標準形成外科学 第8版

もっと見る

本書は、医学生が知っておくべき形成外科学の基本的事項をコンパクトに解説したスタンダードテキストである。今版では「形成外科の院内での役割と他科との関わり」と「陰圧閉鎖療法」の2項目を新設し、近年の臨床現場に合わせて最新の知見も取り入れた。また図や写真も多く、全面フルカラーにより、初学者にとって親しみやすい誌面となっている。言語聴覚士養成校における「形成外科学」のテキストとしても定評のある1冊である。

シリーズ 標準医学
監修 鈴木 茂彦
編集 岡崎 睦 / 森本 尚樹
発行 2025年02月判型:B5頁:272
ISBN 978-4-260-05764-6
定価 6,600円 (本体6,000円+税)

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 序文
  • 目次

開く

第8版 序

 形成外科は体表面の先天的後天的変形,欠損などを修復し,機能的,形態的回復を行うことで,個人のQOLを高めることをめざす診療科である.その歴史は極めて古く4,000年以上前にさかのぼることができるが,名称が確立され体系化されたのは19世紀後半である.欧米では第一次世界大戦を経て形成外科が世間で認識されるようになったが,日本では第二次世界大戦後にようやく認識され始め,1958年に日本形成外科学会が設立された.形成外科が標榜できる診療科として認められた1975年に,鬼塚卓彌先生の編集で医学生や初学者向けの初めての形成外科教科書として「標準形成外科学」の第1版が刊行された.
 このころからマイクロサージャリーやクラニオフェイシャル・サージャリー,骨延長法,ティッシュエキスパンダー法,レーザー治療など先進的な技術が導入され,形成外科の飛躍的進歩が始まった.さらに基礎的研究も進められるようになり,再生医療については黎明期から先陣を切って研究が始められ,早くから臨床応用が行われた.21世紀に入ってからもコンピューターを応用した手術,創傷治療にかかわる新たな医療技術の開発など,さらなる発展が続いている.
 美容外科は,再建外科と両輪となる形成外科の主な領域である.近年,新たなレーザー機器の開発など,美容外科領域における進歩発展も著しい.
 本書はこのような形成外科の日進月歩に対応して改訂を続けてきたが,初版刊行後50年の節目となる今般,第8版を刊行することになった.今回の改訂にあたっては,形成外科の進歩と社会の医療需要の変化に伴う内容更新を行うとともに,新専門医制度下の基本診療科である形成外科において医学生が知っておくべき基本的事項を精選することを心がけた.最新の情報を加えつつ,美容外科を含めた形成外科全領域を網羅し,医学生および形成外科の基礎知識を学びたいすべての皆様に役立つ教科書をめざしている.目覚ましい進歩を成し遂げてきた形成外科も成熟期に入ったといえるが,新たな飛躍をもたらしてくれる読者が生まれることを願っている.
 本書第4版までは鬼塚先生,第4,5版は秦維郎先生と野崎幹弘先生に監修・編集いただき,第5版から平林慎一先生と私が編集に加わらせていただいた.第7版は平林先生が監修をされ岡崎睦先生に編集に加わっていただき,今版では森本尚樹先生にも加わっていただいた.執筆は全国の医科系大学で形成外科を教育されている先生方にお願いした.今版にご執筆いただいた先生方,第7版までに出版にかかわっていただいた先生方に厚く御礼申し上げる.

 2024年11月
 鈴木茂彦

開く

第I編 総論
 第1章 形成外科総論
  A 形成外科の概念
  B 形成外科と形態学
  C 形成外科患者の精神病理と患者対応
  D 損傷・創傷治癒
  E 形成外科の院内での役割と他科とのかかわり
 第2章 形成手術手技
  A 皮膚外科基本手技
  B 皮膚表面形成術
  C マイクロサージャリー
  D 組織移植術
  E ティッシュエキスパンダー法(組織拡張法)
  F クラニオフェイシャル・サージャリー(頭蓋顔面外科)
  G 組織工学と再生医療
  H 陰圧閉鎖療法(NPWT)

第II編 先天性疾患
 第3章 先天異常
  A 先天異常概論
  B 皮膚(母斑・母斑症)
  C 血管腫・血管奇形・リンパ管腫
  D 頭蓋・顔面
  E 眼瞼
  F 耳介
  G 口唇・口蓋
  H 頚部
  I 躯幹
  J 四肢

第III編 後天性疾患
 第4章 外傷
  A 損傷および創傷
  B 熱傷
  C その他の外傷
 第5章 皮膚および皮下疾患
  A 皮膚皮下腫瘍
  B 瘢痕とケロイド
  C 脈管系疾患
  D リンパ浮腫
  E 炎症性疾患・感染症
 第6章 難治性潰瘍・変性疾患・膠原病
  A 難治性潰瘍
  B 褥瘡
  C 糖尿病性足潰瘍
  D 膠原病・変性疾患
  E 後天性眼瞼下垂・その他の眼瞼疾患
 第7章 再建外科
  A 頭頚部
  B 顔面神経麻痺
  C 躯幹
  D 乳房
  E 殿部・陰部
  F 性別不合(性同一性障害)の外科治療
  G 四肢

第IV編 美容外科
 第8章 美容外科
  A 皮膚の美容外科
  B 顔面の美容外科
  C 躯幹,四肢の美容外科

和文索引
欧文索引

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。