障害に対する対応
B 言語障害に対する対応
第1章 基礎歯科医学
1 口腔・オトガイ・顔面・頸部の構造と機能
A 顔面・頸部の構造と機能
B 歯および口腔の構造と機能
C 顎・顔面・顎関節の構造と機能
D 咽頭・喉頭・食道の構造と機能
2 歯・口腔・顎・顔面の発生
A 口腔・顎・顔面の発生
B 歯の発生と萌出
第2章 臨床歯科医学
1 歯と歯周の疾患
A 歯の異常と疾患および治療法
B う蝕および歯髄炎と根尖性歯周炎
C 歯質および歯の欠損と不正咬合
D 歯周組織の疾患
第3章 口腔外科学
1 口腔・顔面の異常
A 口唇裂・口蓋裂
B その他の顔面裂
C 軟組織の異常
D 顎変形症
E 口腔顎顔面領域の先天異常症候群
2 口腔・顎・顔面の外傷
A 軟組織の外傷
B 歯と歯槽骨の外傷
C 顎骨の外傷
3 口腔・顎の炎症
A 口腔・顎の炎症
B 急性下顎骨骨髄炎
C 顎骨周囲の炎症
D 歯性上顎洞炎
E 特異性炎(歯性扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍)
F 全身感染症
4 口腔粘膜の疾患
A アフタおよびアフタ類似疾患
B 潰瘍を形成する疾患
C ウイルス感染症
D 肉芽腫性炎症
E 皮膚科的疾患
F 色素沈着を主徴とする病変
G 舌の疾患
H 口唇の疾患
I 薬物による歯肉増殖症
J 口腔乾燥症
5 口腔・顎領域の嚢胞
A 嚢胞の概要
B 顎骨に発生する嚢胞
C その他の嚢胞
D 軟組織に発生する嚢胞
6 口腔・顎・顔面の腫瘍および類似疾患
A 腫瘍の概要
B 良性腫瘍
C 悪性腫瘍
D その他の腫瘍性病変
7 顎関節の疾患
A 顎関節症
B 顎関節の発育異常・形成不全
C 顎関節脱臼
D 顎関節強直症
8 唾液腺疾患
A 唾石症
B 唾液腺炎,唾液分泌障害
C 唾液腺の腫瘍
9 血液疾患
A 貧血
B 出血性素因
10 神経疾患
A 三叉神経痛
B 神経麻痺
C 舌痛症
11 中枢性疾患による口腔機能障害
A 障害
B 治療
C 評価
12 加齢による口腔機能障害
A 加齢と老化
B 加齢に伴う顎口腔領域の障害
C 加齢による口腔機能障害の治療
13 口腔の機能障害と検査および評価
A 摂食嚥下障害
B 言語障害
C 開口障害
D 呼吸障害
E 味覚障害
14 消毒・滅菌法
A 滅菌と消毒の概念
B 機器・器具の消毒と滅菌
C 皮膚の消毒
D 口腔粘膜の消毒
E 手指の消毒
F 院内感染
15 歯科・口腔外科の治療法
A 歯の治療(う蝕治療,根管治療)
B 歯科における外科的治療法
C 口腔悪性腫瘍の治療
16 口腔ケア
A 口腔ケアの役割
B 口腔の構造と機能の加齢による変化
C 口腔ケアの実際
17 救急蘇生法
A 一次救命処置と救命の連鎖
B 成人および小児に対する一次救命処置の手順
C 誤飲・誤嚥の治療(気道異物の除去)
付録 用語解説
索引
1 歯科医学の概要・特徴・歴史
A 歯科医学の概要
B 歯科医学の特徴
C 歯科医学の歴史
2 口腔疾患と健康な生活
A 口腔疾患の現状
B 健康な生活のために
3 歯科・口腔外科における言語聴覚士の役割
A 摂食嚥下障害に対する対応
B 言語障害に対する対応
第1章 基礎歯科医学
1 口腔・オトガイ・顔面・頸部の構造と機能
A 顔面・頸部の構造と機能
B 歯および口腔の構造と機能
C 顎・顔面・顎関節の構造と機能
D 咽頭・喉頭・食道の構造と機能
2 歯・口腔・顎・顔面の発生
A 口腔・顎・顔面の発生
B 歯の発生と萌出
第2章 臨床歯科医学
1 歯と歯周の疾患
A 歯の異常と疾患および治療法
B う蝕および歯髄炎と根尖性歯周炎
C 歯質および歯の欠損と不正咬合
D 歯周組織の疾患
第3章 口腔外科学
1 口腔・顔面の異常
A 口唇裂・口蓋裂
B その他の顔面裂
C 軟組織の異常
D 顎変形症
E 口腔顎顔面領域の先天異常症候群
2 口腔・顎・顔面の外傷
A 軟組織の外傷
B 歯と歯槽骨の外傷
C 顎骨の外傷
3 口腔・顎の炎症
A 口腔・顎の炎症
B 急性下顎骨骨髄炎
C 顎骨周囲の炎症
D 歯性上顎洞炎
E 特異性炎(歯性扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍)
F 全身感染症
4 口腔粘膜の疾患
A アフタおよびアフタ類似疾患
B 潰瘍を形成する疾患
C ウイルス感染症
D 肉芽腫性炎症
E 皮膚科的疾患
F 色素沈着を主徴とする病変
G 舌の疾患
H 口唇の疾患
I 薬物による歯肉増殖症
J 口腔乾燥症
5 口腔・顎領域の嚢胞
A 嚢胞の概要
B 顎骨に発生する嚢胞
C その他の嚢胞
D 軟組織に発生する嚢胞
6 口腔・顎・顔面の腫瘍および類似疾患
A 腫瘍の概要
B 良性腫瘍
C 悪性腫瘍
D その他の腫瘍性病変
7 顎関節の疾患
A 顎関節症
B 顎関節の発育異常・形成不全
C 顎関節脱臼
D 顎関節強直症
8 唾液腺疾患
A 唾石症
B 唾液腺炎,唾液分泌障害
C 唾液腺の腫瘍
9 血液疾患
A 貧血
B 出血性素因
10 神経疾患
A 三叉神経痛
B 神経麻痺
C 舌痛症
11 中枢性疾患による口腔機能障害
A 障害
B 治療
C 評価
12 加齢による口腔機能障害
A 加齢と老化
B 加齢に伴う顎口腔領域の障害
C 加齢による口腔機能障害の治療
13 口腔の機能障害と検査および評価
A 摂食嚥下障害
B 言語障害
C 開口障害
D 呼吸障害
E 味覚障害
14 消毒・滅菌法
A 滅菌と消毒の概念
B 機器・器具の消毒と滅菌
C 皮膚の消毒
D 口腔粘膜の消毒
E 手指の消毒
F 院内感染
15 歯科・口腔外科の治療法
A 歯の治療(う蝕治療,根管治療)
B 歯科における外科的治療法
C 口腔悪性腫瘍の治療
16 口腔ケア
A 口腔ケアの役割
B 口腔の構造と機能の加齢による変化
C 口腔ケアの実際
17 救急蘇生法
A 一次救命処置と救命の連鎖
B 成人および小児に対する一次救命処置の手順
C 誤飲・誤嚥の治療(気道異物の除去)
付録 用語解説
索引