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薬剤師レジデントマニュアル 第3版

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疾患や治療薬に関する基本的な情報に加え、現場で役立つ「薬剤師による薬学的ケア」「処方提案のポイント」も充実したマニュアル。①現場で役立つ実践的な情報を、②箇条書きで歯切れよく、③ポケットに入るサイズにまとめた。総論は調剤、DI、高齢者、検査、薬剤管理指導の要点を簡潔に記載し、各論は感染症、糖尿病、高血圧など主要54疾患を解説。卒後1,2年目の若手薬剤師はもちろん、実務実習の薬学生にもおすすめ。

シリーズ レジデントマニュアル
編集 橋田 亨 / 室井 延之 / 西岡 弘晶
発行 2021年03月判型:B6変頁:400
ISBN 978-4-260-04578-0
定価 3,850円 (本体3,500円+税)

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第3版編集の序

 『薬剤師レジデントマニュアル』初版(2013年刊),第2版(2018年刊)は多くの読者の支持を得てこのたび第3版を刊行する運びとなった.
 初版以来,コモンディジーズの薬物治療を基本とし,薬学的専門性を臨床現場で発揮する上で役立つコンテンツを白衣のポケットに収まるサイズに凝縮する,というコンセプトは変わらない.薬剤師の自己研鑽のガイド役として,新人薬剤師のみならず医療の最前線で活躍する病院・薬局薬剤師にも広く活用されている.
 近年,薬剤師を取り巻く環境は大きな変化を見せている.世界的なCOVID-19パンデミックにより,医療機関,医療従事者への社会の期待は極まり,その役割の重要性が強く認識されるに至った.また,抗ウイルス薬やワクチンへの期待から,新薬の開発から承認,医療現場での使用までの流れが一般メディアでも取り扱われるようになり,いち早く効果的な薬を手に入れたいという思いと,安全性を重視して慎重な取り扱いを求める声が交錯している.そんな中2020年9月には,継続的な患者の服薬状況の把握・薬学的管理の実施を薬剤師に義務付けた改正薬機法が施行された.調剤の概念も大きく変化するに至り,医薬品の安全性・有効性を確保する上で薬剤師への期待はますます高まっている.
 この状況を踏まえて,第3版では本書の特長である,「薬剤師による薬学ケア」に必要な処方チェック,服薬指導,治療・副作用モニタリングに関する事項を充実させ,「処方提案のポイント」は薬剤師がベッドサイドや薬剤師外来で得た経験をもとに強化した.さらに各種診療ガイドラインの更新に対応するとともに,新しく難治性疾患に治療の道を拓いた抗体薬,免疫チェックポイント阻害薬,分子標的薬などのキードラッグを網羅した.これまでと同様,執筆は神戸市立医療センター中央市民病院において高度急性期医療の最前線で活躍する薬剤師や総合診療科の医師が中心となり担当しているが,第3版では執筆メンバーの構成を薬剤師レジデント教育のスキームにならい屋根瓦方式とし,執筆陣に当院の薬剤師レジデント修了者を多く登用し,査読者には既刊を執筆し,現在指導的役割を果たしている薬剤師を配した.すなわち,本書をボロボロになるまで読み込んで自己研鑽した上で,臨床の最前線に身を置くことができた薬剤師に,自らを育てた本書の改訂版を執筆する機会を与えることで,読者目線のきめ細やかさと,そこに吹き込まれる薬剤師魂に期待したものである.
 本書のタイトルの「薬剤師レジデント」に関しては,6年制薬学卒業後に臨床現場において一定のカリキュラムによる実務研修を実施する必要性について議論が高まっており,制度化を視野に検討が進みつつある.今,高まる社会のニーズに応えうる「臨床力」を備えた薬剤師の養成は喫緊の課題であり,本書がその一助となることを願ってやまない.

 2021年1月
 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下の神戸にて
 神戸市立医療センター中央市民病院
 院長補佐・薬剤部長 橋田 亨

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第1章 調剤
 1 調剤総論
 2 服用方法や簡易懸濁法に注意を要する医薬品

第2章 注射
 1 電解質・輸液
 2 注意すべき配合変化

第3章 医薬品情報
 1 DI業務における情報源
 2 情報の収集と提供
 3 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度

第4章 薬物療法を理解するための基礎知識
 1 臨床上重要な薬物動態・薬力学パラメータと薬物相互作用
 2 主な医薬品の薬物動態データ(TDM対象薬物を中心に)

第5章 スペシャルポピュレーションに対する薬物療法の注意点
 1 腎障害
 2 透析
 3 肝障害
 4 小児
 5 妊婦・授乳婦

第6章 高齢者に対する薬物療法の注意点
 1 特徴
 2 ポリファーマシー
 3 ガイドラインと実践的アプローチ

第7章 病態を理解するための主な検査
 1 生化学検査
 2 血清免疫学的検査
 3 内分泌学的検査
 4 腫瘍関連検査
 5 生体検査
 6 画像検査
 7 電気生理学検査
 8 内視鏡検査
 9 聴力検査
 10 視力検査
 11 その他

第8章 フィジカルアセスメント
 1 アセスメント時の基本マナー
 2 外観のアセスメント
 3 バイタルサイン
 4 血圧
 5 脈拍
 6 呼吸
 7 体温
 8 意識
 9 尿量

第9章 薬剤管理指導/病棟薬剤業務
 1 治療開始前
 2 治療開始後

第10章 感染症
 1 呼吸器感染症
 2 尿路感染症
 3 真菌感染症
 4 敗血症
 5 肺結核
 6 HIV

第11章 呼吸器疾患
 7 喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
 8 間質性肺炎

第12章 循環器疾患
 9 急性冠症候群
 10 不整脈
 11 心不全
 12 高血圧

第13章 消化器疾患
 13 消化性潰瘍
 14 クローン病
 15 潰瘍性大腸炎
 16 肝炎
 17 肝硬変
 18 膵炎

第14章 腎泌尿器疾患
 19 前立腺肥大症
 20 慢性腎臓病(CKD)
 21 透析
 22 ネフローゼ症候群

第15章 血液疾患
 23 貧血
 24 DIC(播種性血管内凝固症候群)

第16章 内分泌代謝疾患
 25 糖尿病
 26 痛風
 27 脂質異常症
 28 甲状腺疾患(機能亢進症・低下症)

第17章 膠原病,整形外科疾患
 29 関節リウマチ
 30 骨粗鬆症

第18章 神経疾患
 31 てんかん
 32 パーキンソン病
 33 脳血管障害
 34 認知症

第19章 精神疾患
 35 うつ病
 36 統合失調症
 37 せん妄

第20章 皮膚科疾患
 38 アトピー性皮膚炎
 39 乾癬

第21章 婦人科疾患
 40 切迫早産

第22章 眼科疾患
 41 白内障
 42 緑内障

第23章 耳鼻科疾患
 43 突発性難聴
 44 めまい(末梢性めまい)

第24章 がん
 45 乳がん
 46 胃がん
 47 大腸がん
 48 肝がん
 49 肺がん
 50 悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫,ホジキンリンパ腫)
 51 白血病
 52 多発性骨髄腫
  column 特定薬剤治療管理について
 53 免疫チェックポイント阻害薬

第25章 緩和
 54 オピオイド

付録
 1 緊急安全性情報,安全性速報
 2 重篤副作用疾患別対応マニュアル・疾患リスト
 3 妊婦・授乳婦への薬物投与
 4 ステロイドの力価一覧

索引

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薬学管理の指針として便利。備えておきたい一冊
書評者:宮﨑 長一郎(有限会社宮﨑薬局代表取締役・長崎市)

 薬学教育6年制を経た薬剤師が誕生して10年がすぎた。その数は約9万2000人を超える。この数字は現在医療に従事している薬剤師の約40%に当たる。この間に医薬分業の指標である処方箋発行率は75%を超え,街の薬剤師は処方箋を扱うのが主たる業務になった。また病院では薬剤師が病棟にいるのは特別なことではなくなった。評者が薬剤師になったばかりの1985年頃,薬局薬剤師は医薬分業を,病院薬剤師はクリニカルファーマシーをめざして病棟業務を,それぞれ目標に頑張っていた。それがある程度達成され,教育制度も臨床を重視する6年制へと移行したわけである。

 薬剤師を取り巻く状況の中で免許を取得した新人は保険薬局でも病院でも患者に向き合いながら薬物治療に関わることが日常になっている。しかしながら,保険薬局や病院は薬学生の実務実習を受け入れていくことに精いっぱいで,卒後の研修には手が回らなかったのが実情である。卒後研修は制度的には確立されておらず,オンザジョブトレーニングに頼っているのが現状である。

 その中にあって,本書の編者代表である橋田亨先生は,レジデントプログラムを自らが薬剤部長を務める病院にて制度化し,実践されてきた。その経験から「コモンディジーズに関する薬物治療は頭に叩き込んでおくべきである」という信念の元に編まれた本書は実践的な構成がされており,新人薬剤師にとって必読ともいえる要素が並んでいる。

 ともすれば,こういった薬物治療のマニュアル的な書物は単に疾病の解説と医薬品の説明を詰め込んでいるだけのものが多いが,本書の第1章は「調剤」である。薬剤師の本筋をまず確認した上でDI,TDM,スペシャルポピュレーションに関する注意点へと進み,フィジカルアセスメントまで簡単な解説を掲載した後に疾病の薬学管理へと移っていく。最初の疾患は感染症であり,全ての診療科で等しく薬剤師がアドバイスすべき疾患から導入されているという点が現場を知り尽くした編者の配慮と感じた。

 疾病に関する項目も,単に疾患の解説と薬物療法を記述するだけでなく,病態,標準処方例の後には,「薬剤師による薬学的ケア」や「処方提案のポイント」を設け,薬剤師の視点から薬物療法を的確に遂行するための行動指針を示している。

 本書の記載は簡潔でかつ丁寧であり,新人薬剤師にとってみれば現場の手の届くところに携えておくと便利な書物といえる。また保険薬局の薬剤師にとっても薬学管理の指針として便利であることには違いなく,備えておきたい一冊である。


現場の薬剤師の視点や臨床経験が十分に盛り込まれた一冊
書評者:筒井 由佳(日本病院薬剤師会副会長/近森病院薬剤部長)

 「6年制の薬剤師にふさわしい業務にしなければ」。この思いは私たち臨床現場で勤務する薬剤師が業務を大きく変化させる原動力の一つとなりました。もっと臨床に強くなり,治療に参加するにはどうすればいいのか,薬剤師が病棟で活躍するためには何が必要なのか,多くの施設で考え,模索し続けた結果,他職種から「病棟になくてはならない存在」と言われる現在の病院薬剤師の姿があります。そしてその活躍の場は外来や連携,地域といった多方面に広がりを見せています。

 業務の広がりは新人教育にも影響しています。6年制の大学を出たからといって新人薬剤師がすぐに現場で活躍できるものではありません。薬剤師の働く場が調剤室の中だけであった時代とは比較できないほど,薬剤師が身につけるべき知識,技術は広く,深くなりました。本書はそのような膨大な情報の中から薬剤師が知っておくべき情報をコンパクトにまとめ,現場で活用できることを重視し,実践的に記述されています。

 多くの読者の支持を得て刊行された待望の第3版。執筆陣に薬剤師レジデント修了者が多く登用され,査読者には既刊を執筆し,現在指導的役割を果たしている薬剤師が配された本書の最大の強みは,本書をこれまで利用してきた薬剤師が利用者の目線を第一に執筆したことにあります。

 総論では調剤からスペシャルポピュレーションに対する薬物療法の注意点,フィジカルアセスメントなどがすぐそばの患者の存在を意識して解説されており,大学で学んだ知識と現場を結びつける役割を果たしてくれます。各論は主要疾患について復習・確認ができ,治療ガイドラインや標準治療のアルゴリズムの記載と合わせて,医師の処方意図を理解しやすいよう構成されています。また「薬学的ケア」や「処方提案」の項には現場の薬剤師の視点や臨床経験が十分に盛り込まれ,まさに執筆された先生方の仕事ぶりが伝わる魂のこもった一冊となっています。

 若手薬剤師はもとより中堅薬剤師も苦手分野や経験不足な領域の復習,アップデートに役立てることができます。そして高齢で併存疾患を多く抱える患者が増加するこれからの医療現場において,専門医をサポートして併存疾患の薬物療法に対応する場面や混合病棟でさまざまな領域の疾患に介入する状況では,全ての薬剤師が一定レベルでアセスメントからアプローチまで迷いなく進めるよう手助けしてくれる本書は非常に心強い存在になるでしょう。

 本書を手にした皆さんには,これをポケットに入れて患者のそばまで足を運び,薬物療法の経験を積み重ねることで「いつもと違う」「何かおかしい」に気付ける薬剤師として,臨床の場で活躍していただきたいと思います。


白衣のポケットに忍ばせておきたい頼りがいのある一冊
書評者:寺田 智祐(京大教授・薬学/京大病院薬剤部長)

 6年制薬学教育を受けた薬剤師が初めて社会に進出してから今年(2021年)で10年目となった。近年では,新人薬剤師に対してレジデント制度を導入している病院も珍しくはない。3月に薬剤師国家試験に合格し,びっしりと詰め込まれたはずの知識も,いざ現場に出てみると,全く太刀打ちできず,自分の無力さを痛感するというのは,新人薬剤師の誰もが経験することだろう。そんな新人薬剤師にとって,本書『薬剤師レジデントマニュアル 第3版』は,白衣のポケットに忍ばせておきたい頼りがいのある一冊である。

 本書は,前半は総論として,調剤やDIをはじめ,近年注目されている高齢者におけるポリファーマシー,透析患者や妊婦・授乳婦などのスペシャルポピュレーションに対する薬物療法などについて,簡潔にまとめられている。後半では,感染症や糖尿病など主要54疾患について,患者の状態把握,標準的処方例,薬学的ケア,処方提案のポイントなどが項目立ててまとめられている。疾患ごとの項では,最新の各種診療ガイドラインの内容が図表で掲載されており,ポケットサイズから想像する以上に充実した内容となっている。

 近頃では,医師の処方内容を薬学的専門家の立場からチェックすることもさることながら,継続的な患者の服薬状況の把握や薬学的ケア,多職種と協働したチーム医療での処方提案など,薬剤師に求められる能力は非常に多岐にわたるものに変化してきている。「薬剤師による薬学的ケア」「処方提案のポイント」の項目には,そんな薬剤師に求められる視点が盛り込まれており,本書の魅力の一つと言えるだろう。

 本書は,現場経験の少ない「レジデント」はもちろん,中堅以上の薬剤師であっても,専門ではない領域の確認にも活用できる一冊となっている。また,近年では,「地域薬学ケア専門薬剤師」など薬局薬剤師にも幅広い領域の薬物療法に関する知識が求められており,病院薬剤師のみならず,薬局薬剤師にとっても必携のバイブルとなるだろう。

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