治療を支える
がん患者の口腔ケア

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化学療法・放射線療法などに伴う副作用が口腔症状として現れると、患者のQOLが低下するだけでなく、がん治療の継続に影響が及ぶこともある。がん治療を支えるためには、観察・早期発見、介入などの口腔ケアが重要である。その役割を期待される看護師に向けた1冊。
編集 一般社団法人 日本口腔ケア学会 学術委員会
編集代表 夏目 長門 / 池上 由美子
発行 2017年02月判型:B5頁:192
ISBN 978-4-260-02439-6
定価 3,740円 (本体3,400円+税)

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 40年程前,鈴木俊夫先生(現一般社団法人日本口腔ケア学会理事長)が口腔ケアの必要性を痛感され,その後,多くの同志とともに口腔ケアについて学び合うため,日本口腔ケア研究会が設立されました。当時はまだ,口腔外科の分野でさえも手術前後に行う重要性について理解が得られにくく,口腔ケアの普及はいばらの道であったといえます。最近になり,ようやく口腔ケアを専門に行う私ども以外の周囲の方にも口腔ケアの有用性が理解されてきましたが,未だ確立されてはおらずその普及はやっと緒についたばかりといえます。
 日本口腔ケア研究会はその後,学術的な発展を主に追求していく一般社団法人 日本口腔ケア学会ならび学会で得られた知識や経験を広く普及させることを主な目的とした日本口腔ケア協会譲渡制限株式会社へと発展的に改組されました。このなかで学会,学術委員会は疾患別,症状別に種々のワーキンググループを構成しております。そのなかでも,がん患者への口腔ケアは最重要テーマの一つであり,長年にわたり多くの方々のご尽力により質の向上が図られて参りました。

 本書『治療を支える がん患者の口腔ケア』は必ず知っていただきたい事項を中心に解説いただけるよう学会が総力をあげ,わが国の最前線で活躍されている先生方に執筆をお願いいたしました。本書が,わが国のがん治療における口腔ケアの質の向上への一助となることを願っております。
 最後に本書を制作するにあたり協力いただいた医学書院の吉田拓也さん,加藤寛之さん,ご指導いただきました先生方に感謝申し上げます。

 2017年1月
 一般社団法人 日本口腔ケア学会
 副理事長,学術委員長 夏目 長門
 担当理事 池上由美子

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第1章 がん患者と口腔トラブル
 1-1 がん患者における口腔内変化
 1-2 口腔ケアの目的(感染・口腔疾患の予防,QOL向上)

第2章 口腔ケアのためのアセスメントとケアプラン
 2-1 口腔アセスメント
 2-2 ケアプランとその評価

第3章 口腔ケアの基本技術
 3-1 口腔ケア用具の選び方・使い方
 3-2 口腔内の清掃と洗浄と義歯の手入れ
 3-3 医療事故防止のポイント
 3-4 セルフケア

第4章 がん患者の口腔ケアのポイント
 4-1 がん患者の口腔症状
口臭
口腔乾燥
流涎
歯肉炎・歯周炎
口内炎
舌苔
口腔カンジダ症
味覚異常
食欲不振
嚥下困難
悪心・嘔吐
 4-2 化学療法に伴う口腔の副作用ケアとその予防
 4-3 放射線療法に伴う口腔の副作用ケアとその予防
 4-4 周術期における口腔ケア
 4-5 在宅療養しているがん患者の口腔ケア─美味しく食べる,食べられる
 4-6 緩和ケアにおける口腔ケア

第5章 多職種連携アプローチ
 5-1 多職種連携システムと役割分担
 5-2 フォローアップ(リコールシステム)
(1)治療終了後のフォローアップ
(2)多職種連携によるフォローアップシステム
(3)地域医療連携
1)関東(日本歯科医師会を含む)
2)宮城

(4)在宅・訪問看護医療連携
(5)社会資源の活用

第6章 口腔ケアチーム
 6-1 口腔ケア認定資格と施設認定

索引

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