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第2788号 2008年7月7日


消防と医療との連携強化を
第11回日本臨床救急医学会開催


 第11回日本臨床救急医学会が6月7-8日,野口英一会長(東京消防庁救急部)のもと東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催された。初の消防機関主催による今回は「救命の絆――災害と救急医療」をテーマとし,医療・消防間の連携のさらなる強化を図るプログラムが多数見受けられた。

 パネルディスカッション「災害現場から学ぶ教訓と課題――効果的な連携とは」(座長=京大・小池薫氏,兵庫災害医療センター・中山伸一氏)では,7名の演者が各自の経験に基づき,災害時の他職種および関係機関との連携活動について紹介した。

 切田学氏(東京警察病院)は阪神・淡路大震災およびJR福知山線列車脱線事故の経験から,発災直後の現場では一般市民の協力が重要と提言。福知山線の事故では近隣住民が,気温が高い現場で軽症者を屋外,重傷者を屋内へと搬送したり,負傷者の携帯電話からの家族への安否情報連絡や応急処置,医療施設への搬送など自主的な救助活動を行ったことを紹介した。そのうえで,「一般市民も本能的に傷病者の重症度・緊急度を判断でき,ある程度のトリアージが可能では」と指摘。医療チームが市民と負傷者をトリアージポスト・搬送車へと誘導し2次トリアージを行うなど,市民の活動を生かしつつ統制を図ることが今後の課題であり,さらなる啓蒙・教育が必要であるとした。

 内藤万砂文氏(長岡赤十字病院)は,新潟県中越地震と中越沖地震における消防との連携を紹介。傷病者の円滑な搬送,被害状況や他院の受入状況・道路状況などの情報提供,入院患者の転院搬送や行政への仲介などで消防の活動が奏功した。日ごろからICLS講習会,事後検証会,訓練などを通して,「顔の見える関係」を構築することが災害時の連携につながると強調した。