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ジェネラリストのためのこれだけは押さえておきたい皮膚外用療法

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皮膚疾患を治療するにあたって、最低限押さえておきたい外用療法のポイントをわかりやすく説き起こした1冊。塗り方、用量、基剤の使い分け、古典的外用薬、ドレッシング材、洗浄剤、化粧品、市販衛生材料など、外用療法の基本から解説。新薬など診療の幅を広げる外用薬は特論として取り上げた。日常診療でよくみる疾患は、診断・治療プロセスから具体的な処方例までコンパクトにまとめている。臨床現場で今すぐ使える知識が満載!

シリーズ ジェネラリストのための
安部 正敏
発行 2023年04月判型:A5頁:276
ISBN 978-4-260-05023-4
定価 4,620円 (本体4,200円+税)

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序 INTRODUCTION

 7年前,筆者は医学書院より『ジェネラリストのためのこれだけは押さえておきたい皮膚疾患』を上梓した。全国に名を轟かす高名な医学者でも何でもない一臨床医である筆者なんぞの単著である。売れるどころか医学書院のお荷物になることは確実と思われ,同社の見通しの悪さを誰よりも憂いたのが筆者であった。ところが,蓋を開けてみると,あにはからんや,かかりつけ医の先生方を中心にご好評をいただき,筆者は有頂天になってしまった。無論,これは実際にお買い求めいただいた先生方のご厚志の賜物であるが,本書を企画した医学書院の慧眼である。
 さらに驚くべきことに,熱心な読者から続編の要望が寄せられた。幸甚の極みである。しかし,浅学菲才な筆者はそうそうアイデアもなく,ならば『ジェネラリストのためのこれだけは押さえておきたくない皮膚疾患』はどうかと企んでいたところ,医学書院天野氏からジェネラリストに役立つ外用療法の単著を依頼された。
 近年,外用療法についての書籍は徐々に増え,自己学習も容易になったが,その多くは共著である。共著の強みは多数のスペシャリストがきめ細かく記載するため専門性が高くなることである。しかし,その反面,時に臨床現場でのコツを学ぶうえで緩急が付きにくいところが難点である。
 そこで,本書は単著のメリットを活かすべく以下の点を意識して執筆した。

  1. 総論,各論,特論に分けている。外用療法学の根幹を総論で学び,臨床現場での実践を各論に求め,知って得する最新情報を特論で身につける構成とした。
  2. 医師は多忙である。各項目はコンパクトにまとめ,ちょっとした空き時間に学んでもらえるようにした。
  3. あえて古典的外用薬を多く取り上げた。現代医学の進歩は光陰矢のごとしであり,ついつい近年開発された薬剤にばかり目が行きがちである。しかし,医療資源が限られる在宅医療の現場では,安価で安全性の高い古典的外用薬は,読者諸氏の大きな武器になると確信している。
  4. 一方,新たな外用薬の知識も重要であることは論をまたない。新発売の外用薬がある程度出揃ったタイミングで出版することとし,現代の外用療法学を極力網羅した。
  5. 記憶に残りやすいように各項目のタイトルをあえて一般誌の見出しのごとくした。また,各項目における重要事項を「ここで学ぶべきこと」として文頭に配した。
  6. 何より臨床現場ですぐに役立つように,実際の製品写真を可能な限り掲載し,ビジュアルでの理解を重視した。

 ジェネラリストであれば,皮膚科専門医紹介への分岐点を十分認識する必要があり,それが良医の条件となろう。本書がその一助になれば幸甚の極みである。
 最後に本書を一貫して担当いただいた医学書院天野貴洋氏,快く製品写真を提供いただいた各製薬会社担当の皆様,筆者の上司である根本治先生,他科領域より貴重なご助言を頂いた大宮朗先生,植田一吉先生,そして筆者を医学の道に誘ってくれた父安部正之にこの場をお借りして深謝する次第である。

 2023年年頭 一面の銀世界の札幌にて
 安部正敏

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イントロダクション
 筆者独断! ジェネラリストの診療の幅を広げるこの10剤!

総論 外用薬の基本
 外用薬の構造
  外用薬は薬効のみで決めてはならない!
  外用薬は名前のみで決めてはならない!
  外用薬は皮膚の構造を知らずして使用してはならない!
  外用薬は軟膏だけではない!
  外用薬は勝手に混ぜてはならない!
  外用薬使用には配合剤を知らねばならない!
 外用薬の使用法
  外用薬は混合剤を使用してはならない!
  外用薬は部位を考えて使用しなければならない!
  外用薬はただ塗るだけでは効果が得られない!
  ドレッシング材はどれでも同じではない!
  外用薬の用量は「適量」と指導してはならない!
 外用療法の工夫
  ジェネラリストこそ古典的外用薬を活用すべし!
  塗り薬だけが保湿薬ではない!
  透析の瘙痒に外用薬だけで対応するのは無理なのかも?
  飲む日焼け止めだけでは日焼けは防げない!
  洗浄剤は工夫して用いなければドライスキンになる恐れも!
  ストーマ管理にはスキンケアの知識が必須!
  固定方法も外用理論に則ることが重要!
  化粧品も立派な外用薬!
  市販の衛生材料を活用しよう!

特論 知っておきたいこのくすり!
  単なる泡ではない! ドボベット®フォーム
  ジェネラリストであれば抗菌薬を使いこなそう!
  アトピー性皮膚炎治療外用薬を使いこなす!

各論 外用薬はこう使う!
  乾燥肌
  接触皮膚炎
  アトピー性皮膚炎
  皮膚瘙痒症
  痒疹
  手湿疹
  伝染性膿痂疹
  脂漏性湿疹
  尋常性乾癬
  蕁麻疹
  尋常性痤瘡
  白癬(水虫)
  疥癬
  陥入爪
  丹毒・蜂窩織炎
  帯状疱疹・単純疱疹
  日光角化症
  イボ
  褥瘡
  熱傷
  ウオノメ・タコ
  水疱性類天疱瘡
  原発性腋窩多汗症

索引

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一歩進んだ皮膚外用療法の実践に生かせる必携書!
書評者:関根 祐介(東医大病院薬剤部)

 外用療法の歴史は古く,人類が疾病を認識した時代より使用され続けています。直接患部へ投与量を調節しながら使用ができるため,利便性が高く,なじみ深いものといえます。一方で,治療効果への不満や行為の不便さ,不快感,副作用への不安などの問題もあり,これらはアドヒアランスの低下につながるとされています。そのため,外用療法は,その特徴を理解し,適正使用を実施することが成功の鍵となります。

 本書は,ジェネラリストにとって「これだけは押さえておきたい」外用療法について,外用療法に用いられる製剤の特性や疾患別の使用方法などが,わかりやすくまとめられています。特にお薦めするポイントを以下にまとめます。

◆外用療法の基礎と各製剤の特性

 外用療法に用いられる製剤にはさまざまな剤形があり,それらは主薬と基剤から構成されています。主薬の役割も重要ですが,直接皮膚に接する基剤の役割も重要です。本書では,剤形や基剤の特徴が記載され,軟膏の混合処方についても解説されています。外用薬の各論として副腎皮質ステロイド薬・免疫調整薬・非ステロイド系抗炎症薬・抗ヒスタミン薬・抗菌薬・<75E4>瘡薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬・褥瘡潰瘍薬・抗悪性腫瘍薬・乾癬角化症薬などについて,製品写真・特徴・使用方法・注意点などが解説されています。また,医薬品のみならず,保湿剤・創傷被覆材・日焼け止め・衛生材料などについても掲載されています。さらに,外用療法の使用法・固定方法も解説され,臨床に大いに役立つものとなっています。

◆疾患別の外用療法の使用方法

 乾燥肌,アトピー性皮膚炎,蕁麻疹,尋常性乾癬,丹毒・蜂窩織炎,白癬(水虫),帯状疱疹・単純疱疹,褥瘡など23疾患の外用療法について,診断・治療のプロセスや処方例が解説されています。診断のプロセスとして,疾患の写真やその特徴,検査などがわかりやすく説明されています。治療のプロセスとして,全身療法・外用療法にとどまらず,生活指導やアドヒアランス向上のコツなども解説され大変有意義な内容です。処方例では全身療法・外用療法について,具体的な処方例が掲載されて,日常の診療に生かすことができます。また「安部の実践」として安部正敏先生の臨床現場でのコツを学ぶこともできます。

 本書は,外用療法のエッセンスを短時間でつかめるように,読みやすく工夫されており,外用療法に携わる全ての方が,一歩進んだ実践をするために,お手元に常備いただきたい一冊です。


老舗うなぎ屋が秘伝の蒲焼きたれのレシピを公開したような珠玉の一冊
書評者:宮地 紘樹(掛川東病院院長)

 皮膚科学はジェネラリストにとって重要な分野であり,日々の診療において多くの患者が皮膚トラブルに直面している。そのため,皮膚疾患に対する適切な外用療法を知っておくことは,ジェネラリストにとって極めて有益と言える。

 本書は,皮膚科臨床現場の第一線で活躍する著者が,ただ知識を共有するだけにとどまらず,ジェネラリストの立場を深く理解した上で内容構成したものとなっている。そのためすぐに現場で使えるという点においては,他の教科書とは一線を画するものである。

 構成もユニークで,まず本を開くと「筆者独断! ジェネラリストの診療の幅を広げるこの10剤!」というイントロダクションから始まる。これは料理で言えば,素人でもプロの味に近づけるちょっとしたコツを公開したものであり,知識を独占しないという著者の太っ腹な愛情が感じられた。ぜひここだけでも持ち帰ってほしいという知識が込められている。

 続く総論では,外用薬の基本を簡潔かつ十分に伝えている。混合薬処方のメリットやデメリットなどは,全ての医師が知っておくべき知識だろう。また日常の診療ではキャッチアップが困難な新外用薬についても触れられており,基本を復習しながら自然と知識のアップデートにもつながるうれしい内容構成だ。

 各論では,実際に臨床の現場でよく出合う疾患別に診断・治療のプロセスを学ぶことができ,具体的な処方例も記載されている。外来診察にとどまらず,訪問診療でのシチュエーションにも言及されており,高齢化が進む昨今の医療状況に沿ったアドバイスが豊富である。また使用する外用薬は,医薬品だけでなく化粧品や市販の衛生材料も写真と共に掲載されており,皮膚科を専門としない医師が患者に寄り添ったアドバイスをする際に役立ちそうだ。

 全体を通して,ついつい患者さんに話したくなるような診療のTIPSが満載で,ジェネラリストが皮膚疾患に対峙する際の強力な助っ人になることは間違いないだろう。

 

 

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