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第3023号 2013年4月15日


STROKE2013が開催される


 第38回日本脳卒中学会総会(会長=日医大大学院・片山泰朗氏),第42回日本脳卒中の外科学会(会長=東北大大学院・冨永悌二氏),第29回スパズム・シンポジウム(会長=埼玉医大総合医療センター・松居徹氏)の三学会によるSTROKE 2013が,3月21-23日,グランドプリンスホテル新高輪(東京都品川区)にて開催された。共通テーマは「進化する脳卒中治療――多分野とのcrosstalk」。本紙では脳梗塞急性期における最新の治療法をレビューした合同シンポジウム「脳梗塞急性期治療の進化 内科的治療VS血管内治療VS脳外科手術」(座長=国循・峰松一夫氏,神戸市立医療センター中央市民病院・坂井信幸氏)を報告する。


 昨年rt-PA静注療法の治療可能時間が発症後3時間以内から4.5時間以内まで延長された。シンポジウムでは,まず座長の峰松氏が新たなデバイスの早期承認や,新規rt-PA製剤の研究,超音波血栓溶解療法への期待を述べ,本シンポジウムでの活発な議論を促した。

急性期治療,次のエビデンス構築に向けて

片山泰朗会長
 国循の山上宏氏は,非心原性脳梗塞,TIA/軽症脳梗塞例において,頸動脈や頭蓋内主幹動脈狭窄を伴う例では,抗血小板薬2剤併用療法の有用性が高いと説明。心原性脳梗塞症急性期において脳梗塞巣が小さく出血リスクが低い場合には,新規抗凝固薬の早期開始が有用との考えを述べ,エビデンス構築に向けた研究の必要性を語った。

 次に登壇した木村和美氏(川崎医大)は,rt-PA投与の適応時間について,海外の試験結果から今後6-9時間まで延長する可能性に言及した。一方,投与時間が延長されても発症からrt-PA投与までの時間が短いほど開通率が高くなることに変わりはないと指摘。発症後の早期来院の周知,救急隊とのスムーズな連携構築,来院後30分以内にrt-PAを投与できる院内体制の整備が必要だと強調した。

 獨協医大越谷病院の兵頭明夫氏は,急性期に頸動脈ステント留置術(CAS)を行う例を紹介した。通常脳梗塞急性期に行われることが少ないCASだが,(1)高度狭窄が原因のA-to-A embolismによるTIAを来し,へパリンなどの抗凝固療法に抵抗して頻発する場合,(2)軽度の症候性で,段階的に症状が悪化する場合,(3)急性閉塞による症候性となった場合は,血栓除去と同時に行うという。氏は,頸動脈内膜剥離術(CEA)の困難例を中心に新しいデバイスの登場によるCASの治療成績向上に期待を寄せた。

 つづいて坂井氏が,血栓回収機器のMerciリトリーバーとPenumbraシステムのみを用いた再開通療法はいまだ科学的根拠が十分でないことを解説し,rt-PA静注療法を第一選択とすることを再確認した。血栓回収機器を用いて再開通までの時間を短縮させるには,内科治療,MRIやCTなどの画像診断を加えることで有効性が高まるとし,クリニカル・エビデンスの確立が今後の課題だと述べた。

 最後に登壇したSeoul St. Mary's Hospitalの Yong Sam Shin氏は,日本では未承認のSolitaire血流回復デバイスとTrevoシステムを用いた急性期脳梗塞の局所再開通療法を紹介。従来のデバイスよりも扱いやすく良好な結果を示していると説明した。坂井氏同様,rt-PA静注療法や画像診断など,さまざまな方法の組み合わせを検討することで,脳梗塞急性期の治療を発展させることが必要だと締めくくった。