第1回研修医マッチング結果発表
8283名が参加。マッチ率は95.6%
大学病院と研修病院の比率は6対4に
さる11月13日,日本初の研修医マッチングが実施された。医学生たちは,マッチングにどう取り組み,どのような結果を得たのだろうか? 本号では,研修医マッチングの結果概要を報告するとともに,マッチング参加者に覆面座談会や特別寄稿を依頼し,「研修医マッチングの実際」に迫ってみた。
医師臨床研修マッチング協議会の発表によれば,研修医マッチングの参加者は8283名。マッチングの対象外となる自治医大,防衛医大の学生を除く,来年度からの研修予定者ほぼ全員が参加した模様だ。一方,参加した病院数(単独型または管理型)は851(臨床研修病院が754,大学病院が97),研修プログラム数は1076(臨床研修病院が856,大学病院が220)を数え,研修医マッチングの募集定員は1万870名だった。
95%以上の参加者が希望順位表の1-3位でマッチ
組み合わせが決まった参加者数(マッチ者数)は7756名,組み合わせが決まらなかった参加者数(アンマッチ者数)は353名で,マッチ率は95.6%という高い数字となった。マッチした7756名のうち,希望順位表の第1位の研修プログラムとマッチした者は77.5%(6014名),第3位まででマッチした者は95.2%(7384名)となり,希望順位表の上位のプログラムとマッチした者がかなりの数を占めた。なお,参加者が希望順位表に登録した研修プログラム数の平均は4.0プログラムだった(最大は50,最小は1)。一方,希望順位表を登録しなかった参加者も174名おり,これらの者は研修医マッチングに不参加の病院へ流れたものと思われる。
マッチ者のうち,臨床研修病院にマッチした者は41.2%,大学病院にマッチした者は58.8%。これまで,3対7といわれてきた比率が4対6となり,従来の研修実績に比べて,研修希望者の10数%が臨床研修病院へ研修先をシフトしたことになる。また,参加者の50.9%が臨床研修病院を第1希望としており大学病院を上回ったことからも,研修の場を地域の市中病院へ求める傾向が強まっているといえそうだ。
研修医の都市部集中は回避か?
研修医マッチングにおける,都道府県ごとのマッチ者の分布では,本年度の採用実績に比して,東京都が446人減らした他,京都が147人,大阪が56人,広島が47人,福岡が38人と,大都市を中心に研修医数を減らした。それに対して,研修医数を増やしたのは,神奈川153人,沖縄58人,埼玉47人,愛知40人,岩手34人などとなっている。研修医マッチング実施にあたっては,研修希望者が都市部に集中し,研修医の地域偏在が生じることが懸念されていたが,今回の結果からは,そのような事態は回避されたとする見方が強い。
11月13日の時点での各病院の研修医定員の空席状況をみると,空席の総数は3114(臨床研修病院が1445,大学病院が1669)。アンマッチ者は今後,これらの空席を持つ病院と個別に交渉をして研修先を決めることになる。
研修医マッチングの結果の概要
(単独型または管理型の臨床研修病院もしくは大学病院が管理しているプログラムについて集計) |
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