臨床検査データブック [コンパクト版] 第12版
いつでもどこでも頼れる ポケットサイズのお役立ちデータブック
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『臨床検査データブック 2023-2024』(2023年1月刊行)から、いつでもどこでも必要になる検査218項目を抽出し、ポケットに入るサイズに編集。この検査値の意味は……? 病棟に、外来に、実習に、持ち歩いてさっとひけ、コンパクトサイズながら情報がぎっしりと詰まっていて知りたいことが載っている、本当にお役立ちなデータブック。医療職みんなの臨床をサポートします。
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臨床検査データブック コンパクト版 第12版/編集者の序
かつて『白衣のポケットの中』という本が上梓されていた.その本によれば,白衣のポケットの中にはプロフェッショナリズムが入っているらしい.本書を白衣のポケットに入れている諸君は単なる情報だけでなく,臨床検査のプロフェッショナリズムをも一緒に入れている.すなわち,「根拠をもって必要な検査を選択する」こと,「無駄な検査を省く」こと,そして「異常値の背景を理解する」ことである.これは『臨床検査データブック』と本書『臨床検査データブック コンパクト版』を貫く理念であり,四半世紀を超えて版を重ねつつ,一貫している理念である.
新型コロナウイルスのパンデミックを通じて,自然を超越したように思っていたわれわれの日常は,実は自然の前では極めて脆いものであることを知った.検査法もなく,ワクチンもなく,治療薬もない時期には,われわれは太古の人類と同様,ひたすら恐れおののき外へ出ないでじっとして過ごすしかなかった.その経験から,逆説的ではあるが,検査の重要性,ワクチンの有用性を実感として知ることができた.その際,慎重で理性ある人は,偽陰性や精度などに思いを馳せ,合理的な行動を続けた.われわれの掲げる理念を支持する方々は,検査値を適正に判断しつつ,ウイルスを適正に恐れることができたと自負している.
本書の最大の特徴は携帯性にある.常に,現場ですぐに使うことができる.さらに,デジタルでは得られない一覧性がある.隣の項目が非常に参考になったとか,目次や索引での検索が有用であったということもよく聞く.検査を確実に理解するには,座学ではなく実臨床の中で学んでいくのが正しい道と思う.本書は,現場での学習を支えるはずである.
科学の進歩は目覚ましいものがあるが,自然の前では,われわれは常に謙虚に1つひとつの疾患,1人ひとりの患者にしっかりと向き合い正しい判断を積み重ねるしかない.AIをはじめとするデジタル革命は,医療を含めわれわれの生活を大きく変えるだろう.大きな期待と一抹の不安を感ずるものの,医療者の日常は,1つひとつの医療行為を確実に行うことであり,本書がその一助となることを信じている.
2023年8月
北村 聖
目次
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1 生化学検査
1.血清蛋白質
2.アミノ酸・窒素化合物
3.鉄代謝
4.血清酵素
5.血清ビリルビン
6.脂質
7.電解質・金属
8.血液ガス
9.機能検査
2 内分泌学的検査
1.下垂体
2.甲状腺
3.副甲状腺
4.副腎髄質・交感神経
5.副腎皮質
6.性腺・胎盤
7.糖代謝
8.骨・ミネラル代謝
9.生理活性
3 血液学的検査
1.血球算定・血液細胞形態検査
2.凝固・線溶系検査
4 免疫学的検査
1.補体
2.免疫グロブリン
3.自己抗体
4.免疫細胞
5 感染症検査
1.塗抹検査
2.一般細菌の培養検査
3.薬剤感受性試験
4.抗酸菌
5.真菌
6.一般細菌
7.検査材料からの直接抗原検出
8.一般細菌以外の培養・同定困難な病原体
9.肝炎ウイルス
10.ATLV・HIV
11.コロナウイルス
12.その他のウイルス
13.感染・炎症マーカー
6 腫瘍・線維化マーカー
1.腫瘍マーカー
2.線維化マーカー
7 癌細胞遺伝子検査
8 遺伝学的検査
9 尿検査
10 糞便検査
11 血液・尿以外の検査
12 薬物の検査
付録
1 救急・急変患者に対応する検査
2 特定健康診査と保健指導対象者の選定
3 知っておきたい検体採取のポイント
索引
記号・数字・欧文索引
和文索引
付録・特典
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Web付録
付録として、9章掲載「尿沈渣」(pp298-309):図13 代表的な上皮細胞、表46 腎疾患と主な円柱成分、図14 代表的な尿中結晶 のカラー版をご覧いただけます(下記ボタンよりアクセス後、本書p303、304、306記載のシリアル番号の入力が必要です)。