運動学 第2版

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理学療法・作業療法における重要な基礎学問である運動学。2012年に発行された標準シリーズの初版を13年ぶりに大改訂し、初学者でもイメージがしやすいようイラストを中心とした誌面構成に大幅な刷新を行った。国家試験出題基準をベースに、学生が運動学で学ぶべき事項を抽出。要点を箇条書きとし、図や表を組み合わせてさらに理解しやすいよう工夫した。運動学で躓かない、躓かせない、新しい教科書誕生!

*「標準理学療法学・作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野
編集 福井 勉 / 加藤 浩 / 対馬 栄輝
発行 2025年12月判型:B5頁:336
ISBN 978-4-260-06011-0
定価 5,500円 (本体5,000円+税)

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第2版の序

 本書の初版刊行から,13年余が経過しました.この間,医療技術の進展や社会の変化に伴い,理学療法の役割や教育内容もかなり変化してきました.こうした背景も踏まえて,今版では,理学療法の最新の知見と教育現場のニーズに即した内容へと全面的な見直しを行いました.本書は,理学療法・作業療法の基礎科目のなかでも最も重要とされる「運動学」について解説する教科書です.運動学は,身体の構造と機能,動作のメカニズムを理解するための根幹をなす分野であり,理学療法士・作業療法士としての臨床判断や介入の質を左右するきわめて重要な知識体系の1つです.主に運動学の基本原理を体系的に整理し,学生が確かな基盤を築けるよう,本書ではさまざまな配慮をしています.
 第2版の最大の特徴は,図表の多用による視覚的な理解の促進です.骨格や関節の構造,筋の作用,動作分析など,運動学における複雑な概念を,できるだけ具体的かつ直感的にとらえられるよう,図解・フローチャート・統計グラフなどを豊富に盛り込みました.特にカラー図の導入により,構造や動作の理解が深まり,臨床場面をイメージしやすくなることを期待しています.また,学生を主な読者層とする教科書であることから,全体のボリュームにも配慮しました.限られた授業時間や自習の負荷を考慮し,必要な知識をコンパクトにまとめつつ,要点を明確に示す構成としています.理学療法士・作業療法士としての基礎力を養うために,重要な項目を厳選し,実践的な視点を重視しました.
 また,今回の改訂では編集・執筆体制を刷新し,臨床経験と研究実績を兼ね備えた意欲的な理学療法士を中心に執筆陣を編成して,現代的な感覚と柔軟な発想を反映させています.重要な項目については,各章で同一内容を繰り返し記述している部分もあり,異なる視点からの解釈が示されている場合もありますが,それは本書の大きな意義の1つです.理学療法学・作業療法学は多様な患者背景と症状に対応する学問であり,複数からの視点に触れることで,読者自身が思考を深め,より広い臨床的視野を獲得することに期待しています.
 学習には「積み上げ」と「繰り返し」の両方が不可欠です.運動学の理解には,個々の知識を段階的に積み重ねることに加え,全体像を何度も俯瞰することが重要です.ぜひ休日などのまとまった時間を活用し,本書を通読する機会をもってください.章ごとの知識をつなぎ合わせることで,運動学の体系的な理解が深まり,臨床での応用力にもつながるはずです.
 最後に,本書の改訂にあたり,ご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げるとともに,本書が今後の学びと臨床実践の一助となることを願っております.

 2025年10月
 編者代表 福井 勉

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序章 理学療法・作業療法と運動学の関連性
  A 理学療法・作業療法と運動学
  B 理学療法・作業療法と運動学の学問的接点
  C 運動学と人工知能とのかかわりについて
  D 新しい時代の「運動学」を目指して

第1章 運動学とは
  A 本書における運動学の位置づけ
  B Life is motion

第2章 生体力学の基礎
  A 運動学と運動力学
  B 運動学の基礎
  C 並進運動と回転運動
  D 運動力学の基礎
  E 運動とエネルギー
  F 回転運動と力のつりあい
  G 理学・作業療法との関連事項

第3章 運動に関連した生体の構造と機能
 I 運動器の構造と機能
  A 骨の構造と機能
  B 関節の構造と機能
  C 筋の構造と機能
  D 理学・作業療法との関連事項
 II 神経系の構造と機能
  A 構造と機能
  B 反射運動
  C 神経系と随意運動
  D 理学・作業療法との関連事項

第4章 四肢・体幹の運動
 I 上肢の運動
  A 上肢の運動の特徴
  B 肩複合体
  C 肘関節と前腕
  D 手関節
  E 手,指
  F 理学・作業療法との関連事項
 II 下肢の運動
  A 下肢の構成
  B 股関節の運動
  C 膝関節の運動
  D 足関節および足部の運動
  E 下肢の運動連鎖
  F 下肢筋と運動連鎖の関係
  G 理学・作業療法との関連事項
 III 体幹の運動(呼吸を含む)
  A 脊柱の運動
  B 頸椎と頸部の運動
  C 胸椎と胸郭の運動
  D 腰椎と腰部の運動
  E 骨盤の構造と仙腸関節の運動
  F 理学・作業療法との関連事項
 IV 頭部の運動(顔面,咀嚼,嚥下を含む)
  A 顔面の運動
  B 咀嚼運動
  C 嚥下運動
  D 理学・作業療法との関連事項

第5章 姿勢
  A 姿勢とは
  B 姿勢の分類と表記
  C 静的姿勢
  D 姿勢の保持機構
  E 体格と体型
  F 最適姿勢と姿勢評価
  G 理学・作業療法との関連事項

第6章 歩行
  A 歩行とは
  B 歩行周期と距離時間因子
  C 歩行の運動学
  D 歩行の運動力学
  E 歩行の筋電図
  F 歩行のエネルギー論と最適歩行
  G 歩行の開始と停止
  H 走行
  I 理学・作業療法との関連事項

第7章 運動の発達
 I 中枢神経系の発達と運動発達の理論的背景
  A 脳の成熟と運動発達
  B 運動発達の理論的背景
 II 姿勢反射と姿勢・動作の発達
  A 姿勢反射
  B 姿勢と動作
  C 理学・作業療法との関連事項

第8章 運動の学習
  A 運動学習とは
  B 学習と記憶
  C 運動学習理論の歴史的展開
  D スキーマ理論概論
  E 生態学的アプローチ概論
  F 運動学習の臨床展開
  G 運動学習のデザイン
  H 理学・作業療法との関連事項

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