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プロメテウス解剖学アトラス 口腔・頭頸部 第2版

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圧倒的な美しさで定評のある『プロメテウス解剖学アトラス(全3巻)』の図版を、歯学とその関連領域の学生向けに精選・編集して1冊にまとめた好評書の改訂版。今版ではより歯学領域に特化して内容構成を再編。発生や神経解剖を大幅に拡充し、口腔・頭頸部以外の全身解剖も追加。また、付録として歯科局所麻酔のための解剖学と理解を深めるQ&Aも収載。歯学生・ST学生のほか、口腔顎顔面領域に携わるすべての医療者へ。
*「プロメテウス/PROMETHEUS/プロメテウス解剖学」は株式会社医学書院の登録商標です。
監訳 坂井 建雄 / 天野 修
発行 2018年10月判型:A4変頁:584
ISBN 978-4-260-03043-4
定価 17,600円 (本体16,000円+税)

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第2版訳者序(坂井建雄,天野 修)/第2版序


第2版訳者序

 21世紀に入って,医療および歯科医療のあり方は大きく変わりつつある.医療技術の進歩とともに,人間の健康と生命をまもる医療と歯科医療に対する社会からの期待と要求はますます大きくなっている.医学・歯学教育においても標準となるモデル・コア・カリキュラムが2001年に策定され,その後も2016年度版まで改訂を加えて,実践的な臨床能力が求められるようになっている.このようななか多くの若者が医師・歯科医師など医療に関わる職種を目指して,専門的な知識と技術を学んでいる.人体の構造と機能について知る解剖学は,医学・歯学を学ぶための最重要の基礎であり,その教材に対するニーズも高まっている.コンピュータによる画像処理や情報技術の発展,さらに画像診断技術の普及を背景に,解剖学の教材も大きく進化し,印象的で理解しやすいものが数多く登場している.そのなかでも,2005年にドイツで出版された『プロメテウス解剖学アトラス』全3冊は,高品質の解剖図と洗練された編集により,圧倒的な迫力と内容をもつ新しい時代の解剖学教材として世界的に高い評価を得てきた.その日本語訳も好評を博し,数多くの読者に迎えられた.

 本書『プロメテウス解剖学アトラス 口腔・頭頸部』の初版は,このプロメテウスのドイツ語版をもとに,歯科学生のためにアメリカで2010年に編集された解剖学アトラスの日本語訳として2012年に出版された.プロメテウスに掲載された高品質の解剖図とわかりやすい見開き構成を活かしながら,頭頸部と口腔領域の解剖学を1冊にまとめ,幸いにも多くの歯科学生に受け入れていただいた.

 今回の第2版では,本文が345頁から525頁へと大幅に増加しているが,これは肉眼解剖に加えて発生学,組織学,神経解剖学を組み込んだアメリカの最近の歯学教育の動向を反映したもので,わが国の歯学教育においても望ましい改訂である.内容の構成においては,頭部,頭部の各部位,頸部それぞれの領域のなかで局所解剖を重視した配列に組み換え,講義と実習で使いやすいものに変更している.内容の追加としては,冒頭に発生学(第1章)を追加したこと,神経解剖の内容を大幅に拡充して頭頸部の神経支配と合体(第4章)させたこと,頭頸部以外の解剖(第15章)を追加したことが挙げられる.さらに巻末に,歯科臨床における局所麻酔のための解剖学(付録A)と,復習のための2種類の自習問題と解答・解説(付録B 演習問題,付録C 臨床問題)を加えている.これにより本書は歯科のみならず,口腔と頭頸部の医療に関わりをもつ学生・医療職の学習に役立つ総合的な解剖学書へと大きく生まれ変わった.

 翻訳にあたっては,プロメテウス3冊本で本書に関連する頁を翻訳いただいた方々および今版から新しく参画いただいた方々に変更箇所の点検と新規箇所の翻訳をお願いし,坂井と天野が全体に目を通して監訳を行った.特に3冊本の『プロメテウス解剖学アトラス』および解剖学用語との整合性,ならびに歯科特有の表現との調整に注意を払った.日本語訳にあたっては瑕疵がないように細心の注意をしたつもりではあるが,至らぬところは監訳者の責である.

 本書『プロメテウス解剖学アトラス 口腔・頭頸部』第2版が初版と同様に多くの歯科学生に行き渡り,よりよい歯科医療者となるべくその基礎となる解剖学の学習に役立てていただけることを願っている.

 訳者を代表して 坂井建雄,天野 修
 2018年9月


第2版序

 本書『プロメテウス解剖学アトラス 口腔・頭頸部』第2版に着手する前に,われわれは現在北米で解剖学がどのように教えられているかを調べることにした.米国歯科教育協会(American Dental Education Association;ADEA)の会員に尋ね,この問題についての一連の報告を収めた“Basic Science Survey Series for Dentistry”を読んだ.明らかになったことは,授業時間が圧縮され,多くの大学ではかつて独立していた教科である発生学,組織学,神経解剖学を解剖学の授業に組み入れたことである.これらの知識を付け加えて,われわれは一巻の教科書・図譜を作りあげ,解剖学教育のすべての形態にわたって歯科学生が必要とするものをカバーしたが,これはこの第2版が達成した大きな功績であると考える.

 初版から保持したいくつかの特徴がある.
・読者にわかりやすいように,見開き構成で特定の話題について完結する手びきとした.
・学習に役立つ直観的な配列にした.各領域の内容は,骨と関節から始まり,それに続いて筋,血管,神経を論じた.その後これらの情報は神経と血管の局所解剖学として統合される.
・大型・カラー・詳細な解剖図に,明確で十分な用語と説明文を加え,さらに多数の模式図によって概念を明確にし,表によって重要な情報を要約して,復習と参照に役立つようにした.
・丸1章を断面解剖学と医用画像にあてて,臨床の場面で出会う解剖学を提示した.

 第2版には2つの新しい章が加わった:「1.頭頸部の発生学」の章で入門的に扱う重要なすべての概念は,歯科学生が知っておく必要があり,後の章で出てくる解剖学的な概念の理解に役立つものである.「15.頭頸部以外の解剖」の章では,上肢,胸部,腹部,骨盤(背部は第11章で頸部とともに扱う)を扱う.さらに歯科学生の必要に合わせるために,神経解剖学の内容を増やした.

 この第2版でわれわれは,素材をより局所的に再編成し,講義教材および解剖実習での必携書としての有用性を強化した.しかしわれわれは,アトラスの冒頭の系統解剖学の部分は保持し,いくつかの話題をより明確に提示して,初学者にとってよい導入となるようにした.

 第2版における他の特筆すべき変更としては,歯科臨床における局所麻酔のための解剖学についての新しい付録があり,これは頭頸部解剖学の重要な応用である.また別の付録として,知識の定着について問う演習問題と,理解と応用について問う臨床問題がある.これらの付録にはすべて解答と解説を付けてある.また400点以上もの新しい解剖図,要約表,歯科に即した臨床関連事項,医用画像,カラー写真を加え,本文,図版,用語は徹底的に更新した.引き続き医学界と歯学界の皆様にご支援いただき,われわれが気を抜かないようどんなことでもお知らせいただければ幸いである.全体として,広く受け入れていただいた初版をもとに,より適切で魅力的なものとして,歯科学生および頭頸部に関心のあるすべての学生にとって,これからの長年にわたる学習に役立つようにした.

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頭部
 1.頭頸部の発生学
 2.頭蓋
 3.頭頸部の血管とリンパ系
 4.頭頸部の神経解剖と神経支配

頭部の各部位
 5.顔面と頭皮
 6.側頭窩と側頭下窩,翼口蓋窩
 7.鼻と鼻腔
 8.口腔と咽頭
 9.眼窩と眼球
 10.耳

頸部
 11.頸部の骨と靱帯,筋
 12.頸部の神経と脈管
 13.喉頭と甲状腺

断面解剖
 14.頭頸部の断面解剖

頭頸部以外の解剖
 15.頭頸部以外の解剖

付録
 付録A 歯科臨床における局所麻酔のための解剖学
 付録B 演習問題と解答・解説
 付録C 臨床問題と解答・解説

和文索引
欧文索引

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歯学領域に携わる者にとって理想的な書籍
書評者: 井出 吉信 (東歯大理事長・学長)
 『プロメテウス解剖学アトラス』3分冊の中から口腔・頭頸部を中心に再編集して解説がなされた本書は,歯学生・歯科医師のみならず多くの領域から頭頸部解剖学の専門書としての支持を受けてきました。図の美しさだけでなく,正確でわかりやすく立体的な理解も得やすいイラストで構成されていることが,多くの読者に受け入れられた理由だと考えます。さらに各章の解説文は長い文章になることなく,要点が簡潔に記載されたものとなっています。例えば筋の付着部,支配神経,作用方向など正確に整理して理解しなければならない点は,表としてその知識が示されており,歯学を学ぶ者にとって理想的な教科書として話題になっていました。

 このたびその『プロメテウス解剖学アトラス 口腔・頭頸部』が,さらに歯学領域に特化した形で改訂され,第2版として刊行されました。今回の改訂では頭頸部の発生学や神経解剖学,そして口腔・頭頸部以外の全身解剖について大幅に拡充されています。また,歯科臨床における局所麻酔のための解剖学に関する解説が付録Aとして巻末に加わりました。ここでは実際の局所麻酔を施している写真の横に,生体内部のイラストを配置されるなど,麻酔の奏効範囲を理解するために十分な組み立てがなされています。すなわち,臨床的な視点を持って解剖学を学んでいくことができる工夫がなされています。この構成は,これまでの系統解剖学に重点を置いた教科書にはないもので,局所解剖学の重要性を読者に理解させたいという著者の思いが溢れた斬新な内容となっています。さらに付録Bでは,正確な知識として理解すべき各章の重要ポイントが5択の問題形式となって出題されています。これらの問題を反復学習し,再度各章に戻って解説を読むことにより,読者の中の知識が定着していくように工夫されています。最後の付録Cでは,さまざまな臨床の場面を想定した記述問題が65題出題されています。まだ臨床の経験のない読者であってもその問題の解説文を読むことで,解剖学を学ぶことの重要性について知ることができ,読者自身が将来臨床を行っていく上で解剖学が絶対に必要な知識であるという認識が生まれることでしょう。

 最後になりますが,本書は歯学領域を学ぶ者だけでなく歯科臨床に携わる者,さらには歯学を教育する者にとって,理解すべき・理解させるべき点を整理するための理想的な書籍であり,本書を手に取った全ての読者の大切な座右の書となると確信しています。

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