免疫染色パーフェクトガイド[Web動画付]
この一冊があれば、現場で本当に使える免疫染色の技術・知識が学べる!
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『検査と技術』46巻9号(2018年9月)増刊号「現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド」待望の書籍化。困ったときの対応策や日頃の疑問といったクリニカルな視点をベースに、“現場のための”免疫染色の技術・知識をまとめています。書籍では、精度管理やゲノムといった最新のトピックを新たに加え、用手法の手技動画も閲覧可能になりました。臨床現場で免疫染色にかかわる医療者必携の一冊になること間違いなし!
編集 | 柳田 絵美衣 |
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発行 | 2023年11月判型:B5頁:288 |
ISBN | 978-4-260-05331-0 |
定価 | 7,480円 (本体6,800円+税) |
更新情報
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序文
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はじめに
「どんなに材料が良くても,腕のない料理人ではおいしい料理は作れない.また,一流の料理人でも腐った材料で美味しい料理を作ることはできない.それは免疫染色も同じだ.」
つまり,多くの知識,正確な技術,正しく処理された検体,適切に管理された試薬という免疫染色にかかわる全ての要素がそろわなければ,良好な染色性を得ることはできないということです.この言葉は,最初に勤めた病理専門の検査会社で免疫染色担当として配属された際,私に免疫染色の“いろは”をたたきこんでくれた上司に言われた言葉であり,いまの私の中にある知識と技術,それと免疫染色への情熱を形成しました.
免疫染色は,診断のためのツールの1つでしかありません.しかし,たった1枚の染色標本が病理診断を左右する可能性もあり,そしてそれは,患者の治療や命を左右することにもつながります.ぜひとも読者の皆さまには,1枚の染色標本の“重み”を感じながら染色していただきたいと思います.
2018年秋に発行された『検査と技術』増刊号「現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド」が皆さまからご好評をいただき,今回コンパニオン診断で深くかかわるがんゲノムや免疫染色の精度管理などの内容をさらに充実させ,書籍として発行することになりました.また,書籍では学生の方や初めて免疫染色に挑戦される方のために,付録として動画を作成しました.百聞は一見に如かず,文章だけではわかりにくい部分も実際の手技をみると理解しやすいかと思います.日常的に染色をされている方にとっても,普段なかなか目にすることのない他施設の染色手技をみるのは新鮮かもしれません.
本書は,免疫染色を行う際に「染色のコツは?」と思った“その瞬間”,染色像を観察して「なぜこんな結果に?」と思った“その瞬間”にぜひ読んで,見ていただきたいと思います.“実用的”,“簡潔”,“目からウロコ”の3点を重視して構成しましたので,眺め読みするだけでも面白い内容です.
第I章では免疫染色の原理や用手法での染色プロトコール,国内で採用されている主な自動染色装置の特徴などを紹介しています.第II章では手技の違いによる染色性の比較を紹介しており,良好な染色性を得るためのポイントや不良染色の原因を知ることができます.第III章では実際の染色結果で生じた「困った」を解決するために,起こりやすい問題とその原因・解決策について解説しています.第IV章では,免疫染色の知識と技術をさらにパワーアップさせるためのポイントやコツをまとめました.第V章は,信頼性の高い免疫染色標本を作製するために必要な精度管理方法などを中心に構成しています.
本書を通じて,1人でも多くの方々が疑問や問題を解決し,皆さまが前回染色した標本より一歩も二歩もパワーアップしたクオリティの高い染色標本を作製できるようになることを願っています.
本書の作成にあたり,ご執筆いただいた先生方に心から御礼申し上げます.また,増刊号の企画から本書の発刊までの長い期間と道のりを共に歩み,多大なる支援とご尽力をくださった医学書院の小山沙織氏,境田康平氏ならびに医学書院の皆さまに深謝申し上げます.
2023年8月
編集 柳田 絵美衣
目次
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巻頭付録 抗体一覧
第I章 知っておきたい免疫染色の原理
1 用手法
2 自動染色装置
3 代表的な抗体
4 多重染色
第II章 目でみる 免疫染色良い例・悪い例
1 検体の取り扱い
2 切片の処理で用いる機器の取り扱い
3 染色工程
4 試薬濃度
5 特殊な染色性
第III章 こんなときどうする? 免疫染色の“困った”を解決
不良染色の原因考察フローチャート
困った① 検体組織だけが染色されない
1 検体処理に問題がある
2 伸展・乾燥に問題がある
4 未染色標本の保管に問題がある
5 その他の問題
困った② 陽性対照組織も検体組織も染色されない
1 脱パラフィンに問題がある
2 抗原賦活処理に問題がある
3 抗体試薬の選択に問題がある
4 抗体の取り扱いに問題がある
5 洗浄に問題がある
6 発色操作に問題がある
7 その他の問題
困った③ 染色にムラがある
1 検体処理に問題がある
2 抗原賦活処理に問題がある
3 抗体の取り扱いに問題がある
4 染色工程に問題がある
困った④ バックグラウンドが強い
1 固定に問題がある
2 抗原に問題がある
3 抗原賦活処理に問題がある
4 反応条件・洗浄に問題がある
5 ブロッキングに問題がある
6 抗原抗体反応時に問題がある
困った⑤ 切片の剝離が激しい
1 検体処理に問題がある
2 薄切に問題がある
3 抗原賦活処理に問題がある
第IV章 さらに免疫染色に強くなるための知識
1 免疫染色の基本
2 細胞診検体
3 硬組織
4 抗原賦活処理
5 抗体(選択)
6 抗体(保存)
7 DAB取り扱い
8 核染色
9 器具・機器
10 ゲノム
11 当たり前すぎて誰も教えてくれなかったコツ
12 その他
第V章 実践したい 免疫染色の精度管理
1 内部精度管理
2 外部精度管理
3 ISO 15189
4 タスク・シフト/シェア
巻末付録 やなさんの用語解説ノート
索引
Column.1 夢にみるほど免疫染色一色の生活
Column.2 愛は空より広く,海より深い!
Column.3 免疫染色の未来は明るい!
Column.4 免疫染色の結果は治療選択に直結する!
Column.5 免疫染色愛は国境を越え……られるのか!?
Column.6 イギリス免疫染色修行
Column.7 論文は世界共通の名刺!
Column.8 YANA-4 誕生秘話
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