人工呼吸管理レジデントマニュアル 第2版
「まずは、ここから」。実際のベッドサイドで使える人工呼吸管理の知識が満載!
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「まずは、ここから」。1章「人工呼吸器の操作方法」では新たに6機種を追加。基本モード、NIV、HFNC、気道抵抗とコンプライアンス、鎮痛・鎮静、呼吸器離脱、疾患別の呼吸器設定例、アラームとトラブルシューティング、患者-人工呼吸器間の非同調、食道内圧モニタリングといった重要テーマを、図表を使ってわかりやすく解説。今版から20章「P-SILIと呼吸努力モニタリング」、21章「EIT」を新規掲載した。
| シリーズ | レジデントマニュアル |
|---|---|
| 編集 | 則末 泰博 |
| 執筆 | 片岡 惇 / 鍋島 正慶 |
| 発行 | 2026年09月判型:B6変頁:264 |
| ISBN | 978-4-260-06563-4 |
| 定価 | 4,400円 (本体4,000円+税) |
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第2版の序
本書の初版を刊行した2019年以降,人工呼吸管理を取り巻く状況は大きく変化しました.新型コロナウイルス感染症の流行により,世界中の医療現場で重症呼吸不全と人工呼吸管理に向き合う機会が急増しました.その経験を通じて,私たちは呼吸生理をより深く理解するようになりました.以前は一部の専門家の間で語られることが多かった患者自身の吸気努力,経肺圧,自発呼吸による肺傷害,いわゆるP-SILIといった概念も,いまでは日常診療のなかで考えるべき重要なテーマになっています.
一方で,本書の基本的な目的は変わっていません.それは人工呼吸管理を,机上の知識としてではなく,実際のベッドサイドで使える知識として伝えることです.
今回の改訂では,新しく登場した人工呼吸器の操作方法を追加し,経肺圧に関する内容を見直しました.また,自発呼吸のモニタリング,吸気努力の評価,P-SILIの考え方についても新たに取り上げました.人工呼吸器の設定例や具体的な場面を多く示し,読者が「明日の診療でどう使うか」をイメージしやすいようにしています.
人工呼吸管理は,人工呼吸器の設定だけで完結するものではありません.患者の呼吸を観察し,波形を読み,身体所見と照らし合わせ,必要に応じて設定を変え,その反応を確認する.その繰り返しが,よい人工呼吸管理につながります.
本書では,長い説明よりも,1つの項目に1つのメッセージが残るように,できるだけ簡潔に記載しました.図や写真を多く用い,初学者にも理解しやすい構成を心がけています.これから人工呼吸管理を学ぶレジデントはもちろん,すでに人工呼吸管理に携わっている医師,看護師,臨床工学技士にとっても,日々の診療のなかで確認したくなる一冊になることを目指しました.
本書が,人工呼吸管理に不安を感じる読者にとっての道しるべとなり,また経験を積んだ読者にとっても,ベッドサイドでの判断を見直すきっかけとなれば幸いです.
2026年9月
東京ベイ・浦安市川医療センター 副センター長/
救急・集中治療科 集中治療部門 部長/
呼吸器内科 部長
則末泰博
目次
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第1章 人工呼吸器の操作方法
1 NKV-550
2 Puritan BennettTM 840
3 Puritan BennettTM 980
4 Evita® Infinity® V500
5 HAMILTON-G5
6 HAMILTON-C6
7 AVEA®
8 Servo-i
9 Servo-u
10 elisa 500
11 アコマ人工呼吸器 ART-800
12 Oxylog® 3000 Plus
13 パラパック
14 MONNAL T60
第2章 人工呼吸/気管挿管の適応
1 人工呼吸/気管挿管の適応
2 NIVまたは気管挿管による人工呼吸の適応例
第3章 酸素療法
1 酸素投与法の分類と特性
2 低流量システム
3 リザーバーシステム
4 高流量システム
5 モニタリング
第4章 NIV
1 NIVの適応
2 NIVの禁忌
3 モニタリング
4 モード
5 COPD増悪時の初期設定例
6 心原性肺水腫時の初期設定例
7 NIV導入の一般的な流れ
第5章 ハイフローネーザルカニュラ
1 ハイフローネーザルカニュラの効果
2 実際の使用方法
3 その他
第6章 挿管の方法
1 評価・準備
2 ABCプランニング
3 SOAPMD
4 挿管に必要な器具
5 前酸素化
6 前投薬と薬剤
7 体位
8 換気
9 挿管
10 確認
第7章 設定の基本知識
1 酸素化に関連する設定(FIO2と PEEP)
2 換気に関連する設定(1回換気量と呼吸回数)
3 初期設定の際の注意点(プラトー圧と Auto PEEP)
4 トリガーの設定
第8章 基本モード
1 送気方法
1) 従量式(VCV)
2) 従圧式(PCV)
3) 圧補助(PSV)
2 モード
1) A/C(アシストコントロール)
2) SIMV
3) 自発呼吸モード(CPAP ± PS)
第9章 その他のモード
1 PRVC
2 PSV以外の自発呼吸モード
1) (A)TC
2) VS
3 APRV
4 closed loop system
1) PAV
2) NAVA
3) SmartCare/PS
4) ASV
第10章 酸素化の評価と設定
1 低酸素血症のメカニズム
2 低酸素血症の鑑別表
3 酸素化の目標と指標
4 PEEPの生理学的作用
5 FIO2と PEEPの決め方
6 その他の PEEPの決め方
7 リクルートメントマニューバー
第11章 換気の評価と設定
1 換気のメカニズム
2 高CO2血症のメカニズム
3 EtCO2モニター
4 換気に関連する設定と permissive hypercapnia
第12章 気道抵抗とコンプライアンス
1 VCVの圧波形から呼吸器系メカニクスを知る
2 PCVのフロー波形から肺メカニクスを知る
3 Auto PEEP
第13章 人工呼吸管理中の鎮痛・鎮静
1 疼痛の評価方法
2 痛みの管理
3 鎮静深度の評価と鎮静薬の使用方法
4 ICUにおけるせん妄
5 ABCDEFバンドル
第14章 呼吸器離脱
1 ウィーニングと Daily SBT
2 「離脱のプロセスに進めるか」の判断
3 自発呼吸トライアル(SBT)
4 抜管
5 抜管後の管理と再挿管の予防
6 上気道の問題
7 カフリークテストの実施方法
8 気管切開の利点・欠点・時期
第15章 疾患別の呼吸器設定例
1 ARDS
2 心不全
3 COPD増悪
4 気管支喘息重積発作
5 頭蓋内圧上昇
6 神経筋疾患
第16章 アラームとトラブルシューティング
1 アラームの設定方法
2 アラーム対応の原則
3 低酸素アラームおよび急性発症の著しい低酸素血症への緊急対応
第17章 人工呼吸管理の合併症
1 人工呼吸器関連肺傷害(VILI)
2 人工呼吸器関連肺炎(VAP)
3 人工呼吸器誘発性横隔膜機能不全(VIDD)
4 ICU関連筋力低下(ICU-AW)
第18章 患者-人工呼吸器間の非同調
1 非同調(asynchrony)とは
2 非同調を見つける方法
3 非同調の分類
1) トリガーによる非同調
2) 送気速度による非同調
3) 早期終了のタイミングによる非同調
第19章 食道内圧モニタリング
1 経肺圧と生理学的背景
2 実際の測定方法
3 経肺圧測定の意義
4 食道内圧モニタリングが有用な場面
1) ARDSにおける PEEP決定
2) 自発吸気努力のモニタリング
3) 患者-呼吸器の非同調の検出
4) 呼吸仕事の測定
第20章 P-SILIと呼吸努力モニタリング
1 P-SILIとは
2 理解しておくべき自発呼吸の生理学
3 呼吸努力モニタリング
4 強い吸気努力を制御する方法
第21章 EIT
1 EIT(電気インピーダンス・トモグラフィ)とは
2 EITの基本画面
3 EITが有用な場面
1) 換気分布の観察
2) ARDS患者における PEEP決定
3) 自発呼吸による pendelluft現象の観察
索引
Column
▪ OとVの裏に隠されたもう1つの適応
▪ 臨床上大切なのはPaO2ではなくSaO2
▪ ヘルメット型マスク
▪ NIVがCOPDと心原性肺水腫に効果がある生理学的な理由
▪ RSI(rapid sequence intubation)
▪ 立ち上がり時間
▪ Evitaシリーズにおける AutoFlow
▪ Evitaシリーズにおける ATC
▪ BiLevel/Bi-Ventと APRV
▪ 肺コンプライアンスと胸郭コンプライアンス
▪ 時定数(time constant)
▪ 時定数(time constant):実例編
▪ 食道内圧はどこの胸腔内圧を反映しているのか①
▪ 食道内圧はどこの胸腔内圧を反映しているのか②




