NANDA-I看護診断
定義と分類 2012-2014

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NANDAインターナショナルで承認された看護診断を収めたハンドブック。16の新しい看護診断が追加、11の看護診断が改訂されたほか、基礎教育における看護診断の教え方や電子カルテにおける活用の仕方についての解説もさらに充実。臨床でのレファレンスに、また看護診断の学習に役立つナース必携の書。
編集 T.ヘザー・ハードマン
監訳 日本看護診断学会
発行 2012年07月判型:A5変頁:656
ISBN 978-4-260-01557-8
定価 3,300円 (本体3,000円+税)
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 NANDAインターナショナル(NANDA International:NANDA-I)「看護診断:定義と分類」はおなじみの書籍ですが,2012-2014年版は好評を得た2009-2011年版の「新しいスタイルと雰囲気」を土台にしています。最新版の本書では,新たな16の診断と改訂した11の診断を載録した他,冒頭部のいくつかの章を改訂し,新たな章も追加しました。各分野の非常に優れた研究者がこれらの論文を執筆しています。看護診断の開発・検証・使用に役立つ論文ですから,ぜひお読みください。看護診断が安全にかつ世界中で同じように確実に使っていただけるように,これらの寄稿を掲載しています。
 NANDA-Iは非営利の会員組織です。つまり,事務的業務と管理機能を除くすべての作業を,無償のボランティアが行っています。NANDA-Iのボランティアには,世界で最も才能ある看護学者や研究者もいます。ですから,一般的に考えられているのとは異なり,オフィスビルが米国内にあるわけでも,大勢の研究者が机を並べて看護診断に取り組んでいるわけでもありません。このボランティアの人々というのは,患者ケアを重視し,看護と看護師が多大に貢献していることを確信して,時間や専門的知識をNANDA-Iに提供しているあなたや私と何ら変わらない人々です。
 NANDA-Iの著作物は,改訂を重ねるごとに訳本も増えてきました。私たちの作業の成果が多くの言語で出版されることは,患者の安全性や質の高いケアやエビデンスに基づくケアに力を注いでいる国際的会員組織にとって好ましいことですし,非常に誇りに感じています。2年前からのWiley-Blackwellを出版パートナーとした提携関係は効果を上げています。この出版社との取り決めの中で,それぞれの,そしてすべての翻訳が,正確かつ厳密に行われることを重要視しています。私たちは現在,翻訳が正確になされるよう,出版社とともに厳密な品質保証のメカニズムを設けています。それぞれの訳本の元になる書籍は,常にアメリカ英語版です。独断的に映るかもしれませんが,私たちはNANDA-Iの著作物が,世界中でそのインテグリティを確保できるように,全力を注いでいるのです。そこで,患者の安全性やケアの一貫性の向上のためにも,私たちの努力に対するご理解をお願いしたいと思います。非営利の組織ではあっても,組織の運営にはもちろん相応の収入が必要です。出版社に販売するライセンス料やデジタル製品での著作物使用料が,私たちの主な収入源になっています。
 毎年私のもとには,様々なレベルの看護師から,NANDA-Iの看護診断は住んでいる国や地域の文化に適応するのか,というたくさんの質問が届きます。私たちは国際的な組織として,文化的多様性や実践の違いを尊重しています。しかし,世界で最も活用されている標準的看護診断用語の提供者としては,まさに“看護診断の標準語”を提供する義務があるのです。たとえ問題となる診断がその文化には該当しないとしても,翻訳者や臨床の専門家からの求めに応じて,ある特定の言語の特定の版だけで,看護診断を変更してはならないと考えています。これは単に,私たちが標準的看護診断用語の臨床での有用性を確信しているからだけではありません。本書を読む人が入手できる臨床的情報の検閲行為を支持すべきではないと考えているからです。看護師*の皆さんには,使用を決めた診断を実際に活用する時には,説明責任が伴います。誰しもが一度に全看護実践領域の専門家だといえないのは明らかなように,本書に載録しているすべての看護診断を誰もが使えるものではありません。臨床で安全に活動できる看護師は内省的実践家であり,自分の臨床能力を十分に理解していることが安全性の中核部なのです。本書には,皆さんが毎日のように実践で使う診断もあれば,全く使用しない診断も多いかもしれません。このことは文化的適応性の問題にも関連しています。もしも本書での学習中に,自分の実践や文化に該当しない診断を見つけたら,その診断は使わない,と皆さんは決めることもできるのです。しかし私は,看護師としての様々な臨床経験から,一見したところ文化的にありえない診断も,完全には無視してしまわないようにお願いしたいのです。私たちは多文化社会や高度な流動的社会に暮らしています。最初は風変りにみえる診断を検討してみることは,思考への挑戦になり,新たな可能性や解釈を切り開くかもしれないのです。これらはすべて,内省的で生涯にわたって学び続ける実践家の重要な資質でもあります。
 診断の1つひとつは,NANDA-Iのボランティアによってつくりだされたもので,大部分は明確な根拠に基づいています。診断開発委員会は,新たな診断や改訂された診断の1つひとつすべてを討議して洗練した後,NANDA-I会員に提出し,最終的な投票が行われます。会員が投票で最新版に含めることを賛成した場合にのみ,新たな診断や改訂された診断は最新版に載録されます。NANDA-Iに入会した当初,私はこのような民主制に強くひかれましたが,当時からの価値観が今も変わっていないことを喜ばしく思います。しかし,一部の診断について,間違っている,あるいは修正が必要だと思われる場合は,診断開発委員会委員長にウェブサイトから連絡を取ってご意見をお寄せください。あなたの見解を支持するために,できるだけ多くの根拠もご提供ください。特定の言語の訳本や改訂版のみを変更するのではなく,このような作業によって,看護診断用語のインテグリティと一貫性を継続的に保証することができ,個々の研究者の叡智と努力からの利益を誰もが享受できるのです。私たちはもちろん,新たな診断の提案も歓迎します。提案に関するガイドラインは本書およびウェブサイトをご参照ください。
 ここ数年間の会員に関係する主なできごとの1つが「会員ネットワークグループ」の発足です。学術活動の追求や看護診断の促進に向けて集まったNANDA-I会員グループは,大きな成功を収めています。現在,ブラジル,ペルー,エクアドル,ナイジェリアにグループがあり,ガーナ語とドイツ語の言語グループも誕生しました。さらなるグループづくりの申請を大いに歓迎します。詳細は,ウェブサイト(www.nanda.org)をご参照ください。
 時間・献身・熱意を本書の作業に注いでくださった,すべてのNANDA-Iボランティア,委員会の委員,委員長,理事会役員を称賛させていただきたいと同時に,多くのご支援に感謝します。さらに,前理事長であり現専務理事のHeather Herdman博士と事務局スタッフにも心から感謝します。ここ数年で実施してきた様々な環境整備作業の1つが,Wiley-Blackwellを出版パートナーに迎えたことでした。このような前進によって,いつまでも反応性がよく,近代的で健全な経営状態の組織であり続けることができるでしょう。
 診断開発委員会の委員,特に委員長のGeralyn Meyers博士(2010年まで)とShigemi Kamitsuru博士(2010年から)には深く感謝します。NANDA-Iの「動力室」であるこの委員会の並外れたボランティア作業には,いつも非常に恐縮し,感心します。
 最後になりますが,私が約20年前にNANDA-Iに入会した時,自分がいつか理事長に選出されるなどとは想像すらしえませんでした。私が初めての非米国人理事長,初めての男性理事長になりました。理事長の任務を務めることができ本当に光栄でした。人々が質の高い,根拠に基づく,安全な患者ケアの確保に引き続き懸念を有する限り,NANDA-Iには果たすべき役割があります。私たちの行っている作業は,看護の未来に向けたまさに中核部なのですから。

 NANDAインターナショナル理事長
 プロフェッサー ディコン・ウィア=ヒューズ
 Professor Dickon Weir-Hughes
 President, NANDA International


*診断スキルを発展させるために看護学生は,説明責任の取れる看護師に監督してもらうことを私たちは期待しています。

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NANDAインターナショナル著作権承認ガイドライン

はじめに
 本書の使い方
 よくある質問
謝辞
 各章の著者
 各章のレビュー担当者
 新たな看護診断,2012-2014
 改訂された看護診断,2012-2014
 削除された看護診断,2012-2014
 2012-2014年版NANDA-I分類法IIにおける診断の配置の変更点
 NANDA-I/NIC/NOC分類法における診断の配置の変更点
 2009-2011年版NANDA-I分類法における看護診断の改訂

第1部 NANDAインターナショナル分類法
 はじめに
 第1章 NANDA-I看護診断分類法II 2012-2014

第2部 実践,管理,研究,情報科学,専門教育における
NANDAインターナショナル看護診断の知識と活用
 第2章 看護アセスメント,臨床判断,看護診断:正確な診断の決定方法
 第3章 教育における看護診断
 第4章 電子カルテにおける看護診断の価値
 第5章 看護診断と研究
 第6章 看護管理における臨床判断と看護診断
 第7章 看護分類:基準と評価

第3部 NANDA-I看護診断2012-2014
 NANDA-I看護診断分類の使用に関する国際的考察

第4部 NANDAインターナショナル2012-2014
 NANDAインターナショナル・シンクタンク会議
 NANDAインターナショナル学会声明
 第8章 NANDA-I看護診断に採択されるまでの開発プロセス
 NANDAインターナショナル審査過程と手順
 用語解説
 NANDAインターナショナル2010-2012
 NANDAインターナショナル入会のご案内

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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