総合リハビリテーション Vol.50 No.11
2022年 11月号

ISSN 0386-9822
定価 2,530円 (本体2,300円+税)

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 今月のハイライト
  • 収録内容

開く

言語障害のリハビリテーション

 言語障害に対するリハビリテーションは,回復期リハビリテーションにおける失語症や高次脳機能障害,小児病院における小児脳損傷者や療育の現場における神経発達症,進行性の認知症への対応など,子どもから高齢者まで多岐にわたります.
 本特集では,さまざまな分野で言語障害の支援にかかわっている専門家に,言語障害のリハビリテーションの現状と課題を解説していただきました.

失語症の評価と回復期リハビリテーション 沖田 啓子氏ら
 回復期でのリハビリテーションは機能改善が大きくみられる時期であると同時に,退院後の生活を見据えたかかわりを求められる時期でもある.本稿では,失語症と失語症によるコミュニケーションの特徴を踏まえ,回復期リハビリテーション病棟での取り組みについて,データや症例を交えながら,機能面へのアプローチと,退院後を想定した活動・参加,言語環境へのアプローチについて紹介している.

認知コミュニケーション障害の評価と介入 廣實 真弓氏
 高次脳機能障害と併発するコミュニケーション障害は,認知コミュニケーション障害(cognitive communication disorder:CCD)と呼ばれる.CCDの原因は交通事故,転倒,スポーツによる脳しんとう,頭部への殴打,脳血管障害,神経疾患,心停止などである.本稿では医療職,CCDの当事者,家族,および支援者間でCCDの評価や介入に関する情報を共有する目的で,後天性脳損傷によるCCDの評価や介入に役立つと思われる検査や課題,介入例を先行研究や著者の臨床経験をもとに紹介している.

原発性進行性失語 髙木 早希氏ら
 原発性進行性失語(primary progressive aphasia:PPA)の概念は,アルツハイマー病(Alzheimerʼs disease:AD)などの近時記憶障害を主症候とする変性疾患と区別され,言語症状のみが選択的に,他の認知症の症状より先行して進行する臨床症候群である.本稿ではPPAの診断基準と臨床的特徴,鑑別点,言語リハビリテーションアプローチなどについて解説している.

失語症に対するTMS治療とリハビリテーション 原 貴敏氏
 脳卒中後失語症(post stroke aphasia:PSA)に対する経頭蓋磁気刺激療法(transcra-nial magnetic stimulation:TMS)は,ここ10年ほどで多くの論文が報告されている.PSAに対するrTMSは言語療法と併用することで,言語機能の改善を促す可能性が示唆されている.しかしながら,未だ確固たる結論に至っていない部分も多く,本稿では,あくまでも暫定的な内容であるが最新の報告をふまえて解説をしている.

脳損傷後の小児のコミュニケーション障害 今井 裕弥子氏
 小児期に脳損傷によって,その発達が途絶されることはさまざまな困難さに繋がり,学習や社会参加の機会が失われることに繋がりかねない.急性期医療を担う病院では,先天的な言語発達障害を持つ子ども以外にも,脳損傷に起因する後天的な言語・コミュニケーション障害を持つ子どもたちへのリハビリテーション治療を行っている.本稿では,脳損傷後の言語・コミュニケーション障害に関して支援・指導の実際について解説している.

読み書き障害 川崎 聡大氏
 読み書き障害など,学習面の苦手さを表す用語や関連する症候群は,読み書き困難,読み書き障害,学習障害,限局性学習症,ディスレクシア,ディスグラフィアと多岐にわたる.本稿では限局性学習症の多くを占めるディスレクシアの評価と支援を念頭に置きつつも,必ずしもそこに限定せずディスレクシアと非特異的な読み遅延(non-specific reading delay:NSRD)を中核とする読み書き障害について,教育・医療双方の観点に発達的視点を加えて論じている.

開く

医書.jpにて、収録内容の記事単位で購入することも可能です。
価格については医書.jpをご覧ください。

特集 言語障害のリハビリテーション

失語症の評価と回復期リハビリテーション
沖田 啓子,他

認知コミュニケーション障害の評価と介入
廣實 真弓

原発性進行性失語
髙木 早希,他

失語症に対するTMS治療とリハビリテーション
原 貴敏

脳損傷後の小児のコミュニケーション障害
今井 裕弥子

読み書き障害
川崎 聡大


●巻頭言
義足の支給制度について考える
杉原 勝宣

●入門講座
住環境整備の基礎知識 ⑥
子どもの住環境整備──肢体不自由・医療的ケア
西村 顕

●実践講座
神経発達症の診療 ⑤
発達性協調運動症/発達性協調運動障害──DCDの評価・診断
中井 昭夫

●症例報告
亜急性期脳卒中者にBody Weight Supported Walkerを用いた介入により速度性・安定性・協調性が改善した1例
國友 公太,他

●紹介
腹部重錘負荷法における超音波画像を用いた横隔膜筋厚評価の臨床応用
辻 洋文

●第50巻記念 特別連載
「総合リハビリテーション」の50年──印象に残った記事から読み解く ⑩
特集(第40~49巻)
上田 敏

●精神保健福祉に関する支援とサービスの活用 ⑤
精神障害者の就労支援
井出 学

●障害者の就労支援 ④
就労継続支援施設における支援の実際
鈴木 康介

●YouTubeの使えるコンテンツ/アプリの紹介 ④
iPhoneを活用したリハビリテーション
河村 廣幸

●物理療法update ②
電磁波療法II 光線療法──赤外線・レーザー
岡崎 大資

●Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
庄野潤三の『世をへだてて』・2──入院患者の小社会
高橋 正雄

●Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「愛する人に伝える言葉」──患者には余命を宣告されてからも成すべきことがある
二通 諭

●私の3冊
武田 智子

●学会印象記
第59回 日本リハビリテーション医学会学術集会
岡崎 達馬,他

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。