生理学 第6版
PT・OT国家試験に対応!養成課程で学ぶべき内容がギュッとまとまった一冊!
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定評あるシリーズの改訂第6版。国家試験にも対応できるよう徹底的に見直しながら、膨大な生理学の知識をPT・OTに必要な内容に凝縮。簡潔な文章と豊富なイラストで読者の理解を促し、「学んだ知識がどう活用されるか」がイメージしやすくなるよう、章末の「PT・OTとの関連事項」を実践に基づいた内容にブラッシュアップ。講義・実習・国家試験まで、これさえあれば間違いなしの一冊。
シリーズ | 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 |
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編集 | 岡田 隆夫 / 鈴木 敦子 / 渡邉 マキノ |
発行 | 2023年11月判型:B5頁:280 |
ISBN | 978-4-260-05318-1 |
定価 | 4,950円 (本体4,500円+税) |
更新情報
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2024.11.01
- 序文
- 目次
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序文
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第6版 序
第5版を発行してから5年が経過した.この間,本書は多くの方々にご支持いただき,このたび第6版を発行する運びとなった.
本書は,第4版から岡田隆夫と長岡正範が執筆してきた.第5版では,ここに鈴木敦子が加わり,これまで医学生や看護学生を対象とした書籍を執筆するなかで学んだノウハウを生かして,「読みやすく」かつ「理解しやすい」教科書とするように努めたが,発行後,さまざまなご意見をいただいた.いずれも貴重なご意見であり,ありがたく真摯に受け止めている.この第6版からは,新たに渡邉マキノが執筆に加わった.さらに,医学系の教員のみでは視点が偏ることを鑑み,リハビリテーション医学が専門の長岡に代わって理学療法士の村松憲,作業療法士の兼重美希の参加を仰ぎ,それぞれの視点から生理学がより身近なものと感じられるような提案をしていただいた.
これまでも理学療法士・作業療法士として知っておくべき生理学について,内容面はもちろんのこと,どういう言葉や文脈で記載するとよいかについて工夫を重ねてきたが,さらにわかりやすくなるように,記述を細かくブラッシュアップした.また,表記においては,同じものを意味する言葉でも,呼称や言い回しが異なるだけで,主な読者である学生は混乱することから,とくに国家試験で出題される言葉との齟齬がないように配慮した.
第6版においても各章末に「復習のポイント」として,章の要点を箇条書きでまとめ,文中のキーワードを穴埋め形式にすることで,ここを読めば,章のポイントを復習できると同時に,キーワードを確認することができるようにした.巻末には過去の国家試験問題を章ごとに抜粋し,解答と解説を載せ,本書の関連ページを記載するなど,本書の構成は大きく変えることなく,第5版の形式を踏襲した.読者の日々の復習や国家試験対策に役立てば幸いである.
また,「理学・作業療法との関連事項」では,各章で解説した生理学的機能が,どのように理学療法・作業療法の臨床と関連するかをわかりやすく説明し,読者の意欲や興味をより一層かきたてるよう努めた.また,随所に「NOTE」として,基本事項の解説,および,やや専門的な解説を挿入した.生理学の理解を深め,視野を広めるきっかけとしてご活用いただければ幸いである.
生理学は学ぶべき知識が膨大で,「難解」という印象を抱きがちだが,すべて自分の身体で生じている現象のことである.本書をとおして,生理学の面白さを感じていただければ,これ以上の幸せはない.
本書の記述および図版の正確さには,細心の注意を払ったつもりである.しかし,まだまだ不備な点があるかもしれない.読者の方々からの忌憚のないご意見,ご指摘などを頂戴できれば幸いである.
最後になったが,今回の改訂でも医学書院医学書籍編集部と制作部に大変お世話になった.こころから感謝します.
2023年8月
著者を代表して 岡田隆夫
目次
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序説 PT・OTにとっての生理学
A 生理学とは
B 対象者の状態を理解するために
1 生命現象と人体──浸透圧,水分,体温
A 身体の階層性
B 生命現象
C 水
D 体温
E ホメオスタシスと負のフィードバック
F 理学・作業療法との関連事項
2 細胞の構造と機能
A 細胞の構造と機能
B 静止膜電位と活動電位
C 理学・作業療法との関連事項
3 神経の興奮伝導と末梢神経
A 神経細胞の構造
B 興奮の発生と伝導
C 末梢神経の種類
D 自律神経
E シナプスにおける興奮の伝達
F 理学・作業療法との関連事項
4 中枢神経系
A 中枢神経系とは
B 脊髄
C 脳幹
D 小脳
E 間脳:視床と視床下部
F 大脳皮質
G 脳の高次機能
H 大脳基底核
I 辺縁系
J 脳室と脳脊髄液・血液脳関門
K 理学・作業療法との関連事項
5 筋と骨
A 筋の分類
B 骨格筋
C 心筋
D 平滑筋
E 骨
F 理学・作業療法との関連事項
6 感覚
A 感覚とは
B 体性感覚
C 内臓感覚
D 特殊感覚
E 理学・作業療法との関連事項
7 血液
A 血液の組成と機能
B 赤血球
C 白血球
D 血小板
E 血漿
F 血液型
G 理学・作業療法との関連事項
8 心臓と循環
A 血液の循環
B 心臓の興奮と刺激伝導系
C 心電図
D 血液の拍出と血圧
E 心周期
F 前負荷・後負荷と収縮性
G 心機能曲線
H 血圧の調節
I 微小循環と物質交換
J 静脈還流
K 臓器循環
L リンパ循環
M 理学・作業療法との関連事項
9 呼吸とガスの運搬
A 外呼吸と内呼吸
B 気道と肺胞
C 呼吸運動
D 呼吸気量
E ガス交換とガスの運搬
F 呼吸の調節
G 病的呼吸
H 理学・作業療法との関連事項
10 尿の生成と排泄
A 腎臓の役割
B 腎臓の構造
C 尿の生成
D クリアランス
E 排尿
F 尿の性状と排尿の異常
G 酸塩基平衡
H 理学・作業療法との関連事項
11 消化と吸収
A 消化器の役割
B 口腔内消化と嚥下
C 食道における食物輸送
D 胃の役割と消化
E 十二指腸における消化
F 空腸・回腸における消化と栄養素の吸収
G 大腸の役割
H 肝臓の役割
I 理学・作業療法との関連事項
12 栄養と代謝
A 栄養
B 代謝
C 理学・作業療法との関連事項
13 内分泌
A 内分泌機能とホルモン
B 各腺から分泌されるホルモンの作用
C 理学・作業療法との関連事項
14 生殖と発生・成長と老化
A 男性生殖機能
B 女性生殖機能
C 受精,着床,胎児の発生
D 成長と老化
E 理学・作業療法との関連事項
15 運動生理
A 筋力と持久力
B 筋収縮のエネルギー源
C 運動に伴う全身の変化
D トレーニングの効果
E 加齢変化
F 理学・作業療法との関連事項
生理学分野の国家試験問題と解答,解説
索引
NOTE
第1章 生命現象と人体──浸透圧,水分,体温
1 浸透圧
2 低体温療法
3 フィードフォワード
第2章 細胞の構造と機能
1 染色体と数の異常
2 ミトコンドリアDNA(mtDNA)
3 静止膜電位
4 活動電位
第3章 神経の興奮伝導と末梢神経
1 複合筋活動電位(CMAP)
第4章 中枢神経系
1 錐体路と皮質延髄路
2 錐体路徴候
3 陽性徴候と陰性徴候
4 小脳症状
5 運動連合野
6 Pavlovの実験
7 認知症と記憶障害
8 概日リズム(circadian rhythm)
9 脳脊髄液関連疾患
第5章 筋と骨
1 不完全強縮と完全強縮
2 筋収縮の分類
3 運動単位の種類
第6章 感覚
1 感覚と知覚
2 二次的な感覚
3 微妙な臓器感覚
4 自律神経過反射
5 側方抑制(lateral inhibition)
6 Parkinson病とAlzheimer型認知症における嗅覚障害
第7章 血液
1 気圧,分圧,血圧
2 抗がん薬の副作用
3 運動療法と貧血
4 赤血球増加症
5 サイトカイン
6 予防接種
7 播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation;DIC)
8 膠質浸透圧(colloid osmotic pressure)
第8章 心臓と循環
1 血圧の単位
2 層流と乱流
3 高血圧(hypertension)
4 II音の分裂
5 前負荷,後負荷,収縮性
6 濾過-再吸収の法則
7 起立性低血圧
8 門脈圧亢進症(portal hypertension)
第9章 呼吸とガスの運搬
1 拡散(diffusion)
第10章 尿の生成と排泄
1 浸透圧
第11章 消化と吸収
1 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)
2 セクレチン
3 胆石症(cholelithiasis)
第12章 栄養と代謝
1 食品表示基準と糖質
2 単糖類,二糖類,多糖類
第13章 内分泌
1 Selye のストレス学説
2 カテコールアミン
3 がんと肉腫
第14章 生殖と発生・成長と老化
1 排卵日予測検査薬
第15章 運動生理
1 ドーピング(doping)
2 サルコペニアとフレイル
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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正誤表を掲載しました。
2024.11.01