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これなら使える看護介入 第2版
厳選47 NANDA-I看護診断への看護介入

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今日の臨床でよく使われている47のNANDA-I看護診断に対する、活用可能な看護介入を具体的に示した書の改訂版。各看護診断の定義と解釈を示し、(1)看護介入行為の選択→(2)図解による看護介入の実際→(3)事例に基づく看護介入計画→(4)SOAP方式の経過記録→(5)評価方法で構成される点は前版を踏襲。文献の提示に工夫を行い、臨床家や看護学生がより容易にアクセスできるものとなった。
編集 江川 隆子
発行 2016年04月判型:A5頁:408
ISBN 978-4-260-01956-9
定価 3,740円 (本体3,400円+税)

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第2版 はじめに

 日本人は外来のものを好んで盲目的に受け入れる習癖があり,看護界においても同様の傾向が見られる.昨今のわが国の臨床において電子カルテ化が進む中で,看護記録の1つの方法として,看護診断(NANDA-I)と看護介入分類(NIC),看護成果分類(NOC)のリンケージを利用する病院が多くなっている.これは,外来もの好みのわが国の風潮そのものといえるが,ではNICやNOCのように看護上の問題あるいは看護診断に対応する成果分類や看護介入(援助)行為をまとめたものはというと,わが国では皆無に等しいことも事実である.
 また,NICとNOCは元来,NANDA-Iの看護診断を念頭においてまとめられたものではないため,看護診断の診断指標や関連因子に対応する内容とはなっていない.「看護診断」と「看護成果」と「看護介入(看護治療)」との理論的な関係づけを確立することの重要性は共通に理解されていることであるが,これら3つを内容的にリンケージし,臨床に応用しようと考えるのは,相互の関係やその整合性が十分かつ綿密に検証されていないため,無謀な試みとすら言えるかもしれない.具体的には,NICが提示している看護介入のための「行動」を,看護者が実践できないといった事態が容易に想像できる.
 本書では,こうした状況を考慮したうえで,これまで研究された看護治療(看護行為)について文献レビューし,実際に活用しうる看護治療(看護行為)を具体的に示そうと考えた.これら看護治療の技術は,今後とも看護師自身が臨床で患者に対して実施しながら獲得し,かつ検証すべきものである.
 この第2版では,『NANDA-I看護診断 定義と分類 2015-2017』 の診断名や定義の変更に伴い,さらに日本の臨床でよく用いられる47の看護診断に対応する看護治療を中心に取り上げている.具体的には以下の内容である.
(1) 看護診断に対する看護治療(行為)の選択
 看護治療の選択にあたっては,ICNP看護実践国際分類,看護にかかわる主要な用語の解説(日本看護協会),日本看護科学学会看護行為用語分類,NIC(看護介入分類)を参考にした.
(2) 看護治療のための基礎理論およびその方法の提示
 研究論文等の文献レビューを基にして基礎となる理論を提示し,その具体的な方法・内容・手順を図式等で詳しく概説する.また,臨床で看護治療を正確かつ安全に,また効率的に実施できるヒントを,〈介入のためのワンポイント〉として示している.
(3) 47の看護診断それぞれに活用可能な看護治療法,内容・手順などの提示
 さらに,具体例を用いて診断-成果の立案-看護治療計画の立案-看護治療実施後の看護記録という臨床での実際の流れにそって,看護記録方法を臨床的視点から,また研究および教育的視点から紹介している.
 本書を熟読することで,臨床家および研究者・看護学生が,看護診断に対してこれなら実際に臨床で使える看護治療であると理解していただければ幸いである.それと同時に,以下のような事柄について習熟する学習を重ねていっていただくことを期待している.
(1)看護診断に対する現実的な看護治療(行為)を認識できるようになる
(2)看護診断に対する看護治療の効果を検証しようとする研究的視点を獲得できるようになる
(3)臨床における看護診断に対する看護治療の適応,および計画立案について学ぶことができるようになる
(4)臨床に根ざした研究の視点を広げ,研究実践にまでつなげることができるようになる

 現在,看護系学会等社会保険連合は,看護上の問題に対するEBN(エビデンスに基づく看護援助)を提示できる看護治療(行為)の提案を勧めている.本書で紹介するいくつかの看護治療(看護行為・援助)も,平成20年度以降の厚生労働省への看護界からの提案事項として盛り込まれたものである.
 本書が,臨床家にとって本当に役に立つ,かつ臨床への適応可能な看護治療に関するバイブルとなると信じている.そのために,この第2版では,臨床家が必要とする文献にアクセスがより容易にできるよう文献の提示に工夫を行っている.

 2016年3月
 関西看護医療大学理事長・学長
 江川 隆子

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はじめに
第I章 看護介入のための基礎知識
第II章 本書の読み方
第III章 看護介入(看護治療)
厳選47 NANDA-I看護診断への看護介入
 領域1(DOMAIN):ヘルスプロモーション
  非効果的健康管理
  リスク傾斜健康行動
 領域2(DOMAIN):栄養
  栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
  嚥下障害
  体液量過剰
 領域3(DOMAIN):排泄と交換
  腹圧性尿失禁
  反射性尿失禁
  切迫性尿失禁
  機能性尿失禁
  下痢
  便失禁
  便秘
 領域4(DOMAIN):活動/休息
  睡眠パターン混乱
  移乗能力障害
  身体可動性障害
  床上移動障害
  車椅子移動障害
  歩行障害
  摂食セルフケア不足
  入浴セルフケア不足
  更衣セルフケア不足
  排泄セルフケア不足
  活動耐性低下
 領域5(DOMAIN):知覚/認知
  半側無視
  言語的コミュニケーション障害
  知識不足
 領域6(DOMAIN):自己知覚
  絶望感
  自尊感情状況的低下
  ボディイメージ混乱
 領域9(DOMAIN):コーピング/ストレス耐性
  非効果的コーピング
  悲嘆
  悲嘆複雑化
  不安
  死の不安
  無力感
 領域11(DOMAIN):安全/防御
  感染リスク状態
  非効果的気道浄化
  誤嚥リスク状態
  周手術期体位性身体損傷リスク状態
  転倒転落リスク状態
  組織統合性障害
  皮膚統合性障害
  皮膚統合性障害リスク状態
  自殺リスク状態
 領域12(DOMAIN):安楽
  悪心
  慢性疼痛
  急性疼痛

参考文献
さくいん

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