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今日の整形外科治療指針 第8版

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第一線で活躍する全国の整形外科医による、診療事典の決定版がリニューアル! 従来の使い勝手はそのままに、最新の診療情報にアップデート。整形外科の全領域を俯瞰する本書は、日々の診療に奮闘する臨床家の心強い相棒として、また、整形外科医を志す医学生の信頼できるリファレンスとして最適な、唯一無二の書である。

シリーズ 今日の治療指針
編集 土屋 弘行 / 紺野 愼一 / 田中 康仁 / 田中 栄 / 岩崎 倫政 / 松田 秀一
発行 2021年10月判型:B5頁:1000
ISBN 978-4-260-04260-4
定価 19,800円 (本体18,000円+税)

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    2021.10.14

  • 序文
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第8版 序

 この度,本書の第8版を出版する運びとなりました.1987年の初版からは34年,前版からは5年が経過しています.今回は編集者を1名増員して,岩崎倫政,紺野愼一,田中栄,田中康仁,土屋弘行,松田秀一の6名で編集を担当しました.
 前版から今回の第8版までの5年間に整形外科の診断と治療は,日進月歩,着実に大きな発展を遂げています.基本的には,前版の方針を継続して,内容を大幅にアップデートしました.今回の変更としましては,各項目で,「リハビリテーションのポイント,関連職種への指示」などを記載したという点があります.チーム医療の面からの重要性を考慮しまして,より実践的に役立つようにしました.
 トピックスでは,iPS細胞の利用などの再生医療や,シミュレーション手術,ロボット手術などを新たに追加しました.もう数年しますと,整形外科領域でも人工知能,拡張現実,ビッグデータを応用した診断や治療の項目が更に追加となるでしょう.
 また,今版では「先端医療」は「トピックス」にまとめ,各分野の先進技術や特有の話題をコラム形式で掲載しています.長年臨床に携わってこられた経験豊富な先生がたによるコラム「私のノートから/My Suggestion」は,好評につき継続しています.エビデンスが重要であるのは論を俟たないわけですが,医学は経験によるところも非常に大きく,豊富な経験をお持ちの先人たちに,整形外科の核心部分に触れた示唆をいただいています.
 総章数はこれまでと同一の全28章となり,総項目数621項,総執筆者数456名となっています.時間の経過による進歩に伴い,項目の分担を細かくした結果,執筆者数が25名増えました.また,章の冒頭に各部位の臨床的に重要な解剖についての項目を多数設けているのは前版と同様です.本書の作成に当たり,ご多用の中,執筆の労を厭わず,ご協力くださった執筆者各位に厚く御礼申し上げます.非常に質の高い指針を完成することができました.
 日本整形外科学会などから,代表的な整形外科疾患に関する診療ガイドラインが新版あるいは改訂版として発表されています.整形外科の守備範囲は膨大であり,あらゆる疾患のガイドラインを取り揃えることは不可能です.本書では,臨床経験が豊富で,それぞれの分野で指導的立場にある先生がたに,これまでの整形外科医療の進歩を踏まえたうえで,現時点における最良の治療指針を執筆していただきました.本書が,実践的な「整形外科疾患の診療事典」として,整形外科医のみならず,一般外傷医,看護師,理学・作業療法士などの皆様に大いに活用され,それが最終的に整形外科医療を必要とする全ての病者の幸せに結びつくことを心より願っています.

 2021年9月
 編集者一同

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1 診断と治療総論
2 外傷
3 スポーツ外傷と障害
4 感染性疾患
5 骨・軟部腫瘍および腫瘍類似疾患
6 関節リウマチ,慢性関節疾患および骨壊死症
7 骨系統疾患,代謝性骨疾患
8 筋・神経疾患
9 末梢循環障害,壊死性疾患
10 運動器リハビリテーション
11 肩甲帯の疾患
12 上腕の疾患
13 肘関節の疾患
14 前腕の疾患
15 手関節の疾患
16 手の疾患
17 脊椎・脊髄疾患
18 脊柱変形
19 頚椎部の疾患
20 胸椎部,胸郭の疾患
21 腰・仙椎部の疾患
22 骨盤の疾患
23 股関節の疾患
24 下肢全体の問題
25 大腿の疾患
26 膝関節の疾患
27 下腿の疾患
28 足関節,足部の疾患

付録
 資料1.関節可動域表示ならびに測定法
 資料2.その他の資料

和文索引
欧文索引

私のノートから/My Suggestion

トピックス

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ロングセラーを続けているゆえん
書評者:松本 守雄(慶大教授・整形外科学)

 前版から5年ぶりの改訂となる『今日の整形外科治療指針 第8版』が出版された。本書は1987年の初版から35年の歳月を経ているロングセラーである。初版の序に「わが国の整形外科はいささか欲張り過ぎともいえるほど守備範囲が広く,大変な科である」との記述があるように,本邦の整形外科は運動器疾患全般の診断,予防,保存療法,手術療法,後療法を扱い,またそれぞれの領域が常に目覚ましい進歩を遂げているので,学習し習得すべき範囲は常に膨大である。もちろんさまざまな論文,総説,ガイドライン,教科書などを通じて知識や情報を得ることは可能であり,かつ必要ではある。しかし社会の高齢化を背景として急速に増加する運動器疾患患者の診療に忙殺される整形外科医がそれら全てに目を通すのは必ずしも容易ではない。その点,本書では整形外科診療における指針の要点がコンパクトに記述されており,最新の情報を効率的に学ぶのに非常に有用であり,本書がロングセラーを続けているゆえんでもある。

 本版は全28章,621項目からなり,ほぼ全ての運動器疾患・外傷とその関連領域の疾患の病態,診断,治療などについての解説が収載された大変網羅的な構成になっている。また450名を超える執筆者はいずれもその領域の最前線でご活躍されている方々ばかりであるため,内容もup-to-dateで実践に即したものになっている。特筆すべきは「リハビリテーションのポイント,関連職種への指示」の項目が新たに加わり,医師の働き方改革を背景にしたチーム医療の推進にも配慮されている点,そして再生医療,iPS細胞を用いた創薬,分子標的治療,シミュレーション手術,ロボット手術などの最新のトピックも取り上げられている点である。一方で,本書の売りの1つとも言える「私のノートから/My Suggestion」の欄では整形外科の先達の先生方に,ご自身の豊富な診療経験に基づいた大変深みのある診療上のご助言をいただける。このような素晴らしい本版を企画・編集された土屋弘行教授をはじめとする6名の編集者の先生方のご慧眼とご尽力に敬意を表したい。

 本書は最新の整形外科を学ぶために通読されてもよいし,診療前後に調べたい項目を事典として使用されるのもよいであろう。整形外科医のみならず他の診療科やコ・メディカルの方々にも理解しやすい内容であり,是非日常の整形外科診療にお役立ていただきたい。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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    2021.10.14