コンパクト新版 これなら使える看護診断
厳選NANDA-I看護診断83
『NANDA-I看護診断-定義と分類2012-2014』をわが国で活用するために
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『NANDA-I看護診断-定義と分類 2012-2014』をわが国の臨床でより有効に活用するために、よく活用されている83の看護診断について理論的根拠、診断指標や関連因子・危険因子のポイントのみをピックアップしてコンパクトに解説。各看護診断をより深く理解できるよう、根拠となる患者の症状/徴候を盛り込んだ「看護診断と成果・計画の記述例」を加えた。
編集 | 江川 隆子 |
---|---|
発行 | 2013年09月判型:A5頁:312 |
ISBN | 978-4-260-01846-3 |
定価 | 2,750円 (本体2,500円+税) |
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序文
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はじめに
本書は,『NANDA-I看護診断 定義と分類 2012-2014』の216の看護診断の中から,わが国の臨床でよく活用されている83の看護診断を取り上げて解説しています.この解説の内容は,編者が100人以上の臨床看護師や看護教育者らと,5年余りにわたって一緒に行ってきた研修会での話し合いの成果に基づいています.
そのため本書では,NANDA-Iの看護診断について,単にその理論的背景について概説するだけでなく,臨床的な視点からよく経験する患者の訴えなどを具体的に示し,その上で定義や診断指標,関連・危険因子などを分かりやすく概説することに重点を置いています.
概説の構成は,看護診断の〈定義〉について理論的根拠を述べ,続いて,その定義の範囲を具体的に示している〈診断指標〉では臨床で活用できるものを中心に取り上げ,具体的な患者の訴えや行動を示しながら説明しています.
またそうした診断指標も含め,アセスメントの方法や実際の測定法についても述べています.さらに,看護診断と成果,看護治療計画との関係や記録方法についても述べ,そこからも診断指標が理解できるように構成しています.加えて,看護で活用されるべき看護治療例などについても,必要に応じて概説しています.
関連因子や危険因子については,未開発なものもあり,またまだ十分に検証されていないものもあります.そこで必要と思われるものをピックアップし解説を加えることとしました.
したがって,本書で概説する83の看護診断は,『NANDA-I看護診断 定義と分類』の診断指標,関連因子,危険因子を網羅しているわけではありません.看護診断を適切に判断するためには,この概説とともに必ず『NANDA-I看護診断 定義と分類』を手元においてお読みください.83の看護診断には,読者が読みやすいように『NANDA-I看護診断 定義と分類 2012-2014』に対応するページを記載しています.本書は臨床家の視点から看護診断を解説しているので,読者はきっとむりなく看護診断を理解できると信じています.
また本書では,実際の患者の事例を用いて,看護診断の根拠となる患者の症状や徴候/状態とその看護診断の診断指標との関係を示し,看護診断がより深く理解できるように努めています.
ただ1つ,読者に誤解しないでいただきたいことがあります.それは,看護診断の根拠となる症状や徴候は,診断を導くために編者らが開発したアセスメントツールを用いて情報を収集し,得られた情報の整理・解釈・総合,さらに分析・統合および判断といった看護診断過程(または看護過程)を経て導き出されたものだということです.つまり,各看護診断の解説の中で「看護診断と成果・計画の記述例」として示される事例にあるような一握りの情報をただ収集しただけで,看護診断に結びつけることはできないということです.
とにかく,私たちのこれまでの看護診断を解き明かす取り組みが,看護診断は難解と感じておられる方にとって,苦手意識を解消する一助となることを確信しています.
今回のコンパクト新版では,最新の『NANDA-I看護診断 定義と分類 2012-2014』に合わせて,看護診断名や内容を更新しました.また,この版から,NANDA-Iの方針に従って,「ウエルネス型」を「ヘルスプロモーション型」に含有しています.さらに,アセスメントの一貫性を担保するために特に頻回に臨床で活用できるものや看護師独自でアセスメントできるもの,看護治療が可能な看護診断指標や関連因子,危険因子に対しては,リッカートスケール(Likert scale)を採用して判断しやすいように工夫しています.
最後に繰り返しになりますが,本書では臨床的な視点から看護診断を解説しています.したがって,看護診断を理解するにあたっては,そこに示される診断指標のみに注目するのでなく,その看護診断が生まれた理論的背景を含め,看護診断と成果,および治療計画との相互関係,さらに実際に行われた看護診断と治療も含め,総合的にかつ帰納的・演繹的に双方向から思考をめぐらし,理解につなげていっていただければと思います.
ぜひ,患者さんのために看護診断を習得していただきたいと思います.
2013年7月
江川 隆子
本書は,『NANDA-I看護診断 定義と分類 2012-2014』の216の看護診断の中から,わが国の臨床でよく活用されている83の看護診断を取り上げて解説しています.この解説の内容は,編者が100人以上の臨床看護師や看護教育者らと,5年余りにわたって一緒に行ってきた研修会での話し合いの成果に基づいています.
そのため本書では,NANDA-Iの看護診断について,単にその理論的背景について概説するだけでなく,臨床的な視点からよく経験する患者の訴えなどを具体的に示し,その上で定義や診断指標,関連・危険因子などを分かりやすく概説することに重点を置いています.
概説の構成は,看護診断の〈定義〉について理論的根拠を述べ,続いて,その定義の範囲を具体的に示している〈診断指標〉では臨床で活用できるものを中心に取り上げ,具体的な患者の訴えや行動を示しながら説明しています.
またそうした診断指標も含め,アセスメントの方法や実際の測定法についても述べています.さらに,看護診断と成果,看護治療計画との関係や記録方法についても述べ,そこからも診断指標が理解できるように構成しています.加えて,看護で活用されるべき看護治療例などについても,必要に応じて概説しています.
関連因子や危険因子については,未開発なものもあり,またまだ十分に検証されていないものもあります.そこで必要と思われるものをピックアップし解説を加えることとしました.
したがって,本書で概説する83の看護診断は,『NANDA-I看護診断 定義と分類』の診断指標,関連因子,危険因子を網羅しているわけではありません.看護診断を適切に判断するためには,この概説とともに必ず『NANDA-I看護診断 定義と分類』を手元においてお読みください.83の看護診断には,読者が読みやすいように『NANDA-I看護診断 定義と分類 2012-2014』に対応するページを記載しています.本書は臨床家の視点から看護診断を解説しているので,読者はきっとむりなく看護診断を理解できると信じています.
また本書では,実際の患者の事例を用いて,看護診断の根拠となる患者の症状や徴候/状態とその看護診断の診断指標との関係を示し,看護診断がより深く理解できるように努めています.
ただ1つ,読者に誤解しないでいただきたいことがあります.それは,看護診断の根拠となる症状や徴候は,診断を導くために編者らが開発したアセスメントツールを用いて情報を収集し,得られた情報の整理・解釈・総合,さらに分析・統合および判断といった看護診断過程(または看護過程)を経て導き出されたものだということです.つまり,各看護診断の解説の中で「看護診断と成果・計画の記述例」として示される事例にあるような一握りの情報をただ収集しただけで,看護診断に結びつけることはできないということです.
とにかく,私たちのこれまでの看護診断を解き明かす取り組みが,看護診断は難解と感じておられる方にとって,苦手意識を解消する一助となることを確信しています.
今回のコンパクト新版では,最新の『NANDA-I看護診断 定義と分類 2012-2014』に合わせて,看護診断名や内容を更新しました.また,この版から,NANDA-Iの方針に従って,「ウエルネス型」を「ヘルスプロモーション型」に含有しています.さらに,アセスメントの一貫性を担保するために特に頻回に臨床で活用できるものや看護師独自でアセスメントできるもの,看護治療が可能な看護診断指標や関連因子,危険因子に対しては,リッカートスケール(Likert scale)を採用して判断しやすいように工夫しています.
最後に繰り返しになりますが,本書では臨床的な視点から看護診断を解説しています.したがって,看護診断を理解するにあたっては,そこに示される診断指標のみに注目するのでなく,その看護診断が生まれた理論的背景を含め,看護診断と成果,および治療計画との相互関係,さらに実際に行われた看護診断と治療も含め,総合的にかつ帰納的・演繹的に双方向から思考をめぐらし,理解につなげていっていただければと思います.
ぜひ,患者さんのために看護診断を習得していただきたいと思います.
2013年7月
江川 隆子
目次
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はじめに
第I章 看護診断理解のための基礎知識
1 「看護援助(ケア)」の範囲と看護治療
2 看護診断名の記述構造
3 看護診断の種類
4 看護診断の読み方
5 看護診断(看護上の問題)を読み取るいくつかのコツについて
第II章 本書の読み方
第III章 看護診断の解説
領域1:ヘルスプロモーション
非効果的健康維持
非効果的自己健康管理
自己健康管理促進準備状態
リスク傾斜健康行動
領域2:栄養
栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
栄養摂取消費バランス異常:必要量以上
栄養摂取消費バランス異常リスク状態:必要量以上
嚥下障害
非効果的乳児哺乳パターン
体液量過剰
体液量不足
体液量不足リスク状態
領域3:排泄と交換
腹圧性尿失禁
溢流性尿失禁
反射性尿失禁
切迫性尿失禁
機能性尿失禁
下痢
便失禁
便秘
ガス交換障害
領域4:活動/休息
不眠
睡眠パターン混乱
睡眠促進準備状態
移乗能力障害
床上移動障害
車椅子移動障害
身体可動性障害
歩行障害
摂食セルフケア不足
入浴セルフケア不足
更衣セルフケア不足
排泄セルフケア不足
消耗性疲労
活動耐性低下
非効果的呼吸パターン
領域5:知覚/認知
半側無視
急性混乱
知識不足
言語的コミュニケーション障害
領域6:自己知覚
絶望感
自尊感情慢性的低下
自尊感情状況的低下
ボディイメージ混乱
領域7:役割関係
介護者役割緊張
介護者役割緊張リスク状態
ペアレンティング障害
ペアレンティング障害リスク状態
ペアレンティング促進準備状態
愛着障害リスク状態
家族機能破綻
社会的相互作用障害
非効果的母乳栄養
親役割葛藤
領域9:コーピング/ストレス耐性
無力感
恐怖
非効果的コーピング
家族コーピング妥協化
家族コーピング無力化
悲嘆
悲嘆複雑化
悲嘆複雑化リスク状態
非効果的否認
不安
死の不安
レジリエンス障害
領域11:安全/防御
感染リスク状態
非効果的気道浄化
誤嚥リスク状態
身体損傷リスク状態
周手術期体位性身体損傷リスク状態
転倒転落リスク状態
組織統合性障害
皮膚統合性障害
皮膚統合性障害リスク状態
自己傷害
自己傷害リスク状態
自殺リスク状態
高体温
領域12:安楽
悪心
急性疼痛
慢性疼痛
領域13:成長/発達
成長発達遅延
索引
第I章 看護診断理解のための基礎知識
1 「看護援助(ケア)」の範囲と看護治療
2 看護診断名の記述構造
3 看護診断の種類
4 看護診断の読み方
5 看護診断(看護上の問題)を読み取るいくつかのコツについて
第II章 本書の読み方
第III章 看護診断の解説
領域1:ヘルスプロモーション
非効果的健康維持
非効果的自己健康管理
自己健康管理促進準備状態
リスク傾斜健康行動
領域2:栄養
栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
栄養摂取消費バランス異常:必要量以上
栄養摂取消費バランス異常リスク状態:必要量以上
嚥下障害
非効果的乳児哺乳パターン
体液量過剰
体液量不足
体液量不足リスク状態
領域3:排泄と交換
腹圧性尿失禁
溢流性尿失禁
反射性尿失禁
切迫性尿失禁
機能性尿失禁
下痢
便失禁
便秘
ガス交換障害
領域4:活動/休息
不眠
睡眠パターン混乱
睡眠促進準備状態
移乗能力障害
床上移動障害
車椅子移動障害
身体可動性障害
歩行障害
摂食セルフケア不足
入浴セルフケア不足
更衣セルフケア不足
排泄セルフケア不足
消耗性疲労
活動耐性低下
非効果的呼吸パターン
領域5:知覚/認知
半側無視
急性混乱
知識不足
言語的コミュニケーション障害
領域6:自己知覚
絶望感
自尊感情慢性的低下
自尊感情状況的低下
ボディイメージ混乱
領域7:役割関係
介護者役割緊張
介護者役割緊張リスク状態
ペアレンティング障害
ペアレンティング障害リスク状態
ペアレンティング促進準備状態
愛着障害リスク状態
家族機能破綻
社会的相互作用障害
非効果的母乳栄養
親役割葛藤
領域9:コーピング/ストレス耐性
無力感
恐怖
非効果的コーピング
家族コーピング妥協化
家族コーピング無力化
悲嘆
悲嘆複雑化
悲嘆複雑化リスク状態
非効果的否認
不安
死の不安
レジリエンス障害
領域11:安全/防御
感染リスク状態
非効果的気道浄化
誤嚥リスク状態
身体損傷リスク状態
周手術期体位性身体損傷リスク状態
転倒転落リスク状態
組織統合性障害
皮膚統合性障害
皮膚統合性障害リスク状態
自己傷害
自己傷害リスク状態
自殺リスク状態
高体温
領域12:安楽
悪心
急性疼痛
慢性疼痛
領域13:成長/発達
成長発達遅延
索引
更新情報
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