急性腹症診療ガイドライン2025 第2版
急性腹症に的確に対応するためのガイドライン、関連学会の知見とエビデンスを集めて待望の改訂!
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臨床で遭遇する機会の多い急性腹症患者に対する診療ガイドライン。症状と初期対応を重視し、限られた時間の中で的確に対応するための情報を盛り込んだ。疫学、問診、身体所見、検査の記載も充実。関連学会(日本腹部救急医学会、日本医学放射線学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本産科婦人科学会、日本血管外科学会、日本病院総合診療医学会、日本超音波医学会、日本超音波検査学会)の専門家の豊富な知見とエビデンスを結集したガイドライン、待望の改訂!
編集 | 急性腹症診療ガイドライン2025 改訂出版委員会 |
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発行 | 2025年03月判型:A4頁:200 |
ISBN | 978-4-260-05773-8 |
定価 | 4,950円 (本体4,500円+税) |
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『急性腹症診療ガイドライン2025 第2版』改訂にあたって
急性腹症診療ガイドラインの初版が発刊されてから約10年が経過しました。この間,急性腹症診療における科学的知見と診療現場の実態は着実に進歩を遂げており,さらなる質の向上が求められる状況にあります。今回の改訂版は,急性腹症診療の最新のエビデンスを反映するとともに,現場での活用を一層推進するための工夫を盛り込みました。
初版は,急性腹症の診断と初期対応に焦点を当て,エビデンスに基づいた診療の標準を提示しました。しかし,2015年の発刊以降,超音波検査の普及や教育機会の充実といった目標に対する課題が指摘されてきました。本改訂版では,これらの課題に対応するため,医療現場での実践を重視し,さらに学習コンテンツの充実を図るために「シナリオ動画と確認チェックリスト」を新たに追加しました。この工夫により,医学生や若手医療者が模擬患者を通じて学ぶ機会を提供することを目指しています。
また,改訂版の作成にあたり,新たな関連学会として,日本病院総合診療医学会,日本超音波医学会,日本超音波検査学会の参画を得ました。これにより,多職種の専門家が集結し,各分野の知見と経験を結集することができました。38名の委員で構成された改訂出版委員会では,オンラインを活用した効率的な議論を重ね,科学的根拠に基づいた推奨の妥当性を徹底的に検討しました。
今回の改訂版では,初版で設定された108の臨床的疑問を再評価し,必要に応じて改善を行うとともに,新たな臨床課題にも対応しました。例えば,超音波検査の推進と2-step methodの実践に関する具体的な指針を示し,教育機会の充実を目的とした新たな内容を追加しています。さらに,医療従事者のみならず,患者やその家族も含めてガイドラインの内容を理解しやすいように,解説部分を充実させました。
本改訂版の完成に至るまでには,関連学会や外部評価委員,患者代表,さらには法律専門家からの貴重なフィードバックがありました。この場をお借りして,関係者の皆様のご協力に深く感謝申し上げます。また,公聴会やホームページ上での意見募集を通じ,多くの現場の声を取り入れたことが,本改訂版の質の向上に大いに貢献しました。
急性腹症診療ガイドラインの改訂は,単なる知識の更新にとどまらず,医療現場での実践を通じて患者の予後改善に寄与することを目指しています。本改訂版が広く普及し,多くの医療従事者に活用されることで,急性腹症診療のさらなる質の向上と効率化が実現されることを願っています。
2025年3月吉日
日本腹部救急医学会(理事長:吉田雅博)
日本医学放射線学会(理事長:富山憲幸)
日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場鉄周)
日本産科婦人科学会(理事長:加藤聖子)
日本血管外科学会(理事長:東 信良)
日本病院総合診療医学会(理事長:田妻 進)
日本超音波医学会(理事長:飯島尋子)
日本超音波検査学会(理事長:尾羽根範員)
急性腹症診療ガイドライン2025改訂出版委員会
日本腹部救急医学会 真弓俊彦(担当理事),三原 弘
日本医学放射線学会 近藤浩史
日本プライマリ・ケア連合学会 矢吹 拓
日本産科婦人科学会 三浦清徳
日本血管外科学会 前田剛志
日本病院総合診療医学会 田妻 進
日本超音波医学会 畠 二郎
日本超音波検査学会 刑部恵介
目次
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『急性腹症診療ガイドライン2025 第2版』改訂にあたって
『急性腹症診療ガイドライン』発刊にあたって
『急性腹症診療ガイドライン2015』作成にあたって
第I章 クリニカルクエスチョン一覧
第II章 ガイドライン作成方法
1 急性腹症診療ガイドラインの改訂の必要性
2 本診療ガイドラインおよび改訂版の目的
3 対象利用者
4 対象疾患
5 本診療ガイドラインを使用する場合の注意事項
6 診療ガイドラインの作成・改訂過程
7 診療ガイドライン改訂出版委員会
8 診療ガイドライン改訂方法
9 公聴会(医療者からの情報収集)と外部評価
10 普及のための工夫
11 診療ガイドラインの出版後の評価について
12 改訂について
13 利益相反(COI)
14 作成資金
第III章 急性腹症の定義(BQ1~BQ3)
第IV章 急性腹症の疫学(BQ4~BQ17)
第V章 急性腹症の医療面接(BQ18~BQ20)
第VI章 急性腹症の診察(BQ21~BQ36,CQ1)
第VII章 急性腹症の検査
1 血液検査(BQ37,CQ2~CQ5)
2 心電図,尿検査(BQ38~BQ43,CQ6)
3 画像検査(BQ44~BQ47,FRQ1~FRQ4,CQ7~CQ12)
第VIII章 急性腹症の鑑別診断(BQ48~BQ74,FRQ5)
第IX章 急性腹症の初期治療(BQ75~BQ78,CQ13,FRQ6)
第X章 急性腹症の教育プログラム(CQ14,BQ79~BQ81)
索引