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糖尿病・内分泌疾患の常識&非常識

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糖尿病・代謝・内分泌疾患の診療情報、的確にアップデートできていますか? 昔の常識のままでは、あっという間に非常識な診療になっているかもしれません。糖尿病、高尿酸血症、内分泌疾患(甲状腺疾患、副腎疾患、骨粗鬆症、SIADH、高カルシウム血症)の最新情報と、現在の常識&非常識をわかりやすくまとめました。ジェネラリストのさまざまな疑問、岩岡先生に聞いてみよう!

シリーズ ジェネラリストBOOKS
岩岡 秀明 / 中山 久仁子
発行 2024年03月判型:A5頁:260
ISBN 978-4-260-05479-9
定価 4,180円 (本体3,800円+税)

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はじめに

 本書はスペシャリスト(私)とジェネラリスト(中山久仁子先生)が糖尿病,高尿酸血症・痛風,内分泌疾患診療のリアルについて,Q&A形式で自由に語り合った書籍です.ジェネラリストの先生方が糖尿病,高尿酸血症・痛風の日常診療で持たれるさまざまな疑問について,最新のエビデンスと診療ガイドラインに基づき,具体的に解説しました.内分泌疾患については,日常診療でとくに重要な甲状腺疾患,副腎疾患,骨粗鬆症,低ナトリウム血症の鑑別(SIADH),高カルシウム血症を取り上げております.
 とくに重要なポイントは各項の冒頭で「常識」としてまとめ,いまや非常識になっていることは本文中に「非常識」マークを付けました.さらに本文を補充する内容として,コラムを10本加えています.新型コロナ禍でもあり,またお互いに遠方同士でしたので,Zoomで4回に分けて対談した内容を基にして,刊行ギリギリまで何回も加筆・修正しております.
 本書が,先生方の明日からの日常診療のお役に立てれば,著者としてとても嬉しく思います.また看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師など,各種メディカル・スタッフの方々のお役にも立つと思います.
 私が本書を企画してから刊行までは2年ほどかかりましたが,とてもご多忙な中で何回もの対談および丁寧に加筆・修正をしていただいた中山久仁子先生,そして企画の段階からずっと伴走してくださり,丁寧な校正と注記,貴重なアドバイスをしてくださった医学書院医学書籍編集部の安部直子さんには,大変なご苦労をおかけしました.ここに深く感謝いたします.

 2024年1月
 岩岡秀明


 今回,糖尿病・内分泌疾患診療のスペシャリスト(岩岡秀明先生)に,日常の診療で疑問に思っていたことや,まとめ直したいと思っていたことを存分に質問する機会をいただきました.そして,その対談の内容を余すところなくまとめた書籍となりました.
 糖尿病はプライマリ・ケアにおいてコモンディジーズであり,プライマリ・ケアに関わる医療者にとってもっとも重要な疾患の1つです.日常診療では診断もさることながら,最近は糖尿病薬の種類が増え,高齢者などの年齢,体形や併存疾患によっても治療方法の選択の幅が広がり,最適な治療薬の選択に迷うこともあります.また,患者さんは病気と長い付き合いになるため,生活習慣のアドバイスは合併症予防を念頭にすることが必要で,プライマリ・ケアでの長期間にわたる診療でのポイントなども押さえておく必要があります.
 また内分泌疾患には,頻度の高いものや緊急性の高いものがあります.たとえば,甲状腺機能低下症の症状が更年期障害に似ているなど,見逃されやすい疾患が多く,常に鑑別診断に入れておく必要のある疾患が多くあります.
 本書では,プライマリ・ケアの日常診療において,最新の診断と治療,生活のアドバイスについて,理解しにくいところや,疑問に感じやすいことへの回答をまとめることができました.
 最後になりましたが,私からのさまざまな疑問・質問に丁寧にご回答いただき,最新の情報にするために何度も加筆・修正をしていただいた岩岡秀明先生に深く感謝申し上げます.また,いつも笑顔で丁寧な校正をしてくださった医学書院医学書籍編集部の安部直子さんにも深く感謝申し上げます.
 本書が糖尿病,高尿酸血症・痛風,内分泌疾患の患者さんの診療に,少しでもお役に立てれば幸いです.

 2024年1月
 中山久仁子

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第1章 代謝疾患編
 糖尿病
 【境界型へのアプローチ】
   ① 糖尿病境界型には,どのようにアプローチすればよいですか?
 【運動・食事療法】
   ② 糖質制限食とカロリー制限食,どちらがよいですか?
   ③ 糖尿病の運動療法では,どのようなアドバイスをすればよいですか?
 【血糖管理の基礎知識】
   ④ 高齢者の血糖コントロールはどのくらいを目指しますか? 高齢者の薬物療法の注意点は何ですか?
   ⑤ 術前の血糖コントロールはどのくらいがよいですか? HbA1c以外に血糖コントロールの指標はありますか?
   ⑥ 最近よく聞くTIR(time in range)とは何ですか? どのように活用すればよいですか?
 【薬物療法】
   ⑦ 「アメリカ糖尿病協会(ADA)による糖尿病の標準診療2023」の薬物療法のポイントは何ですか?
   ⑧ ビグアナイド薬(メトホルミン)は,どのくらいまで増量すれば十分な効果が得られますか? 禁忌はありますか?
   ⑨ SGLT2阻害薬は第1選択薬になりますか?
   ⑩ 高齢や腎機能低下時の選択薬はどうしますか? DPP-4阻害薬で血糖コントロールが不良な場合の選択薬は?
   ⑪ SU薬はなるべく使用しないほうがよいですか?
   ⑫ αグルコシダーゼ阻害薬はどのような時に使用しますか?
   ⑬ チアゾリジン薬を使用する場合はありますか?
   ⑭ GLP-1受容体作動薬はインスリンよりも先に使うべきですか?
   ⑮ GLP-1受容体作動薬の使い分けを教えてください.肥満にも効きますか?
   ⑯ 血糖降下薬を何剤まで併用したら,インスリンに切り替えるべきですか?
   ⑰ インスリン導入時の患者への説明は?
   ⑱ インスリンの1回注射,2回注射,4回注射はどう使い分けるのですか?
   ⑲ どのような時にインスリン離脱できますか? 具体的なやり方は?
   ⑳ シックデイの時は経口薬やインスリンを休薬してもよいですか?
 【コンサルトのタイミング,救急対応】
   ㉑ 専門医に紹介すべき高血糖を教えてください
   ㉒ 高血糖緊急症(DKA,HHS,乳酸アシドーシス)で注意すべきポイントを教えてください
   ㉓ 高血糖をきたしやすい薬剤を教えてください
   ㉔ 低血糖でとくに重要な注意点を教えてください
   ㉕ 糖尿病以外では,どのような低血糖がありますか?
 【合併症】
   ㉖ 糖尿病でがんを疑う場合は,どのような時ですか? とくに多いがんは何ですか?
   ㉗ 糖尿病の慢性合併症では何をチェックしますか?
   ㉘ 糖尿病でとくに注意すべき感染症は何ですか?
 【1型糖尿病】
   ㉙ 1型糖尿病にはどのようなタイプがありますか? それぞれの対応に違いはありますか?

 高尿酸血症・痛風
   ① 無症候性高尿酸血症に薬物療法の適応はありますか? CKDに伴う高尿酸血症はどうしたらよいですか?
   ② 痛風発作がある場合の治療方針を教えてください

第2章 内分泌疾患編
 甲状腺疾患
   ① 甲状腺中毒症では,バセドウ病以外に何を疑いますか? 専門医に紹介すべき場合は?
   ② バセドウ病の治療方針を教えてください.妊娠希望者や妊婦の治療方針は?
   ③ バセドウ病検査の頻度を教えてください.内服薬を休薬する目安はありますか?
   ④ 甲状腺機能低下症を疑うポイントは何ですか? 薬物治療を始めるタイミング,増量の仕方を教えてください
   ⑤ 潜在性甲状腺機能低下症で治療が必要な場合はありますか?
   ⑥ 甲状腺機能低下症での減薬と,検査の頻度を教えてください

 副腎疾患
   ① 急性副腎不全と副腎皮質機能低下症を疑うポイントは何ですか? どのような時に専門医に紹介しますか?
   ② 高血圧症患者では,全例で原発性アルドステロン症の検査をすべきですか?
   ③ 原発性アルドステロン症の治療のポイントは何ですか?
   ④ クッシング症候群を疑うポイントと,まずやるべき検査を教えてください
   ⑤ 褐色細胞腫を疑うポイントと,まずやるべき検査を教えてください
   ⑥ 副腎偶発腫瘍を見つけたら,どうすればよいですか?

 骨粗鬆症
   ① 骨粗鬆症の診断について教えてください
   ② 骨粗鬆症治療薬の選択と使い分けを教えてください

 比較的まれだが重要な内分泌疾患
   ① SIADHの診断と治療について教えてください
   ② 高カルシウム血症の診断と治療について教えてください

索引
著者紹介

COLUMN
 ① 糖尿病における脂質異常症の管理
 ② 患者の行動変容を促す方法は?
 ③「ADAによる糖尿病の標準診療2024」の主要な追記・変更ポイント
 ④ 経済的な事情から,できるだけ医療費を抑えたい場合
 ⑤ インスリンがうまく効かない場合はどうする?
 ⑥ 糖尿病における高血圧症の管理
 ⑦ 糖尿病でマルチモビディティの場合,どのように介入する?
 ⑧ 糖尿病患者の渡航外来
 ⑨ プライマリ・ケアで内分泌疾患を疑うべきポイントは?
 ⑩ 先端巨大症を疑った場合はどうする?

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Webで紹介されました

《本書は超おすすめ。プライマリ・ケア医は絶対読んだ方が良い。こういうテキストこそが大事なんです。
ぼくは大学病院のセッティングではインスリンは自分では出しませんが、必要な人は多いでしょうね。TIRとか全然知りませんでした。マルチモビディティに言及があるのも素晴らしいし、骨粗鬆症の治療終了の目安もしっかりしていていいですね。プロフェッショナリズムとプラグマティズムが見事に融合した名著です。》──岩田健太郎神戸大学医学部附属病院感染症内科
『note』2024年5月24日より)


初心者には最良の基礎学習となり,上級者には最高の復習の時間となる本
書評者:三澤 美和(大阪医科薬科大病院総合診療科)

 前半の糖尿病の食事療法を読み始めると,岩岡秀明先生が普段患者さんと笑顔で話している診察室の会話が見えてくるような気分になる。「果物は1日に握りこぶし1個分」「(コーヒーは)無糖にしないとだめだよ」「時々は記念日を作ろう」。患者さんの気持ちをおもんぱかりながら,丁寧にアドバイスする様子が目に浮かぶ。そこに中山久仁子先生が誰でも抱くような素朴な疑問を投げかけ,また丁寧な解説が続く。対話形式の内容を読み進めると,いつしか自分の診療を一番底のほうからいったんすくいあげて見直しているような気持ちになった。

 「あ~そうそう,そうだった」と思わせられる重要なエビデンスしかり,「最近はそうなってたんだ」という新しい発見しかり。糖尿病の薬物療法には多くのページが割かれ,丁寧に疑問に答えてくれる。意外とあいまいにしてしまいがちな高尿酸血症についても言及されている。しかもこの本は糖尿病だけにとどまらず,日常でよく出合う内分泌疾患の素朴な疑問にも答えてくれている。甲状腺や副腎,日常的に出合う頻度が非常に高い骨粗鬆症。内分泌だけを特集した分厚い教科書と格闘するよりずっと,知識としてすんなり入ってくる。また会話から中山先生が普段どのような診療をされているかも垣間見え,プライマリ・ケア医としてどこまでが必要とされているのかを確認できる。プライマリ・ケアの良き理解者である岩岡先生と,現場の家庭医である中山先生が繰り広げる言葉のキャッチボールは,まるで自分が小さなカンファレンスにお邪魔したような気持ちにさせられた。

 ページのところどころに指差しサインで「非常識」と書かれている。自分の診療に知らないうちに非常識が紛れ込んでないか,ドキッとする。私たちはいつも自分の診療を振り返り,updateし続けないといけない。かといって,自分一人で全てのエビデンスやガイドラインの進歩を根こそぎ見つけにいくのは難しい。この本をすらすらと読み通すと,糖尿病や内分泌疾患の「今の常識」がしっかり確認できる。そして今日からさっそく自分の診療に生かせるような内容ばかりだ。初心者は最良の基礎知識が得られ,上級者には診療の質を振り返る最高の機会をくれる。

 個人的には,数多ある糖尿病治療薬の一般名と製品名,さらには先発品と後発品に分けての3割負担の場合の薬価負担額が一覧となっているところに心を打たれた。エビデンスは大事だが,糖尿病薬は高価なものも多い。この表を見ると目の前の患者さんが本当に無理をしない最適な治療を選ぶことができているのか,と自分に問いたくなる。診察室でこの表を見ながら患者さんと治療法を一緒に決めていくのもいいだろう。読み終えたあとも,まだ二度も三度もおいしい本である。表紙には,公園で笑顔で話すお二人のイラストがある。私もその会話に入り込んで糖尿病や内分泌の話題をもっと話してみたくなった。

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