医学書籍編集部
医学書籍編集部 Y.K.さん
2015年 新卒者採用
大学院作業療法学専攻修了
出版を通して作業療法業界に貢献したい!
リハビリテーション関連の書籍の編集を担当しています。理学療法士・作業療法士を目指す学生のための教科書シリーズ『標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野』、『標準理学療法学 専門分野』、『標準作業療法学 専門分野』や、美しいイラストの解剖学アトラス『プロメテウス解剖学』シリーズといった本の編集を担当しています。また、リハビリテーション専門職の方々向けの書籍も担当しています。
私は学生時代に作業療法を専攻していたということもあり、作業療法分野の本を作りたいと希望し、医学書院に入社しました。私の担当した書籍『作業療法の曖昧さを引き受けるということ』は、上記の経験から得た疑問や思いを著者の齋藤佑樹先生、上江洲聖先生に投げかけたことがきっかけで生まれました。この本の扱う内容は、信頼する先生や先輩方に直接聞けば教えていただけることではありましたが、人によって表現が大きく異なるため、学習を深めていくこと、そして、それを実践に活かすことに大きな壁があり、どうにか皆が同じ言葉で理解し醸成し合うことができないかと、常々考えていました。先生方は私の問いを真っすぐに受け止めてくださり、「それに応える本を作りましょう」と言ってくださいました。こうして自分が学生時代に欲しかった本、しかも今までにない本が出来上がりました。
『「21人の作業療法士」とひらく、私らしいキャリア』も私が担当した書籍です。元廣惇先生の講演や活動を拝見した私は感銘を受け、「この先生のお話をもっと聞きたい!」と強く思い、アプローチしたのがきっかけで交流が始まりました。そのご縁で生まれた本です。
ちなみに入社直後は学校営業の部署に3年間、脳・神経分野の専門誌『BRAIN and NERVE』の編集室に4年間在籍し、その後、現在の編集部に配属となりました。入社当初にやりたいと思っていたことを今できていると感じています。営業と雑誌の7年間は決してまわり道をしたとは思いません。営業担当時は、看護学校やリハビリテーション養成校を訪れ、読者の皆様の声を直接聞けたことが今に生きていますし、雑誌担当時も、脳は多様なテーマにつながっているので、多岐にわたる人や物事に触れることができました。これらの経験は、現在の仕事に直結しています。
Scheduleある1日のスケジュール
- 7:00
-
起床
3人の子ども達の身支度で大忙し。
- 9:30
-
出社
業務開始時と終了時に育児時短を取っています。
メールチェック
著者の先生に返信。
- 12:00
-
昼食
行きつけの中華料理店にて手早く済ませ、短時間の昼寝でリフレッシュ。
- 13:00
-
打ち合わせ
著者の先生とZoomで打ち合わせ。
- 15:00
-
新企画のアイディア整理
- 16:30
-
退社
- 17:30
-
夕食・帰宅
- 18:00
-
子どもの世話
子どもの食事、寝かしつけに奔走。
- 23:00
-
就寝
今後の目標──リハビリテーションに関わっていたい
今後もやはり1番には作業療法に関わっていたいという思いがあります。臨床現場で対象者と向き合う作業療法士の方々を後押しし、作業療法の効果を高めることに役立つような本を作っていきたい。また、さらに分野を広げて、理学療法や言語聴覚療法なども広く手掛けていきたいです。リハビリテーションの仕事は、対象者の人生を豊かにする仕事で、そこに魅力を感じています。
医学書院に決めたわけ
冒頭でも述べたように、私は作業療法が大好きで資格も持っていますので、作業療法士として働くことも当然選択肢としてあり、悩みました。学生時代に、作業療法の奥深さ、すばらしさを教えてくださった先生方がたくさんいらっしゃいました。この先生方の言葉や技術をもっと他の人にも広めたいと思う気持ちがあり、本というかたちであれば、読者の事情も理解している自分の経歴を生かして、必要とする人々に届けられるのではと思ったのが、出版社という選択肢を意識したきっかけです。
ちなみに、学生時代に一番いい本だと思ったのが医学書院の『解剖学』でした。国試対策の勉強中に使っていて、項目の順番、表のまとめられ方、書いてある内容が、学生が覚えやすいように完璧な構成になっている。また、学校の先生方の医学書院の本に対する信頼が厚かったというのもあり、入社を決めました。医学書院はリハビリテーションだけでなく、医学、看護学も扱っており、他領域にもかかわることで、作業療法の世界をより広く見つめることができると考えたのも決め手のひとつです。
Message ── 医学書院に興味を持ってくださった学生さんへ
編集者の仕事は人と人の相互作用によって、それまでにはなかったものを生み出していく仕事だと感じています。そのため、著者や読者、書店員さんなど、異なる立場、年齢、地域のたくさんの人とかかわることがとても大切です。学生時代に接客業のアルバイトやボランティア活動での経験が今に活きていると実感します。出版社で働きたいけどコミュニケーションが不安という人には、様々な人と話す経験を重ねることをオススメします。
そして学生時代を振り返ると、何かに疑問を持った時に、その疑問を放置しないで考え続けることが大事だったと思います。何よりも出版社という立場から医療業界に貢献したい、そんな熱い思いを持った人と一緒に働けたらと思います。
最後に、医学書院は主体性が尊重され、こうした思いが実現しやすい職場です。また、私は現在3人の子ども(6歳、4歳、2歳)を育てていますが、各種制度が整っており、それを利用しやすい風土もあり、柔軟に働くことができています。思いはあるけど自信がないという方も、安心して一歩を踏み出してみてください。