医学界新聞

2012.06.18

第23回「理学療法ジャーナル賞」


 第23回「理学療法ジャーナル賞」授賞式が,4月21日,医学書院本社にて行われた。本賞は,前年の1年間に『理学療法ジャーナル』誌に掲載された投稿論文の中から,特に優れた論文を同誌編集委員会が顕彰し,理学療法士の研究活動を奨励するもの。2011年は,総投稿数108本のうち18本が受賞対象となり,下記の2論文が第23回「理学療法ジャーナル賞」に選ばれた。

入賞】井平 千暁(加東市民病院リハビリテーション科),他
「体幹加速度波形からみるパーキンソン病患者の歩行――特徴と聴覚刺激による影響」(第45巻8号掲載,報告
準入賞】木元 稔(秋田県立医療療育センター診療部),他
「痙性両側麻痺型脳性麻痺児の歩行効率と関連する運動機能――粗大運動機能,反復横とび,最大1歩距離での検討」(第45巻2号掲載,報告

左から木元稔氏,井平千暁氏
 入賞の井平氏らの論文は,パーキンソン病症例21人と,年齢が同等な健常高齢者27人を対象に,歩行における健常者との違い,さらにメトロノームによる音刺激が持つ影響を検討した臨床的研究。これまで主に健常者の運動分析に用いられてきた加速度センサーをパーキンソン病症例に適用した点が,臨床に寄与するものとして高く評価された。また,伝統的に有効とされてきた音刺激が,歩行リズムを保持すること以外の円滑さや動揺性などには影響を及ぼさないことを実証的に示した点も,重要な知見とみなされた。

 準入賞の木元氏らの論文は,7-18歳までの脳性麻痺児11人を対象として,粗大運動機能と歩行機能の関連を検討した臨床的研究である。本論文は,日常的な計測項目を用いて検討した点と,脳性麻痺児のまたぐ機能やジャンプ機能と歩行効率との関連を示した上,アプローチへの提言を行った点が評価され,準入賞となった。

 両氏とも,臨床経験から生じた疑問を解決するために大学院へ進み,今回の受賞研究に至ったという。編集委員の網本和氏(首都大学東京)は,「いずれの論文も,忙しい臨床現場で時間を捻出しながら取り組んだ実践的研究。多くの臨床家の目標となる研究を示した意義は非常に大きい」と講評を述べた。

 『理学療法ジャーナル』誌では本年も,掲載された投稿論文から第24回「理学療法ジャーナル賞」を選定する。詳細については『理学療法ジャーナル』誌投稿規定を参照されたい。

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