理学療法ジャーナル Vol.56 No.4
2022年 04月号

ISSN 0915-0552
定価 1,980円 (本体1,800円+税)

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 伝統ある国際誌として知られる「Neuropsychological Rehabilitation」は 1991 年に創刊され,神経心理学的症状の評価や発生メカニズムへの言及に加えてそのリハビリテーションがフォーカスされつつあった.その後,神経科学を基盤としたリハビリテーションは今や誰もが知るメインストリームとなり,ニューロリハビリテーションという用語も人口に膾炙することとなった.
 このように比較的短い期間に急速に発展してきたニューロリハビリテーションについて,これまでの知見を整理し,現状の成果を概観し,理学療法の臨床でどのように活用されているか紹介していただいた.

ニューロリハビリテーションと理学療法 金子文成
 ニューロリハビリテーションは,神経学領域のリハビリテーション,すなわちリハビリテーション医療の一領域として端を発したものの,現在では神経科学に基づく検査や治療を包含する Neuroscience‒founded rehabilitationの略であるとする理解がより本質を捉えていると言える.本稿では歴史的経緯を踏まえた用語の定義,神経可塑性,理学療法への展開について解説する.

診断技術の原理と進歩 山田尚基,他
 ニューロリハビリテーションの最終的な目標は,損傷した脳の本来の機能と神経可塑性を誘導することである.その過程では,代償活動・冗長な脳神経ネットワークの使用・行動や認知の変化など,さまざまなパターンの神経可塑性が生じる.このような変化をニューロイメージング技術で測定することは,脳損傷からの回復がいつ,どのようにして起こるのかを理解するうえで非常に重要であり,新たな治療法の開発につながる可能性がある.

臨床に活かすニューロリハビリテーション――Virtual reality 田邉淳平,他
 近年,仮想現実(virtual reality:VR)はリハビリテーションに導入されつつあり,脳卒中片麻痺患者の麻痺肢の改善やバランス機能の向上が報告されている.しかし,臨床においてVRはまだまだ浸透しておらず,今後の活用が期待される.本稿では,VRのなかでも臨床応用しやすい機器を使用した先行研究を概観する.さらに,拡張現実を利用した視覚性運動錯覚の先行研究に触れつつ,臨床での実施方法,筆者が取り組んでいる応用方法も紹介する.

臨床に活かすニューロリハビリテーション――運動麻痺 小針友義,他
 CI療法(Constraint‒induced movement therapy)は脳の可塑的な変化や神経ネットワークの再構築を促すことが明らかにされており,ニューロリハビリテーションの代表的なアプローチの一つである.本稿ではCI 療法を臨床場面で活かす機会を増やすための修正方法について述べるとともに,近年の下肢に対する応用とこれまでの先行研究を紹介し,筆者らの実践例を報告する.

臨床に活かすニューロリハビリテーション――歩行能力低下 荻野智之
 近年,ロボット開発の著しい発展とともに脳卒中や脊髄損傷などの歩行障害に対してロボットリハビリテーションが普及している.亜急性期脳卒中患者に対する体重免荷トレッドミル練習や歩行練習支援ロボットを用いた歩行練習の有効性は確立されつつある.一方,疾患や重症度による違いについて,また最も効果的なロボットや練習頻度,期間などについては明らかとなっておらず,今後,さらなる調査が必要である.

臨床に活かすニューロリハビリテーション――疼痛 壹岐伸弥
 中枢性脳卒中後疼痛に対する体性感覚の処理過程に介入した神経リハビリテーションの科学的根拠は乏しい.一方で,近年はさまざまな病態メカニズムが明らかとなっていることから,神経科学を基盤とした臨床観察と介入による仮説検証が必要となる.今回は,体性感覚の処理過程に介入した複数の神経リハビリテーション手法を,臨床の視点から紹介する.

臨床に活かすニューロリハビリテーション――パーキンソン病 近藤夕騎,他
 パーキンソン病者において,ニューロリハビリテーションを展開するうえで必要な大脳基底核を中心とした神経回路を概説する.また,便宜上,大脳基底核を介した神経回路および大脳基底核を介さない神経回路に分類して,臨床にどのように展開するかを述べる.特に後者について重きを置き,展開方法およびその機序,そして注意点を筆者の私見を交えて説明する.

臨床に活かすニューロリハビリテーション――高次脳機能障害 尾崎新平
 脳卒中後に起こる高次脳機能障害として半側空間無視(unilateral spatial neglect:USN)やpusher現象がある.近年,USNと pusher現象の両方に効果を報告しているリハビリテーション治療として,非侵襲的脳刺激(non‒invasive brain stimulation:NIBS)がある.USNに対する NIBSは,従来のリハビリテーションとの組み合わせにより有効な可能性がある.一方,pusher 現象に対するNIBSの持続効果を示した報告はあるもののまだその数は少なく,今後さらなる検証が必要である.

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ニューロリハビリテーションと理学療法
金子文成

診断技術の原理と進歩
山田尚基,他

臨床に活かすニューロリハビリテーション――Virtual reality
田邉淳平,他

運動麻痺
小針友義,他

歩行能力低下
荻野智之

疼痛
壹岐伸弥

パーキンソン病
近藤夕騎,他

高次脳機能障害
尾崎新平


■Close-up ウィメンズヘルス 産前産後
妊産婦の身体変化とリスク管理
吉田志朗

産前女性への理学療法アプローチ
須永康代

産後女性への理学療法アプローチ
平元奈津子


●とびら
「井の中の蛙」にならないために
三森由香子

●画像評価――何を読み取る? どう活かす?・3
変形性膝関節症――典型的な内側型
森口晃一

●スポーツ外傷・障害の予防④
足関節内反捻挫
岡戸敦男

●理学療法のスタート――こうやってみよう,こう考えていこう・4
・動作介助は介助量が多いつもりで――起居動作能力評価と練習
・「立ちましょう」という前に立てるのか? 歩けるのか? 歩いて戻れるのか?
植野 拓

●症例報告
著明なすくみ足を認めるパーキンソン病患者に対する臨床推論の実践
福本悠樹,他

●ひろば
理学療法士に求められる哲学・倫理学とは
中村壮大,他

●紹介
モンゴルにおける青年海外協力隊としての活動と今後の課題
竹内寛貴,他

●ひろば
童話から学ぶ倫理感覚
奈良 勲

●新連載 My Current Favorite
デジタルヘルスと遠隔リハビリテーション
高橋哲也

●私のターニングポイント
サービス業としての理学療法
稲持裕太

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