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第2891号 2010年8月9日


第44回日本作業療法学会開催


 第44回日本作業療法学会が,佐藤善久学会長(東北福祉大)のもと,6月11日-13日,仙台国際センター(仙台市)他にて開催された。今学会のメインテーマは「輝きをもって生きることの再考――作業療法士の専門性の再確認と新たな可能性の創造」。本紙では多数のプログラムのなかから,学会長講演と,作業療法士の今後進むべき方向が示された鼎談のもようをお届けする。


作業療法士の“輝き”再考

佐藤善久学会長
 メインテーマがタイトルに冠された学会長講演では,佐藤氏が,対象者の人生の輝きを取り戻すことが作業療法の役割であると同時に,作業療法士自身もいきいきと輝いてほしいという思いを込めたテーマであることを強調した。そして,各自が探究心,創造的態度と国際性を備えた作業療法士となり,作業療法の価値が社会的に認知されるために,戦略が必要な時代にきていると呼びかけた。

作業療法の発展と成長,そして未来へ

 鼎談「作業療法のこれまでと将来に向けて――将来,作業療法士がいっそう輝くために」では,日本作業療法士協会長である中村春基氏(兵庫県立総合リハビリテーションセンター)の司会のもと,3人の講師が作業療法(以下,OT)/作業療法士(以下,OTR)の役割,魅力,将来について提言を行った。

 前作業療法士協会長である杉原素子氏(国際医療福祉大)は,職域,技術,教育の3つの観点からOTRの特性について言及。OTRは「回復期リハビリテーション(以下,リハ)」と「維持期リハ」をつなげる存在で,社会からもそうした役割が期待されているとし,そのためにはさまざまな障害を持ちながら生活する当事者を支える「応用性」を持つ必要があると主張。また,社会的ニーズの多様化に対応し,自分で考えることのできる職業人になってほしいと期待を述べた。

 日本理学療法士協会副会長である内山靖氏(名大)は,OTと理学療法(以下,PT)の接近と独自性という観点から今後の方向性について提言。OT,PTともに健康寿命の延伸に貢献する目標は同じであるとし,そのなかでOTRに求めたい点として,わが国のOT草創期からの伝承,臨床能力(OTRらしさをもったプロセススキル)の表現,対象者自身に夢と希望を与える職業であり続けるためのキャリア形成支援を挙げた。

 全国PT・OT学校連絡協議会会長である才藤栄一氏(藤田保衛大)は,OTはリハの中心であると主張。「OTRはユニークな専門性を有している普遍的な存在であり,そうあり続けるためには,今の位置に立ち止まらず,自分たちで考え上げた新しい視点と,進歩し続ける意識を常に持ってほしい」と述べた。

 その後の会場との質疑応答も盛況のうちに,本鼎談は締めくくられた。