総合診療 Vol.36 No.5
2026年 05月号

ISSN 2188-8051
定価 2,860円 (本体2,600円+税)

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「鑑別疾患を知っているかどうか」で変わる神経症状の診察
大木宏一(東京都済生会中央病院 脳神経内科)

 神経疾患の診断や神経診察、そのなかでも特に脳神経系の診察は、非専門の医師にとってはハードルが高いと思われがちです。教科書では体系立って整理されているものの、実臨床の場では症状が非典型であったり、複数の症状が同時に出現したりすることも多く、診察のとっかかりに迷うことも少なくありません。
 一方で、「物が二重に見える」「顔面がしびれる」「うまく飲み込めない」「舌がまわらない」「頭が痛い」といった頭部・顔面の症状を訴える患者さんが、必ずしも神経専門医を受診するとは限らず、一般内科・総合内科あるいは眼科・耳鼻咽喉科を受診する場合も多いのが現状です。そのような場面で、非専門の医師が詳細な神経診察を行い、正確な診断にまで到達することは現実的ではありません。ある程度の鑑別疾患を想定したうえで神経専門医に紹介すべきかどうか、またその緊急性も含め判断ができればよいと考えられます。
 神経診察に基づく局在診断や正確な神経疾患の診断には、神経診察の独特な手法に加え、画像検査、血液検査、神経生理検査などを組み合わせた総合的な評価が必要であり、経験のある神経系専門医の診察が不可欠です。しかしながら、鑑別疾患を想起する段階までであれば、「その鑑別疾患を知っているかどうか」という知識と、簡単な神経診察、そして鑑別疾患を意識した詳細な問診によって、非専門医であっても十分に診断可能です。
 本特集では、頭部・顔面に現れる神経症状の具体例を12脳神経別に整理し、症例提示を行いながら、鑑別疾患を想起するための問診と神経診察、さらにその後の専門医が行う診断までのフローを解説しました。実臨床ではさまざまな症状の組み合わせで来院する患者さんが多く、各論で示した症状が互いにオーバーラップすることも少なくありませんが、そのオーバーラップこそが鑑別疾患を絞る手掛かりとなることも多いと考えられます。本特集の各論を通読することで、全12脳神経の症状の把握と、それに応じた問診・診察を網羅的に会得でき、頭部・顔面の神経症状を主訴として来院される患者さんへの診察に対する“心理的な”ハードルが下がることを願っています。

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価格については医書.jpをご覧ください。

特集 頭部・顔面の神経症状から考える鑑別診断とそのアプローチ
企画:大木宏一

■総論
【鼎談】頭部・顔面の神経症状、どう判断する?──専門医が語る緊急性と紹介のタイミング
山口啓二|荒川千晶|大木宏一(司会)

■各論
①においがわからない
長田高志

②物が見えにくい
久冨木原 健二

③物が二重に見える・瞼が下がる
川添僚也|鈴木重明

④顔がしびれる
大木宏一

⑤口から水が垂れる
南 和志

⑥耳鳴りがする
勝又雅裕|篠田 純

⑦うまく飲み込めない・しゃべりづらい
荒川千晶

⑧首が曲がってしまう
佐藤秀樹

⑨舌がうまく回らない
小堺有史

⑩頭や首が痛い
吉田昌平|関口耕史|滝沢 翼


●Editorial
「鑑別疾患を知っているかどうか」で変わる神経症状の診察
大木宏一

●地域に根ざす泌尿器科医が贈る|新発想! 超プライマリ・ケア目線からの泌尿器疾患診療|5
プライマリ・ケアで尿失禁の診療を上手に行うために
松木孝和

●臨床教育お悩み相談室|どうする!?サロン|29
専攻医がメンタル不調になりまして──つらさを支えるアプローチ
長野広之|佐田竜一|木村武司

●構造式で語る医学|薬物の交差反応や意外な副作用を学ぼう!|17
多種多様な副腎皮質ステロイド
上田剛士

●臨床に役立つ! 東洋医学のパール&ピットフォール|2
【パール】東洋医学の学習に生成AIを活用せよ!
【ピットフォール】中医学? 日本漢方? 何を学んでいるかを認識せよ!
寺澤佳洋|吉野鉄大、他(監修)

●What's your diagnosis?|281
回り回って膿瘍
井本博之|酒見英太(監修)

●アスクレピオスの杖|想い出の診療録|73
寄り添うことの大切さ
望月礼子

●CKD診療の新しい潮流|“腹膜透析”という選択肢|2
【情報提供①】「透析=血液透析」だけでしょうか?──固定観念の形成と腹膜透析の歴史
草島邦夫

●オスラーに学ぶ“平静の心”|医師と医学生に贈ることば|10
臨床知(Clinical Wisdom)
森島祐子|仁木久恵

●投稿
総合診療外来・在宅
体重減少の経過観察中、II型呼吸不全が診断の契機となった筋萎縮性側索硬化症の1例
大道和也|宮崎晋一|山下 良|中西浩隆

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