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死亡直前と看取りのエビデンス 第2版

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「亡くなる過程(natural dying process)を科学する」という視点を国内で初めて提供した書籍の第2版。今改訂では、初版刊行以降の国内外における新たな研究知見をふんだんに盛り込み、著者自身の経験に根差したわかりやすい解説とともに、新たな知見がどのように臨床に役立つのかにも重点が置かれている。「死亡直前と看取り」に携わるすべての医療職者に向けた待望の改訂版、ここに堂々の刊行!

森田 達也 / 白土 明美
発行 2023年08月判型:B5頁:312
ISBN 978-4-260-05217-7
定価 3,740円 (本体3,400円+税)

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  • 序文
  • 目次
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第2版の序

 8年経つと世の中は変わるものだ──本書の初版が世に出たのが2015年、それから8年経っての改訂である。当時、亡くなることに関する「エビデンス」の本はキワモノであったに違いない。しかし出版されると、世の中に幅広いニーズがあったのだろう、筆者の著作のなかでも最も広く読まれた本の1つになった。本書が出版された2年後にJAMAの連載を日本語訳した書籍『終末期医療のエビデンス』(日経BP社)も発行された。これらの動きは、患者や家族に満足してもらえるケアを行うには、終末期においても、まず事実を知るところからはじめるという考えが支持されたものだと思われる(これを「エビデンス」と呼ぶのがふさわしいのか筆者には確信がもてないし、「エビデンス」があればそれでよいケアが行えるというわけではないのは初版の序に書いたとおり当然のことである)。
 日本では、学問といえば欧米から輸入するものと思われている節があり、医学においてこの傾向はかなり強い。確かに生物学的な事象(終末期の呼吸困難にはどの薬剤が最も有効か、など)では、輸入学問でもヒトの作りに大きな違いはないだろうから、結論は変わらなそうだ。しかし、「死とどう向き合うか」「死をどう捉えるか」といった体験を知ろうとすると、欧米の知識をそのままもってくることには限界がある。日本において、まさに毎日毎日出会っている患者やその家族の体験を知ることが不可欠である。近年死亡直前の患者や家族の体験は世界中で数多く研究されるようになった。なかでも、EASED(East Asian collaborative cross-cultural study to elucidate the dying process:死の過程を明らかにするための東アジア国際共同研究)では、日本、台湾、韓国で2,000人超の患者を対象として数多くの臨床疑問が明らかにされた。今回の改訂では特に、この間に収集された日本やアジアでの知見をまとめることに注力した。いずれの国においても価値の多様化が進んでおり、一概に「日本人は○○である」「フランス人は△△である」といった表現は、事実を反映しなくなっている(「intra-country differenceが大きくなっている」と呼ぶ)。それでも、本書の記述は、日本で臨床をするうえで押さえておくべき基盤となる知識であり、困難な状況で進むべき方向を示す道標となるだろう。
 さて、改訂にあたって筆者が悩んだことの1つは、知見が新しくなった領域で初版の記述をばっさり削って置き換えるか、初版の記述も残しておくかであった。結果的に、考え方の推移がわかったほうがよいという考えから、初版の記述も残したうえで新しい知見を追加するという方針をとった。初版の記述にもすべて目を通して必要な修正を加えたが、重複についてはお許しいただきたい。
 近頃は、「早期からの緩和ケア」(国内では、診断時からの緩和ケア)がはやりであり、終末期は蚊帳の外に置かれているようにもみえる。しかし、終末期には多くの患者と家族が、心身ともに最も大きな負担を体験することは間違いない。だからこそ、流行とは関係なく、「自分の終末期ケアのありようを見直したい」「もっと患者さんとご家族の笑顔が見たい」「終末期の課題を掘り下げて考えたい」という読者に読んでいただきたいと願う。
 最後に、初版を企画する段階で力を尽くしてくれた医学書院の山中邦人さん、初版から継続して編集にあたってくれた渡辺一さん、そして、本書の執筆にあたって(臨床においても研究においても)筆者の苦手領域を上手にカバーしてくれた共著者の白土明美先生に深謝します。

 2023年6月
 森田達也

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第1章 死亡までの過程と病態
 1 死亡までに生じる変化と機序:死亡までに起こること
  ▪ 死亡が近づくまでのADLと症状の週・月の単位での経過
  ▪ 死亡がまさに差し迫っている(死亡直前である)ことを示す徴候の概念上の類型
  ▪ 死亡直前であることを示す徴候のエビデンスに基づく類型:early signとlate sign
  ▪ 死が近いことを予測する方法(1):徴候がある場合に死亡が生じる可能性を尤度比で表現する
  ▪ 死が近いことを予測する方法(2):死亡前徴候の組み合わせでスコア化する
  ▪ 死が近いことを予測する方法(3):死亡前徴候の類型がいくつ出ているかで予測する
  ▪ バイタルを定期的にとる意味
  ▪ 急変の頻度と病態
  ▪ 死亡までの経過のエビデンスを踏まえた説明
  ▪ 看取りのパンフレットを使った家族の感想
  ▪ 看取りのパンフレットを使用するうえでの悩み──渡す時期は?
  ▪ 死亡時に立ち会うことの意味と、耳は聞こえているのかのサイエンス

 2 予後の予測:信頼性を持って予後を予測する方法
  ▪ 家族の悲嘆にも影響する予後予測
  ▪ 死亡直前に急激に変化するADL
  ▪ 楽観的になる医師の予測
  ▪ 「いっそのこと『当たらなくて驚いた!』を予測方法にしてしまったら?」という発想:サプライズクエスチョン
  ▪ 全身状態・食事・呼吸・むくみ・意識が余命予測の指標
  ▪ 予後予測評価尺度の開発の歴史
  ▪ PaP score
  ▪ PiPS models
  ▪ PPI(palliative prognostic index)
  ▪ 具体的な得点の計算方法
  ▪ PPIの予測精度のエビデンス
  ▪ 感度・特異度から陽性反応的中度・陰性反応的中度への置き換え
  ▪ 予測尺度は専門家の臨床的予測を超えるのか?
  ▪ どの予測尺度がよいのか?
  ▪ 予後を予測した後どう伝えるのか?

 3 輸液:「する? しない?」と輸液の価値
  ▪ 30年間で様変わりした終末期の輸液の実態
  ▪ 死亡直前期の輸液はQOLと生命予後に効果がないとの比較試験
  ▪ real worldでの観察研究
  ▪ 看護領域での比較試験
  ▪ 生理学的な研究
  ▪ スターリングの法則と終末期の水分出納のまとめ
  ▪ いのちの象徴としての輸液と勧められるケア
  ▪ 末梢点滴が取れなくても手はある:皮下輸液とPICC

 4 鎮静(セデーション):苦痛緩和の最後の手段(last resort)
  ▪ 歴史的経緯の大筋:こそこそしていることから国際的なガイドラインの策定まで
  ▪ 鎮静と安楽死との違いに関するオーソドックスな見解:安楽死・自殺幇助・治療中止
  ▪ 鎮静と安楽死とのグレーゾーンとクリアゾーン
  ▪ 日本のガイドラインの推移
  ▪ 調節型鎮静と持続的深い鎮静をプロトコル化するという方向性
  ▪ 鎮静は寿命を縮める「危ない治療」か?
  ▪ 国内刑法における鎮静の位置づけ
  ▪ 鎮静を受ける患者の家族の体験
  ▪ 鎮静を受ける患者と家族に勧められるケア:家族はなにを望むのか?
  ▪ 鎮静についてのエビデンスに基づいたパンフレット
  ▪ 説明のしかた
  ▪ 鎮静をしないことがよいことなのか?

 5 アドバンス・ケア・プランニングと意思決定
  ▪ アドバンス・ケア・プランニング:依然として模索が続く
  ▪ 蘇生(1):DNR、DNAR、DNHの意味
  ▪ 蘇生(2):終末期の蘇生の成功率に関するエビデンス
  ▪ 蘇生(3):蘇生の意思決定に関するエビデンス
  ▪ 終末期についての話し合い(EOLd)と患者・家族のQOLの強い関係
  ▪ 終末期の話をすること、病識(prognostic awareness)、医師-患者関係の複雑な関係
  ▪ ACPをしてもQOLはよくならない──ACPっぽい課題はACPだけでは解決しない
  ▪ ACPをしてもQOLはよくならない──そもそも将来のことなんて決められない
  ▪ 早期からの緩和ケアは、「早期からの終末期の意思決定」?

第2章 死亡前後に生じる苦痛の緩和についてのエビデンス
 1 呼吸困難
  ▪ 呼吸困難という症状──疫学
  ▪ モルヒネの適応になる病態:なんでもかんでもモルヒネではない
  ▪ 「モルヒネが効く」という古典的なエビデンス:「死亡直前」ではない患者
  ▪ 呼吸困難に対するモルヒネの安全性
  ▪ 「モルヒネは呼吸困難に有効」をゆるがす最近の臨床試験:慢性息苦しさ症候群
  ▪ オキシコドンは使ってよいか?
  ▪ 死亡直前の呼吸困難(terminal dyspnea)に対するモルヒネの効果の限界
  ▪ 「オピオイドを終末期に使用しても生命予後に影響しないのか?」の研究
  ▪ 呼吸困難の非薬物療法:看護ケアの重要性
  ▪ 呼吸デバイスの進歩と苦痛緩和:NIVはともかくNHFはどうなのか?

 2 せん妄と身の置き所のなさ(terminal restlessness)
  ▪ 身の置き所のなさ(terminal restlessness)、終末期せん妄(terminal delirium)、精神的苦悶(terminal anguish)
  ▪ せん妄の診断基準:操作診断の価値と限界
  ▪ そもそも終末期せん妄は「病気」なのか?
  ▪ 終末期の幻覚(deathbed vision)と臨死意識、「お迎え体験」
  ▪ せん妄はつらいのか?:患者の体験
  ▪ 家族の体験(1):家族の精神的負担と関連するか?
  ▪ 家族の体験(2):家族はせん妄をどのように体験しているのか?
  ▪ 家族の体験(3):家族自身はどのような感情を持つか?
  ▪ 家族の体験(4):家族はせん妄をなんだと思っているのか?
  ▪ 終末期せん妄における家族のケア(1):家族は医師・看護師になにを求めているのか?
  ▪ 終末期せん妄における家族のケア(2):パンフレットによる介入研究
  ▪ 終末期せん妄に対するケア(1):せん妄の改善を目的とした非薬物的ケア
  ▪ 終末期せん妄に対するケア(2):予防を目的とした非薬物ケア
  ▪ 終末期せん妄の薬物療法(1):エビデンスのまとめ
  ▪ 終末期せん妄の薬物療法(2):今のところの妥当な考え方

 3 気道分泌:死前喘鳴(ゴロゴロ)
  ▪ 死前喘鳴(death rattle)から気道分泌亢進へ
  ▪ 死前喘鳴は苦しくないのか? と自然な死の過程に介入するべきかの議論
  ▪ 薬物療法:抗コリン薬のエビデンス
  ▪ 死前喘鳴を「予防する」という考え方
  ▪ 死前喘鳴に対する家族の体験と希望するケア
  ▪ パンフレットによる説明の効果

 4 パスとアルゴリズム:エビデンスと教訓
  ▪ 看取りのケアをパス化しようという考え
  ▪ Liverpool Care Pathway騒動の教訓:国策に取り入れられたが中止に追い込まれる
  ▪ Liverpool Care Pathway:ランダム化比較試験のエビデンス
  ▪ comfort order set
  ▪ comfort order setのエビデンス
  ▪ 死亡直前期の苦痛に対する薬物療法のアルゴリズム化
  ▪ 尿道カテーテルは入れるべきか?

第3章 望ましい看取り方についてのエビデンス
 1 望ましい看取り方:医師と看護師がするべきこと
  ▪ 死亡確認前後
  ▪ ホスピスでの看取りの実際
  ▪ 家族からみた望ましい看取り方(1):看取り方についての遺族調査
  ▪ 家族からみた望ましい看取り方(2):医師の説明のしかたについての遺族調査
  ▪ 家族からみた望ましい看取り方(3):心理学的実験
  ▪ 望ましい看取り方の文化差
  ▪ お風呂の話
  ▪ 間に合うか・間に合わないかのエビデンス
  ▪ 死亡「後」の話…エンゼルメイク(1):家族に喜ばれるエンゼルメイクと家族の体験
  ▪ エンゼルメイク(2):手は前に縛るものか?
  ▪ エンゼルメイク(3):エンゼルメイクをしてもらった家族が家に帰ってから困ること

索引

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臨床とエビデンスがマッチした,看護実践に役立つ良書
書評者:林 ゑり子(横浜市大大学院・看護学)

 このたび本書の第2版が出版されることを発行前に知り,どのような内容になるのかと待ち遠しく,書籍が届いた後は,やはり初版と同じように,すぐに下線や丸印,付箋ばかりになりました。私が付箋を貼ったり下線を引いたりする部分は,(1)これまでの自身の臨床経験の中で患者や家族に役立ちそうだが半信半疑で実践しているケアについて,最新の研究結果を納得できるよう紹介している部分です。「こんな研究がなされているんだ,テーマに新規性があり,しかも最新データが載っている」という感じで,臨床実践と研究結果がマッチしているところが面白いです。そして,(2)引用文献に加えられた森田達也先生のコメントです。短い文章で研究内容を紹介していることも勉強になるのですが,時折「〇〇が話題になった古典です」「△△を明確にした~~っぽい」などのようなカジュアルなコメントに親近感があり,気に入っています。さらに(3)各章の見出しの部分(エビデンスの要所,臨床でのボトムライン,今後追加されるエビデンス)は多くの臨床現場での状況を映し出しており,私たちの病院の実践の目標値にもなり,安心します。

 第2版では,初版で紹介されている内容も共有されています。例えば,最期のお別れの場面に間に合うか・間に合わないかと,遺族の抑うつとの関連についての研究が紹介されています。看護師として,私は最期の旅立ちに間に合うようにご家族の身体的な疲労を考慮して,あまり早く連絡をし過ぎず,息を引き取る瞬間に間に合うタイミングを見計らって連絡することを心掛けていますが,連絡が間に合わずに先に旅立たれることがあります。間に合わなかった家族に対して,看護師としての判断への自責の念が大きく,責任を感じることが多いのですが,本書には間に合うことが重要なのではなく,お別れが言えているかどうかが,家族の抑うつや悲嘆に影響することが示されています。私たち看護師は,この研究結果にどれだけ救われていることでしょうか。この10年で看護師のグリーフケアの重要性が言われていますが,看護師は最善のケアをしたつもりでも,患者のケアに後悔したり,振り返ったりするたびに「もっと違う方法があったのではないか」と考えることがあります。その意味でも,本書は看護師のグリーフケアに役立つ書籍だと思います。

 本書著者の森田先生より今回の書評執筆のお話を頂いた際には,「林さんのこの領域に関する思いみたいなものも記載してほしい」とのご依頼でしたが,看護師としての私は,緩和ケアは「ケアリングや愛」なのではないかと思うときがあります。このようなことを文字で記載するのは少々気恥ずかしいのですが,緩和ケアは病気は治せないものの,少しでも目に見えない「幸せ」を感じていただけるように,ケアリングを通じて「愛」を注ぐことではないかと思います。ケアリングや「愛」の表現・形はいろいろですが,身体症状緩和に対しては薬物療法や神経ブロック,日常生活の場面における看護師のちょっとした所作が大きいのではないかと考えています。例えば,優しくにっこりした声の掛け方,掛け布団の扱い方でも丁寧で身体に優しく掛ける動作,飲水用の飲み物は患者さんの嚥下や腕の力に応じた容器をセットすること,そっとドアを開閉することなど,いろいろな形があります。温かさや愛が重要だと思います。

 また本書では,第3章の「望ましい看取り方についてのエビデンス」において看護師の看護実践となる入浴の項目が取り上げられており,「終末期の入浴は患者の倦怠感を緩和し,生命予後には影響しないようである」と記載されています。日ごろ,看護師は,ご自身で湯につかる入浴ができない終末期のがん患者さんが,入浴後にリラックスして休養している姿を見て実践しようとしたり,清潔感や快刺激によるがん患者さんの幸せを願い愛護的にケアしたりしています。このように本書では,臨床で実際に経験していることが研究結果として紹介されており,本書を通じて臨床実践とエビデンスがマッチするため,日ごろの実践に役立つことは間違いないです。

 森田先生,白土明美先生がこの素晴らしいバイブルとなる書籍を執筆くださったことに,改めて感謝の思いでいっぱいです。


“最期まで生きる”ことを共に学び,より良いケアの実践につなげる
書評者:田上 恵太(やまと在宅診療所登米/東北大大学院・緩和医療学)

 2023年8月より,仙台市から北に約100 km離れた地方都市にある,やまと在宅診療所登米で院長としての任務が始まりました。同僚の若手医師だけでなく,診療所の看護師や診療アシスタント,在宅訪問管理栄養士,そして同地域の緩和ケアや終末期ケアにかかわる医療・福祉従事者の仲間たちと共に,この土地で「最期までよく生きるを支える」ためにどのような学びが相互に必要かを考えるようになりました。困難に感じることを聞いてみると,亡くなりゆく方々をどのように看ていけばよいかが不安(時には怖いとの声も)との声が多く,まずは診療所内で『死亡直前と看取りのエビデンス 第2版』の共有を始めてみました。実臨床での肌実感をエビデンスで裏付けしている,まさにEBM(Evidence-Based Medicine)に沿った内容でもあり,医師や看護師など医療者たちにも強くお薦めできる内容であると感じています。

 病院看取りが主流になっていた昨今の社会情勢の影響か,これまでに死亡前の兆候を目にしたご家族やスタッフは少なく,不安や恐怖を感じることが多いです。しかし,本書でまず初めに述べられているように,多くの兆候はあらかじめ想定することが可能で,ご家族やスタッフとも事前に共有することができます。そして本書には,このような兆候がなぜ生じるのかをEBMに沿って解説されているだけでなく,緊張が高まる臨死期のコミュニケーションの工夫まで触れられており,医療者だけでなく,その他の関係者にとっても心強いリソースとなります。

 本書は臨死期の情報だけでなく,予後予測や輸液の妥当性,鎮静の考察,意思決定支援に関するコミュニケーション,終末期のWell-Beingや生活の質の保障の考え方,呼吸困難や昏迷,死前喘鳴の症状緩和に向けたアセスメントと病態の考察,死亡直後のグリーフケアからエンゼルケアまでを網羅しています。患者さんやご家族との終末期の療養や医療に関するアドバンスケアプランニングに必要な要素が豊富に取り扱われており,この一冊を通じて新しい視点や考え方を共有し,お互いに高め合うことができます。

 著者のお2人は僕の大切なメンターです。森田達也先生から研究会議やお酒の席で頂くフランクなアドバイスの数々は,まさに僕の羅針盤です。「物事によって検証と実装の順番を考えるべき」など目を覚ますようなアドバイスを常に頂き,自身のキャリアパスにも落とし込んでいます。白土明美先生には年に1回“詣で”ており,焼酎や鶏刺しを片手にお互いの”緩和ケア感”の変化や地域に持つビジョンなど,心の中を共有する時間を共にさせていただいています。このように,客観的な視点に富み,テイラーメイドなケアやマネジメントができるお2人がまとめられた本書は,EBMに沿いながら,個々の葛藤や困難を解決できる手引きとして,多くの方々にとって日々の実践の中での支えや示唆を提供する福音のような存在となるのではないかと感じています。そして本書を中心に,”最期まで生きる”ことを共に学び,そしてより良いケアの実践につなげていただければと願っています。

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