こどもの整形外科疾患の診かた[Web動画付] 第3版
診断・治療から患者家族への説明まで
好評の小児整形外科診療本! 日常外来で遭遇する68疾患について解説。Web動画付
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一般整形外科医や若手医師、研修医が日常外来で遭遇する小児の整形外科疾患の診かたについて、患者家族からよく寄せられる質問に対する模範回答例をはじめ、専門医への受け渡しのタイミングを含めた診断・治療の流れをフローチャートも用いて初学者向けにわかりやすく解説して好評を得た書籍の改訂第3版。今版では最新情報へのアップデートに加え、さらに幅広い疾患に対応できるよう68もの小児の整形外科疾患を取り上げている。
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序文
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第3版の序
本書の初版は2011年12月,第2版は2019年5月に発刊され,以来6年が経過しました.
近年の医学分野は日進月歩であり,小児整形外科分野においてもこの6年間での診断・治療における進歩は広い領域において明らかです.他の分野と比べ小児領域では人工物や新薬の使用には大きな制限があり,思い切った革新的手法を即時に取り入れることは困難で,そのためには多くの時間と労力を要します.しかし,そのなかにあっても既存の画像診断技術を進歩させたり,手術法の工夫はなされています.特に超音波検査の進歩は小児において無侵襲かつ再現性の高い手法であり,多くの小児整形外科疾患に応用されています.また,最近の遺伝子組み換え技術により難治性とされていたいくつかの疾患に対する治療薬も開発されています.この第3版では,それらをできるだけ多く紹介することとしました.加えて,疾患に特徴的な歩容や動的な検査所見については,動画の視聴を可能としました.対象疾患については,疾患カテゴリーを一部変更したうえで新たに4疾患を加え全68疾患としました.
初版の発行にあたっては,千葉大学同門と千葉県こども病院に在籍されていた先生方に多くのご協力をいただきました.また,第2版では小児整形外科の聖書とも言われる“Tachdjian's Pediatric Orthopaedics”に準えて,書籍の帯に「亀ジャン2nd edition」として名誉なキャッチコピーをいただきました.今回が3rd editionとなりますが,今版が研修医から勤務医・開業医に至る多くの先生方にとって,小児を診るうえでより頼りになる指針となることを切に願います.
今回の改訂は,私にとって最後の書籍編集の仕事になると思います.小児整形外科医を志して以来あっという間に40年余りが過ぎてしまいました.その間,自分なりに小児整形外科の広さと複雑さに挑戦してきたつもりですが,いまだに日々の診察のなかで感じる不安や新たな発見との遭遇に,改めて小児整形外科の深さと難しさを感じています.第3版においても,引き続き多くの先生方にご協力をいただき完成することができました.日常診療において常に机の片隅に置いていただき,少しでも小児診療における先生方の不安や疑問の解消の手段として利用していただければ幸甚です.
2025年4月
千葉こどもとおとなの整形外科
亀ヶ谷真琴
目次
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こどもを診るために──小児整形外科概論──
A 下肢にみられる疾患
1 先天性内反足
2 発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)
3 ペルテス病
4 先天性膝関節脱臼
5 単純性股関節炎
6 先天性下肢奇形(脚長差)
7 大腿骨頭すべり症
8 外反扁平足
9 特発性つま先歩行
10 化膿性股関節炎
11 片側肥大症(脚長差)
12 先天性下腿偽関節症
13 反張膝
14 先天性内転足
15 下肢骨髄炎(特に急性骨髄炎)
16 足根骨癒合症
17 脚長不等症(片側肥大症,先天奇形以外)
18 ブラント病
B 上肢にみられる疾患
19 先天性上肢障害(上肢奇形)
20 上腕骨顆上骨折
21 上腕骨外側顆骨折
22 モンテジア骨折(陳旧例を含む)
23 肘内障
24 分娩麻痺
25 橈尺骨癒合症
26 強剛母指,先天性握り母指症,スプレンゲル変形
C 体幹にみられる疾患
27 筋性斜頚
28 環軸関節回旋位固定(外傷性斜頚,炎症性斜頚)
29 脊柱側弯症
30 腰椎分離症
31 上位頚椎不安定症
32 胸郭不全症候群
33 漏斗胸,鳩胸
D スポーツ障害
34 オスグッド・シュラッター病
35 疲労骨折
36 半月板損傷
37 野球肘,野球肩
38 離断性骨軟骨炎
39 骨盤剥離骨折(上前腸骨棘,下前腸骨棘,坐骨結節),筋腱付着部炎
E 成長に伴う問題
40 成長痛
41 内股歩行
42 生理的O・X脚
43 骨端症
F 腫瘍性疾患
44 骨囊腫(単純性骨囊腫)
45 類骨骨腫
46 好酸球性肉芽腫(ランゲルハンス細胞組織球症)
47 骨肉腫
48 ユーイング肉腫
49 線維性骨異形成
50 片肢性骨端異形成症
51 オリエール病
G 全身性疾患
筋・神経疾患
52 二分脊椎
53 筋ジストロフィー
54 シャルコー・マリー・トゥース病
55 脊髄性筋萎縮症
56 脳性麻痺
骨系統疾患
57 骨形成不全症
58 軟骨無形成症
59 多発性軟骨性外骨腫症
骨代謝性疾患
60 くる病(ビタミンD欠乏性,依存性,抵抗性など)
61 低ホスファターゼ症
炎症性疾患
62 若年性特発性関節炎
63 慢性再発性多発性骨髄炎
血液疾患
64 血友病
65 血液腫瘍(小児白血病,リンパ腫)
その他の疾患
66 多発性関節拘縮症
67 ダウン症候群
68 被虐待児症候群(身体的虐待)
索引