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ナースのためのコーチング活用術

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本書ではコーチングのスキルを基礎から応用までわかりやすく説明し,読みながらコーチングが身につくように工夫されている。具体例も豊富で,現場ですぐ活用できる。随所に使われたイラストによって,楽しくコーチングが習得可能。医療者同士の人間関係や患者への対応に悩みや疲れを感じているナースにお勧めの1冊。
編著 柳澤 厚生
日野原 万記 / 井原 恵津子 / 清野 健太郎 / 磯 さやか
発行 2003年11月判型:A5頁:168
ISBN 978-4-260-33307-8
定価 1,980円 (本体1,800円+税)

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  • 目次
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第1章 ナースの新しい武器は『コーチング』!
 Lesson 1 「コーチング」ってなに?
 Lesson 2 「コーチング」の歴史
 Lesson 3 ナースと患者のコーチング・コミュニケーション
 Lesson 4 上司と部下のコーチング・コミュニケーション
第2章 コーチングの基本スキルを使ってみよう
 Lesson 5 コーチングの基本的考え方
 Lesson 6 「目標設定」のスキル
 Lesson 7 「ラポール(親密感)」をつくるスキル
 Lesson 8 「環境を整える」スキル
 Lesson 9 「傾聴」のスキル
 Lesson 10 「承認」のスキル
 Lesson 11 「質問」のスキル
 Lesson 12 「提案」のスキル
第3章 タイプ別コーチングでレベルアップ
 Lesson 13 タイプ別コーチング【タイプ分けの方法】
 Lesson 14 「親分肌」のコントローラータイプ
 Lesson 15 「目立ちたがり屋」のプロモータータイプ
 Lesson 16 「人の和」を大事にするサポータータイプ
 Lesson 17 「冷静沈着」アナライザータイプ
 Lesson 18 これは使える! 患者さんのタイプ別コミュニケーション
第4章 ちょっとハイレベルな知識とスキルを使う
 Lesson 19 コミュニケーションの見直し
 Lesson 20 自己理解と他者理解「ジョハリの窓」
 Lesson 21 「比喩」のスキル
 Lesson 22 「リフレーミング」のスキル
 Lesson 23 「アンカリング(錨をおろす)」のスキル
 Lesson 24 GROWモデル
第5章 コーチングを使いこなそう
 Lesson 25 クイック・コーチング
 Lesson 26 会議でコーチングを使う
 Lesson 27 看護学生の教育にコーチングを使う
付録
著者紹介
索引

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この本いかがですか?(雑誌『助産雑誌』より)
書評者: 新井 美香 (助産師)
 最近「コーチング」という言葉を,よく目や耳にするようになっています。本書によると,コーチングは「相手の自発的な行動を促すコミュニケーション技術」のことで,日本でも一般企業のなかでの社員教育や指導者教育で活用されているといいます。また,子どものしつけにコーチングの活用を勧める本も書店にはありました。本書は,そのコーチング技術を医療者(看護師)に広めようと書かれたものです。

 コーチングの基本は,「質問・傾聴・承認・提案のスキル」の4つです。加えて,「目標設定・ラポール(親密感)・環境を整える・比喩・リフレーミング・アンカリングのスキル」などがあり,コミュニケーションを取る際,これらのスキルを意識して活用します。たとえば,「質問」は,「なぜ?どうして?(Why)」のような否定質問ではなく,「何が?(What)どうしたら?(How)」のような肯定質問を意識する。「提案」は,「~してください」は指示・命令と受け止められがちなので,相手に許可を得てから話し,相手が選択できるように話を進めるなどです。当たり前のことでも,患者やスタッフとの会話で,思い当たる節がある人は多いはず。

 また,人を4つのタイプに分類し,そのタイプに合ったコミュニケーションのポイントが説明されています。人のタイプを意識しながら接すると,いままでとは違ったかかわり方を見つけるヒントにもなり,自分がどんなタイプの人間かを再認識することもできます。

 妊産褥婦に対し,「~教室・~指導」として,病院独自のマニュアルを用いた指導を行なっている施設が多いと思います。褥婦は5日前後で退院するため,問題が表面化しなければ,ゆっくり1人ひとりと向き合うことができず,患者が抱えている問題や希望の共有が難しいのが,産科病棟の特徴であり,勤務する助産師共通の課題や悩みでもあります。情報提供はできても,患者がどう理解し,感じて,行動していくかを把握できないまま関係が途切れてしまうことも多くあります。「20世紀は,患者は私たちの言葉を指示・命令と解釈しがちだったが,21世紀はそう解釈されない関係の構築が望まれる」と本書は述べています。コーチングは,相手の意欲を引き出し行動を促すためのコミュニケーション技術です。いままで無意識,あるいは省略しがちだった過程を,コミュニケーションの際の「技術」として捉えられていることが,とても興味深く,言いっ放し,やりっ放しではない,効果的なアプローチができる気がします。

 病院内には患者,患者の家族,医療者同士,先輩―後輩,上司―部下,さらには学生指導とさまざまな「関係」があります。性格や立場が違う者同士は,とかく問題が生じ易く,ものの言い方1つで関係は大きく変わると感じています。コーチング技術を意識したかかわりが,気持ちよい職場の人間関係や,患者へのケアの充実につながっていくかもしれません。本書は「ナース」のために書かれており,日々のかかわりが,事例としてまとめられているため,日々の仕事にも活用しやすい内容になっています。

(『助産雑誌』2005年5月号掲載)
現場での看護師育成に最適の一冊
書評者: 中村 惠子 (青森県立保健大学教授)
 私が「看護職員教育にコーチングの考え方を活用する」ことを見聞きしたのは,今から10年程前であったと思います。なぜコーチングが私の眼に触れたかというと,当時,私は杏林大学医学部附属病院の看護部長の職にあり,この本の編著者の柳澤厚生先生たちとともに仕事をしていたからです。大学病院の看護部長の大きな仕事の1つは,高度先進医療を担う看護職員の育成です。自分が実践をするのではなく看護職員(他者)が自身でやりがいを感じ,力量形成できるようプランし指導するにはどうしたらいいかと考えていた時,本屋で一般書の中にコーチングの本を見つけました。従来から私たちは実践指導に力を入れて人材育成をしていましたが,それをコーチングとは考えていませんでした。そして,コーチングのスキルを活用するともっと明確に実践指導が可能になることもわかりました。

◆「コーチング理論」が一からわかる

 昨年11月に出版された本書「ナースのためのコーチング活用術」は,このような私へのプレゼントとうれしく拝読しました。すでに多くの看護職のリーダーたちが手にとっているとの情報も入っており,看護の方々が待っていた著書であろうと思います。本書は5章27レッスンで構成されています。第1章『ナースの新しい武器は「コーチング」』では,コーチングってなあに,コーチングの歴史,ナースと患者のコーチング・コミュニケーションが記され,第2章『コーチングの基本スキルを使ってみよう』では,コーチングの基本的考え方をはじめ,目標設定,ラポール(親密感)の形成,環境の整備,傾聴,承認,質問,提案といったスキルが記述されています。第3章『タイプ別コーチングでレベルアップ』では,タイプ別コーチング(タイプ分けの方法),親分肌のコントローラータイプ,目立ちたがり屋のプロモータータイプ,人の和を大事にするサポータータイプ,冷静沈着アナライザータイプ,これは使えるタイプ別コミュニケーションといった内容となっています。ここまではコーチングの基本として活用できる情報が多く盛り込まれています。自分のタイプと相手のタイプを重ね合わせ指導に活用できそうです。第4章『ちょっとハイレベルな知識とスキルを使う』では,コミュニケーションの見直し,自己理解と他者理解「ジョハリの窓」,比喩のスキル,リフレーミングのスキル,アンカリング(錨をおろす)のスキル,GROWモデル,第5章『コーチングを使いこなそう』では,クイックコーチング,会議でコーチングを使う,看護学生の教育にコーチングを使うが述べられています。すべて読む時間がないナースはクイックコーチング(Lesson25)を読み,その後必要なところを読まれるのも宜しいでしょう。著者たちは研修や大学院での実績を基盤にされているので,とてもわりやすく書かれています。私はコーチングのことを看護管理者育成のファーストレベルの講義でも話しているので,私にとっては待ちに待った書が刊行されたことに感謝し,ナース諸姉へ推薦するものです。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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