看護管理 Vol.36 No.9
2026年 09月号
特集 倫理的に健全な組織をつくる モラル・ディストレス/モラル・レジリエンスと看護管理
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複雑化する医療環境,慢性的な人材不足,多職種協働の難しさの中で,看護職は日々,「本来大切にしたい看護」と「実際にできる看護」との間で葛藤しています。「最善と思うケア」が,組織の方針や資源の制約,人員不足,制度上の限界などによって実践できないとき,看護職には道徳的苦悩,すなわちモラル・ディストレスが生じます。
その苦悩が放置されれば,チームの沈黙,バーン・アウトや離職を招くとともに,ケアの質や患者安全にも影響を及ぼしかねません。一方,看護管理者もまた,スタッフを支える立場であると同時に,経営と現場のはざまで葛藤を抱える当事者でもあります。
本特集では,この領域研究の世界的第一人者である米国のシンダ・H・ラシュトン氏の知見を手がかりに,モラル・ディストレスを個人の我慢や傷つきにとどめず,倫理的な実践を支える力──モラル・レジリエンスへとつなげる視点を探ります。対話できる組織文化,倫理的葛藤を言語化する場,チームで判断を振り返る仕組みをどのように育てるか。スタッフが大切にしたい看護を組織として守り,専門職としてのインテグリティを保ちながら働き続けられる職場づくりを展望します。
(編集室註)本特集では,英語用語の訳語について各著者の表現を尊重し,必ずしも統一していません。
| ISSN | 0917-1355 |
|---|---|
| 定価 | 1,870円 (本体1,700円+税) |
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特集 倫理的に健全な組織をつくる──モラル・ディストレス/モラル・レジリエンスと看護管理
【採録】 倫理的に健全な組織とは──モラル・ディストレスとモラル・レジリエンスの視点から
Cynda H. Rushton
【座談会】 道徳的苦悩を抱えた看護職をどう支えるか──シンダ・H・ラシュトン氏と考えるモラル・レジリエンスと看護管理
Cynda H. Rushton/栗原幸江/加納江利子/奥 裕美
スタッフの道徳的苦悩を組織改善につなげる──看護管理者の道徳的感受性と組織的対応
中村充浩
看護師の価値観と行動のギャップをどう支えるか──モラル・ディストレスと倫理的対話
蘆田 薫
国際的かつ多職種的視点から見た集合的モラル・レジリエンス──概念の開発
Janet Delgado/伊東美佐江/亀崎明子/河本恵理/竹之内沙弥香/栗原幸江/大西香代子
■巻頭シリーズ あしたのマネジメントを考えるヒント,このひとに聞く
AI・デジタル技術が拓く看護の未来──少子高齢多死社会を支える看護×工学の共創
福井小紀子/阪口 啓/篠田浩一/松﨑政代/嶋谷圭一
●新連載 人は間違える──その前提に立った時,何をマネジメントするべきか①
「人はなぜ間違えるのか」──その前提を覆す
中島聡子
●データをチカラに──看護の質向上のための電子カルテデータ利活用術⑰
電子カルテからのデータ抽出条件をどう決めるか①
松本聡子/秋山 剛
●画一的でないケアの道筋が,きっと見つかる! “倫理的対話”を育ててみませんか④(最終回)
事例③ 「本人には言わないでほしい」という家族
桐山啓一郎/松岡由起
●これからの臨床現場を支えるために(56)
臨床におけるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)と治療の目標に向けての話し合い(Goals of Care)
岩間恵子
●読んでおきたいビジネス書(64)
『バラバラな世界で共に生きる』──リチャード・ローティの哲学
間杉俊彦






