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特集 遠隔リハビリテーション治療・支援のさらなる展開
ISSN | 0386-9822 |
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定価 | 2,530円 (本体2,300円+税) |
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特集 遠隔リハビリテーション治療・支援のさらなる展開
新型コロナウイルスの感染予防や感染拡大防止対策がわが国においてもいまだ必要とされているなか,コロナ禍を克服すべく,遠隔医療のさらなる普及を推進するための施策が進められています.リハビリテーション医療においてもinformation and communication technology(ICT)を活用したさまざまな取り組みが行われ,その可能性は広がってきており,今後ますます,遠隔リハビリテーション治療の発展・普及が期待されます.本特集では,遠隔リハビリテーションについて,実践に必要なデバイスやシステム,進め方の工夫,今後の課題を含めて解説していただきました.
現状と課題 長谷川 高志 氏
遠隔リハビリテーション医療では医師だけでなく,理学療法士などのリハビリテーション専門職種がかかわる.つながりの形態には,医療職から医療職,および医療職から患者の2つに大別される.遠隔医療は医師法や医療法のもとで運用され,提供対象や手法の適切な管理が求められるが,遠隔リハビリテーション医療の制度や政策面での検討は進んでいない.社会実装には,システム技術に加えて,提供者の人的運用,経済性や効率性の観点が欠かせない.
回復期遠隔心臓リハビリテーションの効果的な進め方 網谷 英介 氏
遠隔心臓リハビリテーションには,患者の循環状態や運動強度の情報に基づいて運動療法を安全に実施することに加えて,疾患管理に関する教育資材を提供してライフスタイルの改善を手助けする仕様がある.著者らが実施した多施設研究では,心臓疾患の回復期に遠隔デバイスを用いた監視下運動療法により運動耐容能が改善することが確認された.ただし,患者側の多様なニーズに対応できる反面,医療者側の負担はふくれあがる可能性がある.
遠隔呼吸リハビリテーションとセルフマネジメント支援 植木 純 氏ら
遠隔呼吸リハビリテーションの効果については,2021年のCochrane Systematic Reviewsや2022年のランダム化比較試験において報告されている.リスクマネジメントでは,運動開始基準や運動中止基準を患者ごとに定めて遵守してもらう必要がある.セルフマネジメント支援のコアであるセルフマネジメント教育は呼吸リハビリテーションプログラムに不可欠な構成要素であり,ICTの導入によって,今後大きく改善される可能性がある.
摂食嚥下リハビリテーションにおけるオンライン診療の活用 菊谷 武 氏ら
オンライン診療では,摂食嚥下障害患者の普段の食事場面を観察し,支援者である家族から食事に関する困りごとや食事時間などを聴取することができる.また,嚥下内視鏡検査などの画像を遠隔の専門医と共有し,専門医からアドバイスを受けることができる.本稿では,患者宅に多くの医療スタッフが集まることを避けなければならなかったCOVID-19蔓延期に,著者らが実施したオンライン診療による摂食機能療法の効果について紹介されている.
慢性疼痛と新たな遠隔認知行動療法の動向 田口 佳代子 氏
著者らが開発した,テレビ会議システムを用いてセラピストと取り組む慢性疼痛に対する認知行動療法(cognitive behavioral therapy:CBT)プログラムを1回50分程度,週1回で計16回実施すると,主観的な痛みの強さは有意に改善しなかったが,破壊的認知,日常生活障害度,抑うつ,不安は有意に改善した.本稿では,このCBTプログラムに加えられている独自のコンテンツのうち,イメージ書き直し技法の進め方について紹介されている.
職業リハビリテーション 清野 絵 氏
コロナ禍により就労系紹介福祉サービス事業所が行った在宅訓練は増加し,一次就労した障害者のうちテレワークの就労者は増加し,障害者を雇用する企業ではテレワークが半数以上に上った.本稿では,遠隔職業リハビリテーションを実践するうえで参考となる取り組みが,就労支援のオンライン化,在宅訓練の切り替え,オンライン面接とテレワーク開始の支援,テレワークへの切り替えに分けて紹介され,想定される課題と対応例についてまとめられている.
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価格については医書.jpをご覧ください。
特集 遠隔リハビリテーション治療・支援のさらなる展開
現状と課題
長谷川 高志
回復期遠隔心臓リハビリテーションの効果的な進め方
網谷 英介
遠隔呼吸リハビリテーションとセルフマネジメント支援
植木 純,他
摂食嚥下リハビリテーションにおけるオンライン診療の活用
菊谷 武,他
慢性疼痛と新たな遠隔認知行動療法の動向
田口 佳代子
職業リハビリテーション
清野 絵
●巻頭言
町蔵とマライ
植村 修
●入門講座
リハビリテーションロボット ③
下肢訓練支援ロボット
辻 桐子,他
小児リハビリテーションに必要な評価法 ③
田中ビネー知能検査V
中村 淳子
●実践講座
リハビリテーション治療に生かすエコー ③
脊髄損傷者におけるエコーを用いた褥瘡検診
幸田 剣,他
●研究と報告
回復期脳卒中患者における高頻度rTMS刺激が麻痺側上肢機能に与える効果──ランダム化クロスオーバー比較試験
佐藤 智仁,他
スライディングボードへの荷重と前傾角度──形状による違い
片本 隆二,他
●YouTubeの使えるコンテンツ/アプリの紹介 ⑧
発達支援のためのアプリ
髙橋 知義,他
●物理療法update ⑥
超音波治療
瀧口 述弘
●摂食嚥下機能障害のリハビリテーション治療の倫理的な葛藤 ②
嚥下障害をめぐる臨床倫理コンサルテーションにおける「倫理的な葛藤」
板井 孝壱郎
●専門職からみた第49回H.C.R.(国際福祉機器展)レポート vol.1
①H.C.R.とは/移動・移乗用具
田治 秀彦
②車椅子
粂田 哲人
●Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
太宰治の『東京だより』──障害者文学としての太宰文学
高橋 正雄
●Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「かば」──排除から包摂への道程において求められるのは「理念」の「実践化」である
二通 諭
●私の3冊
鈴木 勇気
●学会印象記
第44回 総合リハビリテーション研究大会
吉井 勇
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