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ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第3版

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内科外来のトップマニュアルとして不動の地位を得た『ジェネラリストのための内科外来マニュアル』(ジェネマニュ)に待望の第3版が登場した。6年ぶりの本改訂では、診療情報をアップデートすると同時に、手薄だった主訴・症候についても大幅に記載を増やし、さらに網羅性を高めた。目の前にいる患者への診断アプローチ、鑑別疾患から具体的な処方例までを一覧できる、さらにパワーアップしたスーパーマニュアルが誕生した。

編集 金城 光代 / 金城 紀与史 / 岸田 直樹
発行 2023年10月判型:A5変頁:880
ISBN 978-4-260-04266-6
定価 6,600円 (本体6,000円+税)

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    2023.11.06

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  • 序文
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本書第1刷(pp.686-687)におきまして、一部記載内容が見えなくなっている部分がございました。
深くお詫び申し上げますとともに、該当部分を追補として掲載いたします。

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第3版 序

 6年ぶりの改訂となった第3版は,これまでの版と同様に症候を中心とした初診外来編の第1部と,継続外来編の第2部の構成となっている.COVID蔓延期には十分な診察ができず,画像診断をより迅速に行うことが増えた.問診の時間をしっかり確保し,思考過程を明らかにしながら検査前確率を考えて,検査をオーダーする重要性を強調する機会は減ったかもしれない.
 診断に至る過程で最も重要なのは病歴である,ということを自分自身が研修医であった頃から繰り返し教えられてきた.検査や画像が飛躍的に進歩した現在でも,先人たちの教えを咀嚼し,その意味を十分に理解して実践することが日々の臨床現場に求められていると感じる.患者さんの訴える症候からアプローチすることがなぜ重要なのだろうか.なぜ外来診療の本を疾患名ごとではなく症候別にまとめる必要があるのだろうか.
 「体の中で何かが起きている」という患者さんが経験している主観的な体験を,われわれは医学的な概念に言い換えながら,最終的に診断にたどり着くところまで客観化させていく.このプロセスは,解剖学的分布や生理学的視点を症状に重ねて理解することで,診断名に行きつく.症状は時間軸とともに患者さんの中で動きをもって知覚され,ときにさまざまな表現で私たちに提示される.混沌とした症状が病歴をとる側の理解と思考に基づいて整理され,いくつかの鑑別診断を想起しながら必要に応じて検査に進むのである.診断名がわかっていて逆行しながら病歴をとるパターンは,医学部生時代に大学病院で経験したことがあるが,実臨床では真逆の順番である.
 たとえば,肥満のある中年女性の食後2時間の心窩部痛では胃潰瘍や胆石発作を鑑別に想起し,対応する胃カメラと腹部エコー検査を行ったとする.検査で慢性胃炎と胆石が確認されたら,心窩部痛の原因はどちらだったのか.胆石発作を疑うなら,胆石らしい腹痛パターンなのか病歴を再確認するしかない.
 初診外来編は,各主訴ごとに「よくある・見逃したくない」「急性・慢性」「年齢層」など鑑別診断のフレームワークを意識して書かれている.本文には各執筆者の視点で重要と思われるピットフォールなどを織り交ぜた記載がなされている.第2版を継承しつつ,再編成した章や消化器系,神経系,皮膚,認知症については大きく変更されている.検査・健診異常への対応を含む継続外来編も,疾患のガイドラインなどについて可能な限りアップデートを行い改訂した.コラムは多くの項目を刷新し,追加・変更している.疾患ごとの詳細な病態や治療については各専門書をご参照いただきたい.
 外来研修が必修化されておよそ5年がたった.研修医の方々は病棟とは異なる外来独自のペースと,限られた時間で判断を求められるプレッシャーに慣れず,きついと感じるかもしれない.また,各専門科指導医でありながら総合内科外来にも指導医としてかかわる先生もいらっしゃるであろう.診療所の先生方は限られたリソースと忙しい時間枠の中で日々奮闘しておられる.現場で遭遇する幅広い主訴にどのようにアプローチするのか,日々の診療において拙書が少しでもお役立ていただければ,大変嬉しく思う.
 最後に,日々の診療で私たちに多くの教えを与えてくれる患者さん方,本書の改訂に貴重なフィードバックをくださった多くの先生方に深謝したい.

 2023年8月
 執筆者を代表して 金城光代

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イントロダクション
  1 ジェネラリストのための診断アプローチ
  2 ジェネラリストのための外来診療のコツ
  3 ジェネラリストのための抗菌薬の使い方──「使うか」「使わないか」「待つか」

初診外来
 全身症状
  1 「風邪」様症状
  2 熱
  3 全身倦怠感
  4 体重減少/体重増加
 痛み
  5 頭痛
  6 胸痛
  7 腹痛
  8 腰痛・頸部痛・上背部痛
  9 関節痛
  10 整形外科的な主訴
 神経系
  11 めまい
  12 意識消失
  13 しびれ
  14 その他の神経学的症状
 その他のよくある訴え
  15 咳(遷延性・慢性)
  16 呼吸困難
  17 動悸
  18 浮腫
  19 嘔気・嘔吐
  20 下痢
  21 便秘
  22 血便・下血
  23 頸部のしこり
  24 発疹
  25 不眠・精神科的主訴
  26 認知症
  27 高齢者の包括評価
  28 よくある眼・耳・口のプロブレム

継続外来/健診異常への対応
  1 高血圧
  2 糖尿病
  3 脂質異常症
  4 高尿酸血症・痛風・偽痛風
  5 心房細動
  6 慢性心不全
  7 心電図異常
  8 喘息/COPD
  9 胸部異常陰影
  10 肝機能検査異常
  11 消化器検診異常
  12 尿蛋白陽性
  13 尿潜血陽性(血尿)
  14 CKD/電解質異常
  15 貧血
  16 甲状腺腫大・結節(機能異常含む)
  17 骨粗鬆症
  18 各種スクリーニング
  19 ワクチン・予防(成人)
  20 妊婦と内科疾患
  21 妊婦・授乳婦への薬剤投与

付録
 1 システムレビュー(review of systems:ROS)
 2 周術期管理
 3 Geriatric Depression Scale(GDS)簡易版
 4 JCSとGCS

略語集(外来戦略リスト)
索引(外来戦略リスト)
索引(本文)

web付録:ジェネラリストのための基本心電図集

Physician's Memo
 プロセスを重視するアドバンス・ケア・プランニング
 漢方処方で,不定愁訴にも強くなれる!
 寝汗・ほてり
 「高齢者の急性の発熱・炎症所見チェックリスト」を活用して,熱源を皆で見つけよう!
 外来経口抗菌薬
 新型コロナウイルス感染症のマネジメント
 診断がなかなかつかない時
 危険な飲酒のスクリーニングとアルコール関連疾患
 無菌性髄膜炎の鑑別疾患
 場所は違えど筋骨格系由来の痛み
 肺塞栓(pulmonary embolism:PE)
 線維筋痛症
 炎症反応陽性の反復性発熱
 特異的(自己)抗体と関連疾患
 持続性知覚性姿勢誘発めまい(persistent postural-perceptual dizziness:PPPD)
 外来での鎮痛薬の使い方(非癌疾患に適応のある鎮痛薬)
 ステロイド薬の使い方
 呼吸困難の問診:体位による鑑別
 伝染性単核球症
 頸部以外のリンパ節腫脹
 薬を欲しがる患者に対する対応
 発達障害と内科外来:成人の発達障害を見逃さない!──認知症と見分けにくい高齢者の発達障害の認識を
 「高齢者の発熱+頸部痛」ではcrowned dens syndromeを!
 ドメスティック・バイオレンス(DV)と高齢者虐待
 褥瘡
 “診断の砦”としての内科外来で役に立つ知識
 副腎偶発腫瘍(adrenal incidentaloma)へのアプローチ
 下垂体偶発腫のアプローチ
 下垂体ホルモン検査のまとめ
 かゆみ
 いつアミロイドーシスを疑うか
 喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)
 肺機能検査のみかた
 禁煙
 胸水鑑別アルゴリズム
 腹水鑑別アルゴリズム
 髄液
 乏尿・多尿
 内科医による尿路結石の評価
 膀胱炎と抗菌薬の考え方
 HIV感染症の勘所
 好酸球増多・血小板数異常・凝固能異常
 多様な臨床像が特徴:摂食障害
 IgG4関連疾患
 Choosing Wisely
 ワクチン同時接種への対応

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