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マタニティ診断ガイドブック 第6版

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マタニティ診断は、出産前後の女性とその家族がよりよい状態で過ごせるためのケアの指針となるものである。本書は助産および母性看護で活用できる診断名、定義、診断指標を提示し、その参考となる資料を添えており、臨床や実習で活用できる書。今回の改訂では、妊娠期から産褥期の診断名の変更、分娩経過にそった診断類型の並び替え、出産後1か月以降を対象とした産後期の診断の追加など、現場の状況に合わせて刷新している。

編集 日本助産診断実践学会
発行 2020年12月判型:B6変頁:256
ISBN 978-4-260-04329-8
定価 2,970円 (本体2,700円+税)

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第6版の序

 1990年,助産師教育課程に助産診断学が組み込まれたのを契機に,東京都内および近県の助産師教育機関教務主任部会で助産診断の確立を目指して検討を始めました.その主任部会でのメンバーを中心として1997年12月に日本助産診断・実践研究会を設立し,毎月の研究会で妊娠期から新生児期までの診断名の開発・検討を重ねてきました.開発した診断名を日本助産学会などで発表し,臨床と教育の双方の現場からの意見を伺いながら,約14年の熟成期間を経て2004年に本書の初版を出版することができました.それから早くも15年余りが経過し,その間,内容のブラッシュアップに努め,時代に即したものになるように改訂を重ねて,今回第6版を発行することができました.
 今回の改訂では,編集母体を日本助産診断・実践研究会から,日本助産診断実践学会と学会組織にして,科学的根拠をもった診断名の精選に努めています.日本助産診断実践学会は研究会を発展的に解消して2018年に設立しました.研究会のメンバーの多くは学会の理事として継続して編集にかかわっています.
 また,改訂するにあたっては,いくつかの見直しをしています.1つは妊娠期と産褥期の健康生活診断名と診断指標を,信頼性・妥当性を検証することによって新たな尺度として組み直したことです.これまでの経緯では言葉の意味づけをしていくなかで,試行錯誤していた指標が因子分析によって整理されました.診断名の表現も「している」「できている」という表現を「良好」「適切」と明確にして,記載しやすい表現にしました.また,妊娠・分娩・産褥期に共通する指標に合わせて,各期の特徴的な指標を追加しました.
 2つ目は経過診断の整理で,妊娠期と産褥期は母体の状態の類型に診断名をまとめて,類型の整理をしました.分娩期の経過診断は,分娩期に特徴的な骨産道・軟産道,娩出力,胎児という分娩三要素を確実に診断できるよう整理しました.分娩期の類型は妊娠期・産褥期の類型とは異なりますが,分娩期の特徴が示せたと思っています.
 3つ目は新たに産後期を追加したことです.2019年12月に母子保健法が改定され,産後ケアの充実が求められています.産後期にかかわる看護職が対象の母子を確実に診断でき,必要なケアの提供ができるように地域で生活する視点から診断名を開発しました.2018年からの短い期間に,最初に作成した診断名を首都圏の助産師を対象に調査し,2019年の第2回日本助産診断実践学会のワークショップで意見交換した後,メンバー間で再度吟味し,編集委員で見直して加筆修正して作り上げたものです.今回,本書で初めて公表しますので,産後ケアを推進されている施設で是非とも使用していただきたいと思っています.
 現在,NANDA‒Iに診断名を6つ登録していますが,今後も新しい診断名を申請できるように検討を続けていく予定です.
 本書は,新しい診断名を入れて生まれ変わりました.これまで以上に活用していただき,忌憚のないご意見・ご提案をいただければ幸いです.

 2020年11月
 日本助産診断実践学会 理事長
 著者代表 齋藤 益子

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妊娠期のマタニティ診断
 妊娠期の経過診断(GP) 5類型と29の診断名
  1.妊娠の確定
  2.分娩予定日・妊娠時期
  3.母体の状態
  4.胎児の状態
  5.胎児付属物の状態
 妊娠期の健康生活診断(GH) 4類型と40の診断名
  1.基本的生活行動
  2.精神・心理的生活行動
  3.社会的生活行動
  4.出産育児行動

分娩期のマタニティ診断
 分娩期の経過診断(LP) 9類型と53の診断名
  1.分娩時期
  2.分娩開始
  3.分娩経過
  4.分娩3要素
  5.分娩機転(回旋)
  6.母体の状態
  7.胎児の状態
  8.分娩予測
  9.分娩直後の状態
 分娩期の健康生活診断(LH) 4類型と26の診断名
  1.基本的生活行動
  2.精神・心理的生活行動
  3.社会的生活行動
  4.出産育児行動

産褥期のマタニティ診断
 産褥期の経過診断(PP) 2類型と10の診断名
  1.産褥日数
  2.母体の状態
 産褥期の健康生活診断(PH) 4類型と36の診断名
  1.基本的生活行動
  2.精神・心理的生活行動
  3.社会的生活行動
  4.出産育児行動

新生児期のマタニティ診断
 新生児期の経過診断(NP) 4類型と16の診断名
  1.日齢
  2.出生直後の状態
  3.早期新生児の状態
  4.新生児の経過
 新生児期の健康生活診断(NH) 2類型と12の診断名
  1.養護
  2.環境

産後期のマタニティ診断
 産後期の経過診断(PDP) 4類型と14の診断名
  1.産後の月数
  2.母体の状態
  3.児の月齢
  4.児の状態
 産後期の健康生活診断(PDH) 3類型と14の診断名
  1.精神・心理的生活行動
  2.社会的生活行動
  3.出産育児行動

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