発声発語障害学 第4版
養成校の講義に最適な『発声発語障害学』のテキストが全面リニューアル!
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言語聴覚士養成施設における『発声発語障害学』の講義に最適なテキストの第4版。好評を博した前版の構成は基本的に踏襲しつつ、第1章「発声発語障害学の基礎知識」では生理と病理を一体的に記載するなど随所で内容を刷新している。全面カラー印刷、キーポイントやコラム(Note)欄、Point欄を置くなど紙面上も全面的にリニューアルすることで、より読みやすい1冊となった。言語聴覚士学校養成所指定規則の改正に対応。
*「標準言語聴覚障害学」は株式会社医学書院の登録商標です。
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序文
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第4版の序
本シリーズは,2009年の初版発行以来,多くの言語聴覚士養成校で教科書としてご活用いただいている.このたび,2024年の言語聴覚士学校養成所指定規則の改正を受け,それに準拠した見直しを行うこととなった.本書においても教育現場,臨床現場からのご意見を承り,学生の皆さんがより理解しやすく,学びを深めやすい教科書を目指して改訂を行った.
第4版では,まず学びやすさにこだわった.章ごとに「学修の到達目標」を明示し,さらに各章末には「Point」欄を設け,学習の流れを自然に追える構成とした.文章表現も平易化し,図表をカラーにする,専門用語の解説を別記するなど,初学者にも親しみやすいような工夫を随所に施した.また,巻末には授業組み立ての参考となるような「授業プラン」を提示し,本文中の該当箇所も示した.これにより,教員・学生双方が,もれなく知識を教授・修得できることを願っている.
また,第3版では「発話障害」としていた第3章のタイトルを,第2版までの「構音障害」の用語に戻した.これは,臨床現場では現在も「構音障害」という言葉が幅広く用いられていること,用語に関しては議論の最中であることをふまえ,言語聴覚士国家試験出題基準の表現とも合致させることとした.
さらに第4版では,すべての領域の内容を大幅にブラッシュアップしている.本書は,学生時代の学びのためだけでなく,臨床に出た後も何度も立ち戻って学修できるような内容を意識して構成している.言語聴覚士養成校を卒業後,現場での疑問や新しい課題に向き合う際に,もう一度ページを開いて確かめたくなる──そんな「よりどころ」となることを願っている.
最後になるが,第4版では,本シリーズに長くかかわってくださっている執筆者に加え,第一線で活躍する若手の臨床家,指導者,研究者にも執筆に加わっていただいた.臨床,教育とお忙しいなか,ご執筆いただいた方々に心より感謝を申し上げたい.本書が,発声発語障害学を学ぶすべての方にとって,確かな知識と臨床への自信を育む一助となれば幸いである.
2025年11月
編集
原 由紀
小澤由嗣
目次
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第1章 発声発語障害学の基礎知識
1 発声発語器官の基本構造,機能,検査,病態と医学的診断
A 呼吸器
B 喉頭
C 附属管腔(鼻腔・咽頭・口腔)
2 発声発語器官に関与する神経系の基本構造と機能
A 発声発語器官に関与する神経系の基本構造,機能,検査,病態
B 発声発語器官に関与する基本的な神経学的検査
C 発声発語器官に関与する神経疾患の病態
3 音声の産生と知覚
A 音声の産生と知覚
B 日本語の音韻・構音と音声知覚
C 音韻発達と構音発達
第2章 音声障害
1 音声障害の症状と病態および関連障害
A 声の特性と機能
B 音声障害の定義と病態
C 音声障害の発生メカニズムと病態および分類
D 声の属性から分類した音声障害
2 音声障害の評価診断
A 評価診断の原則と流れ
B 医師が行う音声障害の評価診断とその意味
C 言語聴覚士が行う音声障害の評価診断
D 音声障害の評価診断の解釈
3 音声障害の治療
A 音声障害の治療(医学的治療と行動学的治療)
B 行動学的治療
第3章 構音障害
1 構音障害の概念と分類
1.言語音産生のプロセス
2.構音障害の定義
3.構音障害の分類
A 小児
B 成人
2 構音障害への対応
1.構音障害の評価の流れ
2.小児の構音障害の評価と治療
A 小児の構音障害の特徴
B 小児の構音障害の評価
C 小児の構音障害への介入
D ライフステージに応じた口唇裂・口蓋裂の問題と対応
3.成人の構音障害の評価と治療
A 運動障害性構音障害
B 器質性構音障害
4.脳性麻痺による発話障害
A 脳性麻痺による運動障害性構音障害の特徴
B 評価診断
C 発声発語訓練──具体的な練習方法
第4章 流暢性障害(吃音)
1 流暢性障害(吃音)の概念と分類
A 基本概念
B 発症と進展のメカニズム
2 流暢性障害(吃音)の評価診断
A 評価診断の原則と流れ
B 評価の実際
3 流暢性障害(吃音)の治療
A 治療の原則と流れ
B 幼・小児期の治療
C 思春期・成人期の治療
D セルフヘルプグループなどとの連携
E クラタリングの評価と治療
参考図書
発声発語障害学の授業プラン
索引
『標準言語聴覚障害学シリーズ』全10巻の特長と構成
Note一覧
1.受動的復位
2.食道入口部
3.音声
4.耳管開放症
5.頭頸部がん切除後の再建
6.運動障害性構音障害に関連する用語,翻訳名称の整理
7.音声の加齢変化
8.日本語の韻律の観察
9.発話に現れる多様な音声
10.訓練のねらいと音の書き方
11「音」の記録
12.IPAの子音の分類
13.硬口蓋化
14.知覚バイアス
15.ことば遊びの例
16.構音の加齢変化
17.音の強さ,音の大きさ
18.喉頭斜位
19.痙攣性発声障害に対する喉頭筋電図
20.騒音計の周波数特性
21.声門閉鎖不全に対する外科的治療
22.アドヒアランス(adherence)
23.音声障害患者に対する副腎皮質ステロイドの使用
24.胃食道逆流症に対するプロトンポンプ阻害薬の使用
25.アクセント法
26.flow phonation
27.Lee-Silverman voice treatment(LSVT)
28.直接訓練の分類
29.気管カニューレのカフ
30.サチュレーション(SpO2)
31.小児の気管カニューレによる発声練習の注意点
32.喉頭の機能
33.笛式人工喉頭
34.子音注入法
35.発達性発語失行
36.口蓋化構音の分類
37.摂食嚥下の問題
38.聴覚的把持力
39.音韻意識の発達を促す働きかけ
40.聴覚判定に迷う場合
41.標準的口蓋裂言語評価
42.瘻孔がある場合
43.鼻咽腔閉鎖機能不全の分類
44.口蓋瘻孔や残遺孔がある場合
45.カルデサック(Cul-de-Sac)による共鳴異常の要因
46.鼻咽腔閉鎖機能不全の代償的発声運動
47.22q11.2欠失症候群
48.ロバンシークエンス(ピエールロバン症候群)
49.トリーチャーコリンズ症候群(Treacher Collins syndrome)
50.ブローイング
51.早期介入(声かけの工夫)
52.子どもへの告知に対する支援
53.舌小帯短縮症(ankyloglossia)
54.Parkinson病の代表的な治療薬
55.ICFと運動障害性構音障害
56.PD Café
57.言語聴覚士のための講習会
58.患者会(友の会)
59.進行性疾患と非進行性疾患の違い
60.脳性麻痺のタイプ
61.脳性麻痺児の評価
62.脳性麻痺の発声発語障害に対する介入研究のエビデンス
63.発達性吃音,獲得性吃音における適応性効果と一貫性効果
64.現在は否定されている吃音の原因論
65.DCモデル(DCM)に基づくアプローチ
66.リッカムプログラムの研修会




