膝MRI 第4版

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わが国の膝MRIのトップランナーによる定番テキストの改訂第4版。前版刊行から8年が過ぎ、症例の蓄積がさらに進んだ。新出疾患を多数収載したうえで、MRIの高性能化に伴う、臨床上有益かつ高画質の画像を新たに約400枚追加した。好評のコラムもさらに充実し、臨床上の有益性が増している。

新津 守
発行 2026年04月判型:B5頁:344
ISBN 978-4-260-06484-2
定価 7,700円 (本体7,000円+税)

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第4版の序 Preface to the 4th edition

 本書は多くの方のご尽力により,初版(2002年,160ページ),第2版(2009年,217ページ),第3版(2018年,323ページ)を発行でき,海外では英語版(Springer,2012年),中国語版(人民軍医出版,2012年),韓国語版(Shmed,2024年)と翻訳発刊された.
 今回の主な追加・改訂点は,①症例・画像と文献を大幅に取り入れ,増加した画像を格納するために余白を可能な限り圧縮した.②新たな疾患の紹介として,膝窩筋損傷,fabella症候群(第6章),バケツ柄断裂の「6の字または∂(デル)の字サイン」,MMPRT,ramp lesion(第7章),軟骨損傷をOAに統合(第10章),suprapatellar fat padの分類とその疾患(第11章),血友病性関節症(第11章)などである.
 膝MRIにのめり込む契機となったのは,学位論文テーマを模索中の1988年,筑波大学にMRIが導入された時.人手不足から,MRI操作から撮像(当然読影も),会計そして保守管理の一切をひとりで任され,ほぼ一日中MR室に詰めていた頃.「膝を動かしながら撮影したらどうなるか」との発想で開始した膝関節のシネMRIであった.
 これで無事に学位を取得,その過程で膝MRIに興味が深まり,ACL描出能向上のため「膝を少し曲げて撮像する」ことは広く普及できたと思う(Niitsu M, et al: Knee extension and flexion:MR delineation of normal and torn anterior cruciate ligaments. J Comput Assist Tomogr 1996;20:322-327).
 今回も池田耕太郎院長をはじめとするいちはら病院・整形外科の先生方に大変お世話になった.MRI画像に関してはメディカルスキャニング・針生武瑠技師にご助力いただいた.出版にあたっては今回も医学書院・大橋尚彦氏にお世話になった.ここに改めてお礼申し上げます.
 初版の時は筑波大学,第2版は首都大学東京(現東京都立大学),第3版は埼玉医科大学,そして現在は東京医科大学の客員とメディカルスキャニングに籍をおいている.将来,第5版が出版できるとしたら,どこで何をしているのだろうか.私のライフワークとして『膝MRI』にこれからも末永くお付き合いいただければ幸いです.

 2026 年早春 明治通りの喧騒を窓越しに聞く恵比寿にて
 新津 守

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第1章 膝の解剖
 1-1 矢状断画像
 1-2 冠状断画像
 1-3 横断画像

第2章 MRI撮像法
 2-1 膝の固定方法:膝をコイル内で曲げる
 2-2 矢状断像の設定
 2-3 T1強調と fast spin echo法を用いたプロトン強調画像
 2-4 Magic angle effect
 2-5 Gradient echo法(T2強調画像)の注意点
 2-6 ACLに沿った斜冠状断像
 2-7 脂肪抑制法

第3章 前十字靱帯
 3-1 解剖
 3-2 健常前十字靱帯のMRI所見
 3-3 前十字靱帯断裂の特徴
 3-4 前十字靱帯完全断裂
 3-5 診断が難しい前十字靱帯部分断裂
 3-6 前十字靱帯急性断裂
 3-7 前十字靱帯急性断裂に伴う断片による伸展障害
 3-8 前十字靱帯陳旧性断裂
 3-9 前十字靱帯の変性
 3-10 前十字靱帯断裂の二次的所見
 3-11 脛骨顆間隆起骨折
 3-12 前十字靱帯再建術
 3-13 再建靱帯の再断裂と合併症
 3-14 膝蓋下脂肪体の関節鏡後の変化
 3-15 断裂前十字靱帯の保存療法

第4章 後十字靱帯
 4-1 解剖
 4-2 後十字靱帯断裂
 4-3 後十字靱帯断裂のMRI所見

第5章 内側側副靱帯を含む内側支持組織
 5-1 解剖
 5-2 内側側副靱帯断裂
 5-3 鵞足と鵞足包炎,膝内側の滑液包
 5-4 半膜様筋腱
 5-5 Stieda陰影(Pellegrini-Stieda病)

第6章 外側側副靱帯を含む外側支持組織
 6-1 解剖
 6-2 外側側副靱帯断裂
 6-3 腓骨頭裂離骨折と大腿二頭筋損傷
 6-4 Segond骨折
 6-5 Gerdy結節裂離骨折,Gerdy結節炎
 6-6 腸脛靱帯炎
 6-7 腸脛靱帯包と膝外側の滑液包
 6-8 膝窩筋・膝窩筋腱損傷
 6-9 Fabellaとfabella症候群

第7章 半月板
 7-1 解剖
 7-2 内側半月板と外側半月板
 7-3 半月板のMRI描出
 7-4 半月板断裂
 7-5 バケツ柄断裂
 7-6 MMEとMMPRT,高齢者の半月板病変
 7-7 半月板辺縁部断裂と半月板関節包分離およびramp lesion
 7-8 円板状半月
 7-9 半月板石灰化/半月板小骨/ガス発生
 7-10 半月板術後のMRI所見
 7-11 半月板病変のピットフォール

第8章 骨折と脱臼,筋損傷
 8-1 脛骨高原骨折
 8-2 膝蓋骨骨折
 8-3 膝蓋腱断裂,膝蓋骨高位と膝蓋腱炎,ジャンパー膝
 8-4 膝蓋骨脱臼(反復性と外傷性)
 8-5 離断性骨軟骨損傷
 8-6 外傷性膝関節血症
 8-7 ストレス骨折,疲労骨折
 8-8 骨挫傷
 8-9 筋腱損傷

第9章 若年者の膝
 9-1 大腿骨遠位皮質骨不整
 9-2 大腿骨顆部不整
 9-3 Focal periphyseal edema(FOPE)
 9-4 有痛性分裂膝蓋骨
 9-5 膝蓋骨背側(骨化)欠損
 9-6 Osgood-Schlatter病
 9-7 Sinding-Larsen-Johansson病
 9-8 Blount病
 9-9 先天性前十字靱帯欠損症

第10章 軟骨損傷と変性・壊死
 10-1 軟骨損傷
 10-2 変形性関節症
 10-3 人工膝関節形成術
 10-4 軟骨下脆弱性骨折(特発性骨壊死)
 10-5 骨髄の再転換

第11章 滑膜病変と脂肪体,タナ障害
 11-1 関節リウマチ
 11-2 腱滑膜巨細胞腫(色素性絨毛結節性滑膜炎)
 11-3 滑膜骨軟骨腫症
 11-4 滑膜血管腫を含む関節内外の血管原性腫瘍
 11-5 樹枝状脂肪腫
 11-6 Hoffa症候群を含む膝前部の脂肪体病変
 11-7 アミロイド関節症
 11-8 血友病性関節症
 11-9 滑膜ヒダ(タナ)障害
  11-9A 膝蓋上ヒダ
  11-9B 内側滑膜ヒダ
  11-9C 膝蓋下ヒダ

第12章 膝内外の液体貯留腔
 12-1 関節内ガングリオン
 12-2 半月板囊胞
 12-3 ベーカー囊胞(膝窩囊胞)
 12-4 後方関節包
 12-5 滑液包と滑液包炎
  12-5A 膝蓋前滑液包
  12-5B 浅膝蓋下滑液包
  12-5C 深膝蓋下滑液包
  12-5D 脛骨前滑液包
  12-5E Morel-Lavallée lesion
  12-5F Prepatellar fibrosis
 12-6 膝関節周囲のガングリオン

索引
 欧文索引
 和文索引

コラム一覧
 積極的に患者さんの診察を
 短パン,検査着について
 T2強調とT2強調画像
 マーカーの活用を
 本書に用いた大半の症例の撮像条件
 3Tの利点と注意事項
 前十字靱帯断裂の受傷機転
 知っておくべき膝の徒手検査①
 放射線科医にとっての膝外傷の画像診断
 セッティングの重要性
 Pseudoligamentを呈する陳旧性前十字靱帯断裂
 前十字靱帯断裂における二次的所見
 裂離骨折と剝離骨折
 前十字靱帯再建術の適応
 Cyclopsとは
 トップアスリートと一般人
 知っておくべき膝の徒手検査②
 膝内障(internal derangement)とは
 可能な限り単純X線写真の参照を
 外国人の名前のついた疾患
 膝MRIのレポートは整形外科医とのキャッチボールである
 これでいいのか膝のMRI
 半月板内部の高信号
 半月板内部の高信号のgradingについて
 膝関節手術・処置に関する略語
 混沌とする半月板断裂の用語
 レポートは丁寧語?
 今はACL+MCL+LM
 膝MRI読影全般について
 知っておくべき膝の徒手検査③
 膝蓋骨は人体最大の種子骨である
 内側支帯とMPFL
 「脆弱性骨折」と「不全骨折」
 膝靱帯損傷による骨挫傷の好発部位
 Sinding-Larsen-Johanssonは2名!
 成長期の膝に特有な障害
 変形性関節症のMRIの適応について
 T1,T2からプロトン,T2
 SONKからSIF(K)へ
 膝MRI検査で化粧はどうする?
 幼児の膝MRI
 膝蓋下脂肪体(Hoffa's fat pad, infrapatellar fat pad:iFP)について
 STIR使いすぎに注意を
 ガングリオンと滑液包
 闇夜のカラス?
 膝は「内側顆,外側顆」,足関節は「内果,外果」

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