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臨床検査データブック 2023-2024

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全医療職者のための臨床検査値判読マニュアル。検査項目を詳解し、異常値のなぜ?に答える。“考える検査”をサポートするため、読みやすさと使いやすさを徹底追求。「パニック値」「異常値のでるメカニズムと臨床的意義」「見逃してはならない異常値」「特定背景のある患者の検査値変動」「薬剤の影響」「患者指導」をすぐひけるきめ細かい構成。疾患名から診断・経過観察に必要な検査がわかる「疾患と検査」も拡充。

監修 髙久 史麿
編集 黒川 清 / 春日 雅人 / 北村 聖 / 大西 宏明
発行 2023年01月判型:B6頁:1200
ISBN 978-4-260-05009-8
定価 5,500円 (本体5,000円+税)

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  • 序文
  • 目次
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2023-2024年版/編集者の序

 本書の初版が出版されたのは1997年で,それから四半世紀の時が流れた.今までの序文を読み返しても,この間に社会にも科学にも大きな変化があったが,ここ数年の社会を根底からひっくり返すような変化は,強烈であった.第1は,新型コロナウイルスの世界的パンデミックであった.わが国では2020年2月から流行が始まり,「生命か,経済か」という二律背反を喧伝され,結局,両方とも失ったような気がする.感染を抑え込みつつ,経済成長を果たした国もあるなかで,わが国は,残念ながらコロナ敗戦国と言っていいだろう.すなわち,わが国の科学と医学の劣化は,新型コロナウイルスに対する,診断試薬,ワクチン,そして治療薬,このいずれの開発においても後れをとったことで明らかになった.さらに科学の劣化のみならず,ガバナンスの劣化も明らかになった.政治・経済に権限をもつものが臨床試験という科学を蹂躙しようとし,ICT(情報通信技術)はもっていても,それを社会制度に組み入れていくことが全くできなかった.また,わが国がよって立つべき科学立国という理念から離れていったことがコロナ敗戦の大きな原因と思う.
 四半世紀前,20世紀の終わり頃の世界は,バブル崩壊の後処理で喘いでいた.「失われた10年」が今や「失われた30年」とさえ言われる.コロナ敗戦を踏まえ,いまいちど世界をリードする科学立国を復興させるべきと考える.創薬などでは後れをとったものの,幸いわが国の医療の水準は極めて高いレベルにある.少子高齢社会を見据え,医療から国を立て直すくらいの気概で,ポストコロナの時代を創生すべきであろう.
 第2の衝撃は,2022年2月に始まったウクライナの戦争である.核爆弾の使用可能性など重大な危機をはらみながら,今も戦闘が続いている.国内においてもJアラートといういわば空襲警報が鳴り響く時代になった.われわれの価値観も再構築を余儀なくされている.「大変な世の中だ,何とかしなくては,でも最初は目の前のことから」という思いで,まずは臨床検査医学のさらなる発展に資することにした.
 最後に,初版からずっと本書の監修をしていただいた髙久史麿先生が,2022年3月に逝去された.心からご冥福を祈る.私の恩師であり,公私にわたり多くの指導をいただいた.ありがとうございました.

 2023年1月
 北村 聖

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カラー図譜

臨床検査の考え方と注意事項

検査計画の進め方

基本検査テクニック

検査各論
 1 生化学検査
  1.血清蛋白質
  2.アミノ酸・窒素化合物
  3.鉄代謝
  4.血清酵素
  5.血清ビリルビン
  6.脂質
  7.電解質・金属
  8.血液ガス
  9.ビタミン
  10.機能検査
 2 内分泌学的検査
  1.下垂体
  2.甲状腺
  3.副甲状腺
  4.副腎髄質・交感神経
  5.副腎皮質
  6.性腺・胎盤
  7.糖代謝
  8.骨・ミネラル代謝
  9.消化管ホルモン
  10.生理活性
 3 血液学的検査
  1.血球算定・血液細胞形態検査
  2.凝固・線溶系検査
 4 免疫学的検査
  1.補体
  2.免疫グロブリン
  3.自己抗体
  4.免疫細胞
 5 感染症検査
  1.病原体核酸検査
  2.塗抹検査
  3.一般細菌の培養検査
  4.薬剤感受性試験
  5.抗酸菌
  6.真菌
  7.一般細菌
  8.検査材料からの直接抗原検出
  9.一般細菌以外の培養・同定困難な病原体
  10.寄生虫
  11.微生物産生物・代謝産物
  12.肝炎ウイルス
  13.ATLV・HIV
  14.コロナウイルス
  15.その他のウイルス
  16.感染・炎症マーカー
 6 腫瘍・線維化マーカー
  1.腫瘍マーカー
  2.線維化マーカー
 7 癌細胞遺伝子検査
 8 遺伝学的検査
 9 尿検査
 10 糞便検査
 11 細胞診
 12 血液・尿以外の検査
 13 薬物・毒物の検査
  1.薬物
  2.毒物
  3.薬物代謝酵素の遺伝子診断
  4.薬物治療効果判定

疾患と検査
  1.呼吸器疾患
  2.循環器疾患
  3.消化管疾患
  4.肝・胆・膵疾患
  5.代謝・栄養疾患
  6.内分泌疾患
  7.血液・造血器疾患
  8.腎・泌尿器疾患,水電解質異常
  9.神経・筋疾患
  10.感染症,寄生虫疾患
  11.リウマチ性疾患,アレルギー性疾患,免疫不全症
  12.皮膚疾患
  13.産婦人科・乳腺疾患
  14.小児疾患
  15.高齢者疾患
  16.救急,中毒

付録
 1.特定健康診査と保健指導対象者の選定
 2.共用基準範囲(JCCLS)
 3.日本人小児の臨床検査基準値
 4.保険点数一覧(臨床検査分野)
 5.有害事象共通用語規準v5.0 日本語訳JCOG版
 6.検査値に影響を及ぼす薬剤一覧

索引
 数字・欧文索引
 和文索引

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付録として、①8章掲載「保険適用される遺伝学的検査」(pp740-741):保険収載されている遺伝学的検査の一覧表、②9章掲載「尿沈渣」(pp752-758):図102 代表的な上皮細胞、表193 腎疾患と主な円柱成分、図103 代表的な尿中結晶のカラー版をご覧いただけます(下記ボタンよりアクセス後、本書pp740-741、pp754-756記載のシリアル番号の入力が必要です)。

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