医学界新聞

2013.07.08

Generalistについて語る場を

関西若手ジェネラリスト・フェスティバル開催


 関西にゆかりのある医学生,初期研修医,後期研修医ら約100人が集まり,関西若手ジェネラリスト・フェスティバルが6月2日,キャンパスプラザ京都(京都市下京区)において開催された。

◆関西に新たなネットワークを作りたい

Work shopのもよう。「Generalist」から想起されるキーワードをめぐって,活発な議論が行われた。
 「初の試みではないか」とオープニングのあいさつで述べた実行委員長・中山明子氏(西淀病院)によると,開催のきっかけは,家庭医である氏と病院総合医である佐田竜一氏(天理よろづ相談所病院)との意見交換だったという。「互いにジェネラリストとしての活躍の場は今後も広がっていくが,キャリアパスについてはまだ十分に提示されていない」「関西ではGIM(General Internal Medicine)の研修会は数多く開催されているが,FM(Family Medicine)は根付いておらず,活躍の場もまだ少ない」という現状の課題を前に,「GIMとFMが手を組み,関西でGeneralistについて語れる場,新たなネットワークを構築していきたい」との発案から開催に至った経緯を紹介した。

◆Generalistは同床異夢ではなく大同団結を

 基調講演では松村理司氏(洛和会音羽病院)が「超高齢者社会のジェネラリストはClinician-educatorで!」と題し,呼吸器外科医から総合診療医へと進んでいった自身のキャリアを紹介した。医師のキャリアをワイングラスの形状に例え,最初は幅広い知識と技術で土台を固めてから専門性を高めていき,その先さらに広がりのある熟練した医療を提供していくことが求められると説明。総合医の育成に当たっては,病院総合医や家庭医に限らず,還暦前後の勤務医,老年科医や小児科医などの専門医も取り込んでいかなければならず,「大同団結が必要だ」と参加者らにエールを送った。

 「Work shop」では,Generalistに関するキーワードを集め,GIMとFM,両者の共通点を探り,これからのGeneralist像を描いていった。

 実行委員の一人である錦織宏氏(京大医学教育推進センター)は,「社会科学的に質的研究を応用して実施したこのWork shopは,Generalistのキャリアを"見える化"する意味もある」とその有益性を語った。また,「GIMとFMは歴史的にみて別物という印象が強いが,日本ではプライマリ・ケア連合学会が発足して両者を統合しようという動きがある。このWork shopを通してその可能性があることを,参加者たちに実感してほしい」と結果に期待を寄せた。

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