見える! 作業療法
イラストで巡るOTの世界
イラストで見える。だから、わかる。作業療法がもっと好きになる。
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「作業療法を学びたい。でも、どこから手を付ければいいんだろう?」そんな若手作業療法士や学生のための、作業療法が“見える”入門書。「作業」とは何か、作業療法の目的から評価・目標設定・介入、身につけたい技能まで、その「核」をイラスト中心の見開き構成で楽しく、直感的に解説します。難しく感じる理論や概念も、まずその輪郭から。ページをめくるほど「もっと知りたい」が広がり、作業療法がきっと好きになる1冊です。
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序文
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はじめに
数年前,X(旧Twitter)を眺めていたときのことです.作業療法にとって大切でありながら,決して簡単とはいえない概念を,インフォグラフィックのような形で発信している作業療法士をみつけました.それが,本書を一緒につくることになる岩井佑樹氏でした.
言葉を練り上げて説明するのではなく,一枚の絵と,最低限の説明によって概念の輪郭を浮かび上がらせる.難しいことを難しいまま伝えるのではなく,その本質をできるだけ損なわず,視覚的かつ直感的に届ける.そこには,これまで私がつくってきた本とは違う,作業療法の伝え方の可能性があるように感じました.
そこで,これまで何冊もの本を一緒につくってきた医学書院の北條立人氏に,「おもしろい人がいるんだけど」と声をかけました.北條氏も岩井氏の発信の持つ可能性に共感してくれました.
その後,2023年の日本作業療法学会(沖縄)の会場で3人が集い,キックオフミーティングを行いました.あの日からずいぶん時間が経ちました.オンラインで話し,直接会って話し,描いては考え,考えてはまた話す.そんな往復を何度も繰り返しながら,少しずつ形になっていったものが,本書『見える! 作業療法』です.
もともと岩井氏が発信を始めた背景には,自分の職場の新人教育があったと聞いています.その意味でも,本書をまず手に取ってほしいのは,作業療法士になったばかりの人たちや,これから作業療法士になる人たちです.
難しいことを,難しい言葉のまま説明することは,それほど難しくありません.けれど,大切なものを失わずに,シンプルに伝えることは,実はとても難しい.本書では,その難しさに正面から向き合ったつもりです.だからこそ,新人さんにも,学生さんにも,そして長く臨床を続けてきた人にも,それぞれ違ったものが「見える」本になったのではないかと思っています.
私たちは作業療法士である以上,目の前の対象者が,作業的存在としてよりよい人生を歩んでいくための環境因子でいなければなりません.しかし,知識や技術,組織の仕組み,時間,人員,他職種との関係,これまで培われてきた文化など,臨床現場にはさまざまな現実があり,そのなかで「自分が理想とする作業療法ができない」と壁を感じることもあるでしょう.それでも,私たちは作業療法士として対象者の隣を歩いていく.
力任せに壁を壊すのではなく,理想を手放してしまうのでもなく,目の前の状況を見つめながら,できることを探し,少しずつ実践につなげていく.そんな道程の小さな道標として,本書が役に立ってくれたらと願っています.
最後に,SNS上で突然声をかけた私の誘いに乗り,長い時間をかけてこの本を一緒につくってくれた岩井氏に心から感謝申し上げます.そして,いつも私の「こんな本をつくれないだろうか」という,ときに無理難題ともいえる思いつきを受け止め,それを形にしてくれる医学書院の北條氏に,あらためて深く感謝申し上げます.
あの日,スマホの画面で偶然目にした一枚の絵が私たちをつなぎ,こうして一冊の本になりました.この本が今度は,読者のみなさんと作業療法を,そして,みなさんと対象者とをつなぐ一冊になることを願っています.
2026年9月
編集 齋藤佑樹
目次
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1 作業療法士ってどんな仕事?
01 私たちはいつも作業をしている
02 いろいろな原因で作業に問題が生じる
03 作業の問題の種類
04 作業療法士:作業の問題を解決する専門家
第1章のまとめ
2 対象者を知る ─作業療法評価─
05 作業療法って何をするの?
06 評価って何をするの?① ─面接評価─
07 [事例] まずは面接をする
08 評価って何をするの?② ─観察評価─
09 [事例] 面接で共有した作業を観察する
10 評価って何をするの?③ ─検査・測定─
11 [事例] 作業がうまくできない原因を調べる
12 評価って何をするの?④ ─その他の情報収集─
13 [事例] 支援に必要な情報を収集する
14 評価って何をするの?⑤ ─作業機能障害の種類で考える─
15 評価はどの順番で進めるの?① ─トップダウン・アプローチ─
16 評価はどの順番で進めるの?② ─ボトムアップ・アプローチ─
17 評価はどの順番で進めるの?③ ─状況と目的に応じてトップダウンとボトムアップを行き来する─
第2章のまとめ
3 評価の結果を踏まえて何をするか考える ─クリニカル・リーズニング─
18 クリニカル・リーズニングって何をするの?① ─科学的リーズニング─
19 [事例] エビデンスを基に支援を考える
20 クリニカル・リーズニングって何をするの?② ─叙述的リーズニング─
21 [事例] その人らしい作業療法を考える
22 クリニカル・リーズニングって何をするの?③ ─実際的リーズニング─
23 [事例] 実践可能な介入方法を考える
24 クリニカル・リーズニングって何をするの?④ ─倫理的リーズニング─
25 [事例] 今何をすべきかを考える
26 クリニカル・リーズニングって何をするの?⑤ ─すべての情報を統合して考える─
27 クリニカル・リーズニングっていつ行うの?
第3章のまとめ
4 ゴールを決める ─目標設定─
28 目標にはどんな種類があるの? ─長期目標と短期目標─
29 目標はだれが決めるの?
30 目標はどうやって決めるの?① ─長期目標─
31 [事例] どんな生活を送りたいか一緒に考える
32 目標はどうやって決めるの?② ─短期目標─
33 [事例] 具体的に取り組むべき課題を考える
34 目標はどうやって決めるの?③ ─共有し続ける─
第4章のまとめ
5 ゴールを目指して協働する ─作業療法介入─
35 どんなことをするの?① ─作業遂行の改善を目指す─
36 どんなことをするの?② ─作業の目的的利用─
37 [事例] 目標とする作業自体を練習する
38 どんなことをするの?③ ─作業の手段的利用─
39 [事例] 時には目標と直接関係のない作業を提供する
40 どんなことをするの?④ ─環境調整─
41 [事例] 目標達成に向けて環境調整を行う
42 どんなことを大切にしているの?① ─興味・関心に働きかける─
43 どんなことを大切にしているの?② ─難易度を調整する─
44 どんなことを大切にしているの?③ ─生活時間のなかで作業を考える─
45 どんなことを大切にしているの?④ ─緊急度・重要度を考える─
46 どんなことを大切にしているの?⑤ ─習慣化できるように調整する─
47 どんなことを大切にしているの?⑥ ─自己の治療的利用─
第5章のまとめ
6 変化を確認する ─効果判定─
48 どうやって確認するの?① ─作業療法の効果とは?─
49 どうやって確認するの?② ─遂行度─
50 [事例] 作業の遂行度を確認する
51 どうやって確認するの?③ ─満足度─
52 [事例] 作業の満足度を確認する
53 どうやって確認するの?④ ─所属する場で求められる成果の確認─
54 [事例] 所属先で求められる成果を確認する
第6章のまとめ
7 作業の視点で世界を見る
55 本書で伝えてきたこと
56 作業療法の広がりと,あなたが立っている入口
57 本書を手に取ってくれたあなたへ
Extra
MORE!
① 作業の理解を深める ─作業の3つの側面について─
② 人を作業的存在として理解する
③ リーズニングを磨くための方法 ─作業療法理論を学ぼう─
④ SDMによる目標設定 ─意思決定のプロセスを理解する─
⑤ 作業療法士に必要な技能10
⑥ 作業療法で生活は変化したか ─「できる」よりも「している」─
Column
① 魔法の言葉よりも「実感」を
② 測るのではなく理解する
③ 最初に答えが必要
④ 一緒に決める
⑤ 作業は目の前にある
⑥ 目的を忘れない
LINK!
あとがき
索引




