医学界新聞

2009.12.14

第13回看護診断研究会公開セミナー開催

看護診断の実践への適用をめざし,グループワークで演習


黒田裕子氏
 看護診断研究会(NDC,代表=北里大・黒田裕子氏)が主催する第13回公開セミナーが,さる11月7日,品川イーストタワー(東京都品川区)で開催された。NDCでは年に1度,公開セミナーを開催しており,今回も例年通り「NANDA-I,NIC,NOCの実践への適用」をテーマとして,全国から120人の参加者が集まった。

受講者のレベルに応じて2コースを設定

 セミナーは,初級者を対象とした「看護診断コース」,および中級者を対象とした「NNNコース」の2コースが設けられ,いずれのコースの参加者にも同一の事例が事前に提供された(65歳男性,既往歴として高血圧・糖尿病等があり,以前より患っていた特発性間質性肺炎の症状が悪化,他院にて症状の改善が期待できないと告げられ,自主的に転院し入院となったケース)。その事例に基づき「看護診断コース」では13領域のアセスメント,全体像の作成,NANDA-I看護診断の選定を到達目標とし,「NNNコース」ではそれらに加え,NOC(看護成果),NIC(看護介入)の選定を到達目標とした。

 冒頭,黒田氏による導入講義が行われ,事例について考える上で必要となる「病者役割行動の理論」,「ストレス・コーピング理論」について解説。それらの理論から,アセスメントをするためのポイントを示した。

グループワークを通じてNNNへの理解を深める

 黒田氏から示された議論のポイントに基づき,7-8人ずつのグループに分かれて4時間半にわたってグループワークを行った。各グループには,NDCのメンバーがファシリテーターとして配置された。その後,NDCから「あくまでも1つの見解」とした上で看護診断の選定,診断指標・関連因子の検討およびNIC,NOCを導き出すプロセスについて,具体的な説明がなされた。

 今回のセミナーは,プログラムの大半をグループワークに充てたが,これは過去に開催されたセミナーにおいて,「グループワークにできるだけ多くの時間を割いてほしい」という要望が多かったためである。参加者からは「グループワークによっていろいろな見解を聞くことができ,アセスメントをじっくり行えた」などの感想が寄せられた。

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