医学界新聞

2008.08.11



“皆が安心できるお産”を語る
――日本医療学会による市民シンポジウム開催


 昨年9月,“国民による国民のための医療を実現する”という趣旨のもと,「日本医療学会」が設立された。本学会の特徴は,医療職者だけでなく,医療・健康に関心を有する人であれば誰でも参加できる点である。また,参加者が一堂に会する集会だけでなく,インターネット上での討論会(eシンポジウム,e会議室)や,議論の根拠資料などを自由に閲覧できる電子図書館(eライブラリ)を設けるなど,さまざまな試みを行っている。

 その活動の一環として,さる7月19日,市民シンポジウム「みんなが安心できるお産を目指して――役割分担と協調」(座長=愛育病院・中林正雄氏,日本小児科学会小児医療改革・救急プロジェクト委員長・中澤誠氏)が,日本教育会館(東京都千代田区)において開催された(写真)。本紙では,そのもようを報告する。

お産をめぐる現状の共有から

 シンポジウムではまず,座長の中林氏が基調講演を行った。そのなかで,2007年に行われた日本産婦人科学会の調査結果を提示。非常に安心・安全だと認識されているわが国のお産について,実際には妊産婦250人に一人が死に至る危険性をはらんでいると述べた。

 また,産科医不足がもたらしている現状について触れ,愛育病院における産科オープンシステムの構築を紹介。同院の設備とスタッフを地域の診...

この記事はログインすると全文を読むことができます。
医学書院IDをお持ちでない方は医学書院IDを取得(無料)ください。

開く

医学書院IDの登録設定により、
更新通知をメールで受け取れます。

医学界新聞公式SNS

  • Facebook