臨床外科 Vol.78 No.1
2023年 01月号

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 免疫チェックポイント阻害薬が,がん診療の日常診療として使われるようになってから,まだ日が浅い.しかしながら,最近では,次々に新たな薬剤,抗CTLA-4抗体,抗PD-L1抗体なども登場し,その適応も着実に広がっている.これまでは,標準治療が終了した症例が主に対象になっていたが,術後補助療法のみならず,一次治療としても保険適用になってきている.その状況下,外科医自身が処方する場面も多くなっているものと思われる.ただ,従来の化学療法薬とは異なる有害事象,副作用も発生してしまい,その対応も従来の薬剤とは異なる治療が求められている.日進月歩の領域であり,今後も新たな展開をみせることも間違いない.外科医はcatch upしていくこと自体に難渋してしまう可能性もある.
 本特集は,外科臨床現場で適切・的確に免疫チェックポイント阻害薬を使っていただくために企画された.時として重篤な有害事象も発生してしまうが,恩恵を受ける患者さんが多数いることも間違いない.がん診療における免疫チェックポイント阻害薬の意義・役割を十二分に理解していただくための一助となれば幸いである.

ISSN 0386-9857
定価 2,970円 (本体2,700円+税)

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特集 外科医が知っておくべき! 免疫チェックポイント阻害薬

■総論
外科医にとっての免疫チェックポイント阻害薬
黒田晃弘・他

免疫チェックポイント阻害薬の有害事象とその対応
馬場啓介・他

■各論
乳癌における免疫チェックポイント阻害薬の現状
三好康雄

肺癌における周術期の免疫療法
森本健司・他

食道癌に対する免疫チェックポイント阻害薬治療の実際
本山 悟・他

胃癌に対する免疫チェックポイント阻害療法の臨床試験と将来展望
田中浩明

大腸癌治療における免疫チェックポイント阻害薬の役割
若林宗弘・他

肝細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬──適応と有害事象,進行中の臨床試験
伊藤橋司・他

胆道癌・膵癌における免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験および今後の展望
手塚 瞬・他

■症例紹介
切除不能進行食道癌に対して免疫チェックポイント阻害薬が奏効し根治切除を施行した1例
谷島 翔・他

腹水濾過濃縮再静注法(CART)を併用してニボルマブ療法を行いCRが得られた高度腹水を伴う胃癌症例
佐藤靖祥・他

職業性胆管癌再発に対しニボルマブで完全寛解後長期間durable responseが認められた1例
田中肖吾・他


●手術器具・手術材料──私のこだわり ⑬
単孔式腹腔鏡下大腸癌手術におけるLigaSureTM Marylandの有用性
米澤博貴・他

●同心円状モデルで読み解く 新しい食道外科解剖(新連載)
右上縦隔──縦隔の左右対称性を見抜く
藤原尚志

●FOCUS
手術解剖学とAI技術の融合を目指した取り組み──医師の認識を支援する手術AIシステムの開発
熊頭勇太・他

●病院めぐり
医療法人原三信病院外科
当間宏樹

●臨床報告
原発巣および肝転移巣切除後に肛門転移をきたしたS状結腸癌の1例
中田 博・他

転位左肝動脈まで及んだ特発性左胃動脈解離の1例
山本希誉仁・他

●臨床研究
再発鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の検討
岩内武彦・他

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