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第3376号 2020年6月22日


ポストCOVID-19時代の看護研究者の在り方を問う
第8回看護理工学入門セミナーの話題より


 第8回看護理工学入門セミナー(主催=東大大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター)が5月2~5日,「『治す医療』から『支える医療』への転換――ポストCOVID-19時代を見据えた次世代の研究手法」をテーマに開催された。昨年まで本セミナーは2日間16時間におよぶ特別講義の形式で行われていたが,COVID-19の影響を受け,講師全員が自宅から配信するウェブセミナー形式での開催となった。

 看護科学を志す研究者である看護教員は今何をすべきか。「ポストCOVID-19時代に求められる看護理工学の未来像」をテーマに基調講演を行った真田弘美氏(東京大大学院)は,講演冒頭,自身が主宰する教室のWebサイトに公開したメッセージを紹介1)。「アカデミアにいる私たちだからこそできることがある」と訴えた。その上で,看護教員に今求められる役割について,①教育の質の担保をすること,②研究の手を止めないこと,③新しい自分を見いだすことの3点が重要になると示した。対面授業を行うことができない現在,新たな教育の形の創造が急務と氏は主張し,5年後,10年後の看護研究の未来を担う学生の教育を最優先に考えるべきとした。

 また,これまで新技術と評されてきた遠隔コミュニケーションツールやロボティクス,AIなどの将来についても言及。COVID-19によって人との接触が制限されたことで,これらの技術は急速に臨床に浸透し,今後は標準と位置付けられた「デファクトトスタンダード」の技術として導入されるとの見解を示した。

 さらに氏は,食事や排泄をはじめとした患者の自律した健やかな生活をリモートで支える看護学が今後ますます要求されるとし,「オリジナリティ溢れた新たな研究の視点,いわゆるケアイノベーションが求められる」と発表を締めくくった。

参考文献・URL
1)COVID-19との戦いに打ち勝つために今できること.